人間の意思をこえて幸せや不幸を与える力を“運命”や“宿命”と呼び、努力ではそれを変えることはできないという考え方があります。しかし、運命にも、実はそれをつくり出している“メカニズム”があるのです。
もし、あなたが「これも運命だ」と、幸せになることをあきらめているとしたら、これからご紹介する実証例は、人生を変えるヒントになるのではないでしょうか。
今回は、子どもの頃から悲しい別れを繰り返してきたある女性(Kさん 50代 大阪府)が、ミロスシステムで人生を紐解き、なぜそうなってしまうのか…そのメカニズムを理解し、運命を変えた体験です。
『悲しい別れが繰り返す…そんな人生をつくり上げていたものは?』
実の母との突然の別れ
Kさんが小学1年生の時でした。ある日、学校から帰ると母の姿はなく、仕事に行っているはずの父が家にいました。Kさんは、父から事情を説明されることもなく、身の回りの荷物をまとめさせられ、父方の祖父母の家へと連れていかれました。
何もない殺風景な部屋に通され、その日からそこで暮らすことになったKさんは、初めて“母が病気療養のために実家に帰った”ことを知ります。突然、母がいなくなったショックは大きく、「母に置いていかれた」と思い、深く傷つきました。その後も、母に会わせてもらえず、寂しさから高熱が幾日も続いても、誰もKさんの願いを聞いてはくれませんでした。
そして、母と別れてから一年半後、永遠の別れがやってきました。ある日の朝、祖母から母が亡くなったことを聞かされたのです。元気になった母に会えることだけを心の支えに頑張っていたのに、戻ってきたのは冷たくなった母の遺体でした。
母の容態についても何も教えてもらえなかったことが悲しく、あまりにも突然の悲しい別れに、理不尽さを感じずにはいられませんでした。
悲しい別れが繰り返される
しばらくして父は再婚し、両親の揃う家庭に彼女は安らぎを求めましたが、継母と父方の家族との人間関係がうまくいかず、ストレスで病気になった継母は、実家の家族に連れ帰られてしまいました。これも、Kさんが夜中に眠っている間の出来事でした。
その後、継母は家に戻ってきましたが、今度は夫婦仲がうまくいかなくなり、喧嘩の末の家出など、やはりKさんの見ている世界には“突然いなくなる”という現象が続きました。
彼女の年子の妹も、継母と馬が合わず父の実家にあずけられ、のちに叔母の養子になってからは会う機会もなくなりました。Kさん自身も18歳の時に家を出て独立し、26歳の時には父も亡くなり、実家とは疎遠状態になっていました。
そして6年前には、母親違いの末の妹が、結婚後まもなく精神を病み、自ら命を絶つという悲劇も起きていたのです。
子どもの頃から繰り返す“悲しい別れ”はKさんのトラウマになり、その不安を振り切るように彼女は生きていましたが、人生は変わりませんでした。異性関係でも、別れに対する恐怖から、相手が自分から離れていくように感じてしまい、振られる前に自分の方から別れを切り出すというパターンを繰り返していました。
Kさんにとって人生は、自分の力ではどうにもならないものであり、「なんで私の人生にはこんなことばかり起こるのだろう…」と、こみ上げる怒りに苦しんでいました。
“新次元の視点”から人生を俯瞰すると
しかし、彼女はミロスシステムに出合い、“人生は変えられる”ことを知ったのです。
ミロスシステムの“新次元の視点”から人生を俯瞰した時、今まで見えなかった「もうひとつの世界」が見えてきました。
「嫌いだから…」という理由で、3年以上も継母に会っていなかったKさんは、“嫌いになる”には“好きになりたかった”という気持ちがあったこと、そして、継母に近づかなくなったのは、“失う恐怖があったから”であり、本当は「失いたくない」と思っている自分を知りました。
また、不幸な人生(デメリット)にもメリットがあることも知りました。子どもの頃から“可哀想な私”でいることで、周りから同情され、厳しいことを言われなくてすんだからです。
Kさんは、思いもしない自分を知っていくなかで、今までの人生が“片側だけでつくり上げた狭い世界”であることに気付いていきました。そして、感情が人生を紐解く“鍵”になることを知り、今までこらえていた怒りや悲しみを、過去にさかのぼり味わっていきました。
両親との関係性を紐解く
すると、意外にも実母との関係性に自分の怒りの根源があることがわかったのです。母を美化していただけに驚きましたが、そこから一気に人生が紐解けていきました。
「母が生きていたら、こんな人生にはならなかった…」と怒り、何よりも、母に置いていかれた悲しみが、母に対する憎しみを生み出し、置いていかれた自分を否定し、「生まれてこなければよかった…」と思っていたのです。
また、父に対しても、あまり触れ合う機会がなかった上に妹ばかりをかわいがる父を憎み、愛してもらえない自分を否定していました。
しかし、実は父や母に感じていたものさえも、彼女の自分自身に対する評価なのです。つまり、「父や母から愛されていない、誰からも認めてもらえない…」という世界は、「こんな私はダメだ」と自分自身を切り捨てていたKさんがつくり上げた世界であり、その自分自身との関係性が、悲しい別れを繰り返す人生を生み出していたのです。
別れを繰り返す人生の終わり
すべてが紐解けたら、両親に対する誤解も解け、今まで無縁だと思っていた“愛”を体中で感じることがました。そして、自分自身とつながったKさんの世界に変化が起こり出したのです。
何年も疎遠になっていた方との縁が復活したり、接客業をしている彼女の人気が上がり、今、仕事面で大きな変化を体験しているそうです。メカニズムを理解したことで、別れを繰り返す人生は終わり、どんどん縁がつながる毎日を楽しんでいます
(終わり)