人間は何歳になってもそれほど変わるものではありません。今と10年前の自分、20年前の自分、30年前の自分を比べてみるとどうでしょうか。同じような事に、同じ考えで悩んでいないでしょうか。
今回ご紹介する実証例は、家族のしがらみに悩んでいたある女性(Sさん)が、ミロスシステムに出会い、目の前の現象を通して、それをつくりだしている自分の内面意識を知っていくことにより、子供の頃から見続けていた世界が終わり、まったく新しい世界が広がっていった体験です。
『孤独、我慢、遠慮…パターン化した人生をリセット』
家族との財産分与で
ある日、Sさんの実家で財産分与に関する家族会議が開かれました。
結婚前は、当たり前のように参加していた家族会議に、結婚後は参加させてもらえなくなった彼女は、この日もピシャリと閉められた襖を前に、疎外感や寂しさを感じていました。
そして、父の遺言書を作成する際にも、両親の面倒を見る妹だけが参加し、彼女はやはり蚊帳の外でした。
他家に嫁いだとはいえ、部外者扱いされることが悲しくて寂しくて仕方がありませんでした。
両親の期待を裏切った罪悪感
けれども、Sさんには、家族に対して意見できない理由がありました。
二人姉妹の長女として生まれ、家の“跡取り”として育てられてきたにもかかわらず、長男の男性と結婚した彼女は、両親の期待を裏切ったことに罪悪感を持ち、自分には実家の話に首を突っ込む“資格はない”と思い込み、いつも言いたい事を我慢し、遠慮していました。
しかし、ミロスシステムに出会い、自分の内面意識が表に“反転し”、それを相手に映し見ているという仕組みを知った彼女は、実家の家族との関係性に感じる疎外感や寂しさをじっくりと味わってみることにしたのです。
幼い頃からの感情
すると、普段感じている感情が記憶の奥深くにつながり、子供の頃からずっと“孤独なままの自分”がいることに気づくことができました。
家族に対する“我慢”や“遠慮”についても、今の関係性に感じているのではなく、幼い頃からずっと抱いていた感情だったのです。
親孝行な娘として生きていた
Sさんは、こんな幼少時代を過ごしていました。物心ついた頃から“跡取り”として育てられていた彼女は、無意識のうちにしっかり者を演じていました。
そして、母の実体験を通して“親孝行は美徳である”という話をいつも聴かされていた彼女は、知らず知らずのうちに、親や兄弟を大切にする人間になりたいと思うようになっていました。
そのため、5歳下の妹に母の愛情を奪われたような気持ちになってもグッと我慢し、母を困らせるようなことはしませんでした。
逆に、“跡取り”として、そして、“親孝行な娘”として、本当の想いや寂しさを心の奥に追いやり、感じないように蓋をして、妹を可愛がっていました。
母からの愛を取り戻したい!
また、母の愛を獲得しようとして、母のような人間を目指していたSさんは、どんどんその想いが強くなり、妹の面倒を見るだけでなく、不仲な両親の間に入り、自分が盾となって理不尽な父から母を守っていました。
それでもなお、母の愛を取り戻せたように思えなかった彼女は、その寂しさを埋めるために外側の世界に“親密さ”を求め、母や周りの人たちに合わせて、いろんな事を我慢し、遠慮していました。
Sさんは、子供の頃から何十年たった今でも、同じ現象に、同じ考えで悩んでいたのです。
無意識が原因
しかし、すべては自分の内面が映し出された世界であるという理解のもと、Sさんは外側に感じるものと自分の内面を等しく観ていきました。
すると、相手の行為や環境が原因で、疎外感や孤独を感じていたのではなく、“自分を否定”し、“ありのままを認めることのできない”彼女の“無意識”が、“母の愛情を感じられないという不幸”を招いていたことや、自己を愛することができない彼女の、“自分に対する冷淡な姿”が、目の前の相手に映し出され、“疎外感”を感じていたという驚愕の真実を知ることができたのです。
すると、彼女の環境が変わり始めました。
どんどん周りが変わり出した
特に夫の変化はめざましいものでした。
“頑固で友達もいない孤独な人”だと思っていた夫が、実は心を閉ざした自分そのものだったと気づくと、まるで夫を覆っていた“思い込みのフィルター”が剥がれたように、目の前に真新しい夫が現れました。
今まで感じられなかった思いやりや愛までも夫から感じられるようになり、夫婦関係もすっかり変わってしまいました。
財産分与の件も、彼女が必要とする分を分けてもらえることになり、また、今まで我慢してきた想いを母に正直に伝えたところ、心のわだかまりも溶けていきました。
人生がまったく新しく変わる
この体験により、外側の世界と内面意識との関係性を理解したことで、彼女の中から、愛されないことへの恐怖や孤独感は消え、それに伴い、ずっと自分に注がれてきた母の愛情も感じられるようになりました。
Sさんの人生はまったく新しく変わり、生まれ直したような新鮮な感覚で、思い通りに変わる世界を楽しんでいます。
人生を変えてしまう実践方法
いかがでしたでしょうか。人間は、自分に入ってきた様々な情報を、無意識のうちに精査し、変換し、内面意識に添った世界につくり変えていきます。
無意識であるがゆえに、変えることのできなかった人生が、こんなにもシンプルな実践方法で変容していくのです。
どんな状況でもあきらめることはありません。どのシーンにも法則があり、それを解明していくミロスシステムによって、人生は驚くほど変わっていきます。
(終わり)