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くりかえされる “裏切り” の人生【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.69


Introduction

人生の転換期には人間関係にも大きな変動が起こります。新しい出会いがあれば、その一方で、どんなに親しい間柄であっても疎遠になっていくこともあります。

今回紹介するのは、人生をシフトチェンジするときに、周囲の人間を裏切る形で前に進むか、自分が裏切られる形で新たな環境へと進んでいくか、どちらかのパターンを繰り返してきた女性(Kさん)の体験です。

ミロスプログラムに出会うまで自分のパターンにすら気づくことのなかった彼女は、どうやって繰り返しの人生から抜け出し、本来の自分のステージへとシフトチェンジしていったのでしょうか。

『くりかえされる “裏切り” の人生』【前半】

私、このままでいいの?

今から11年前のこと ─ 会社勤めをはじめて3年が経ち、仕事にも人間関係にもすっかり慣れたころ、Kさんは自分の将来について考えるようになりました。

彼女の職種では、女性が手に職をつけて一生仕事を続けることもめずらしいことではありませんでした。しかし、職場環境に不満や問題はないものの、このままずっと続けていくことに疑問が湧いていました。

「私は本当にこの道を望んでいるのだろうか…」

そう考えたとき、未来がまったく見えてこなかったといいます。Kさんはその仕事を続ける意欲を急激に失っていきました。仕事面でこのような転換期を迎えていたころ、プライベートでも大きな変化がありました。

結婚を約束した恋人から…

彼女には結婚を約束した恋人がいました。付き合い出して間もないころは、結婚を申し込まれるほど意気投合した二人でした。しかし、親密度が深まる一方で、次第に相手がいることが当たり前になっていき、マンネリ化していきました。やがて、二人だけでいると時間を持て余すようになり、気がつくと距離感が生まれていました。

彼は友人たちと遊ぶことを優先するようになりました。彼女に連絡をくれる回数も減っていきました。それでも、Kさんはプロポーズしてくれたときの彼の想いを信じ、そのうち結婚してずっと一緒に暮らせるものだと思っていました。

ところが、しばらくして、何度連絡しても彼からの返事が全くない日が続きました。そして、ようやく連絡が取れたと思ったら、彼から信じられない言葉が返ってきたのです。

「“別れる” ってメールしたよ」

彼女にはそんなメールは届いていませんでした。しかし、メールが届いていたかどうかは、もはや問題ではありませんでした。彼の言い分はこうでした。「結婚そのものに興味がなくなった。相手が誰であっても、僕は結婚する気はない。こんな僕とこのままつき合っていても意味がないでしょう」

話し合う余地もない一方的な理由を突きつけられ、彼女は何も言い出せないまま電話を切りました。結局、その電話で二人の関係は終わってしまったのです。

もう仕事しかない!すべてを一新して…

別れることなど考えていなかった彼女は、突然プツリと切られた縁に、言いようのない虚無感と孤独感を感じました。目の前から結婚が消え…彼女に残されたのは “仕事” だけになりました。

この出来事が彼女を次のステージへと押し進めることになります。ある日、自分の体を癒そうと受けたアロママッサージに、思いがけず自分の道を見つけます。

「こんなにも人を癒す仕事があるなんて…。私もこんな仕事がしたい!」そう思い立ったKさんは、あっさりと会社を辞めてアロマの勉強をはじめました。そして、アロマの講師でもあるショップのオーナーに気に入られ、そこで働くことになったのです。

新しい環境で働く毎日は新鮮で刺激的でした。彼女にとって、以前の職場や恋人はすでに “自分には不要なもの” になっていました。これまで仲良くしてきた友人たちと連絡を取り合うことも煩わしくなり、彼らとの縁を切るような形で新しい関係性に浸っていきました。

1年後、技術面や人間性をオーナーに買われたKさんは店長にまでなっていました。スタッフからの信頼も得て、自分を指名する固定客も付き、充実した毎日を送っていました。

ふたたび沸き起こる“このままいいの?”

ところが、4年目に近づいた頃、彼女の中に以前と同じ疑問が湧き上がってきたのです。「私はここでずっと働き続けるのだろうか…」ひとたび疑問が湧いてくると、今まで尊敬していたオーナーに対する見方も変わっていきました。嫌なところが目につきだし、不信感さえ抱くようになりました。

「この人には、もうついていけない…」そう思った彼女は、自分の中から容赦なく突き上げてくる強い違和感から “独立” を決心したのです。自宅マンションの一室をサロンにして、自分に付いていた顧客を引き連れての独立でした。“もうついていけない”という彼女なりの理由はありましたが、オーナーに何も相談することなく彼女が取った行動は、裏切り行為以外のなにものでもありませんでした。

確かに、それまで関わってきたアロマの関係者に対して心が痛むことはありました。しかし、内側から突き上げてくる強い力がそんな感情を押し流し、彼女を前へ前へと押し進めていったのです。

このように、Kさんは定期的に人生の進路について疑問を感じ、自ら環境を変えていました。しかし、当時はまだ自分の行動にパターンがあることに気づいていなかったので、彼女の目の前では同じようなシチュエーションが繰り返されていたのです。

後半は、ミロスプログラムを知ったKさんが裏切りの人生の “源泉” に触れ、“本当のステージ” へとシフトチェンジしていく様子をお伝えします。

(シリーズ後半へつづく)

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