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子どもの暴力行為 解決の糸口は思いもしないところにあった

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.206


Introduction

子どもの問題行動のひとつに暴力行為があります。どうしても暴力という行為にばかり目が向きがちですが、その奥底にある自分を卑下する悲しみや、自分を責める攻撃性が他人に向けられることによって起きているケースが多いのです。

放っておけば重大な事件にまで発展しかねない側面もあり、長期化するほど対応が難しいと言われていますが、実は思いもしないところに解決の糸口があったのです。

今回ご紹介する実証例は、息子の暴力行為や自虐行為に約4年間悩まされてきたある母親(Kさん-仮名 40代 東京都)が、ミロスシステムに出合い、まったく新しい角度から子どもの暴力行為の根源的な原因を見つけ出し、その日から、平和で穏やかな家庭生活を取り戻した体験です。

Kさんの体験に基づき、従来の取り組みにはないアプローチ法をお伝えします。

『子どもの暴力行為 解決の糸口は思いもしないところにあった』

荒れ狂う息子

Kさんが息子の異変に気付いたのは、今から約4年前、彼が小学5年生の時でした。腕にカッターで切り付けた痕が見られるようになり、どうしたのかと尋ねても「うるせー」としか言わない息子を、彼女はただ見守ることしかできませんでした。

そんな日々が続くなか、ある日、夫の一言が次男の怒りに火をつけたのです。父親に暴言を吐き、そばにあったペットボトルを投げつけ、自室に閉じこもると、部屋の中から信じられないほどの恐ろしい物音が聞こえてきました。

木刀で窓ガラスを割る音、照明を叩き壊す音、素手で壁やドアを打ち破る音…。

Kさんが止めに入っても息子は興奮するばかりで、ただただ収まるのを待つことしかできませんでした。その日から、家じゅうをこわばった空気が支配するようになり、息子の表情や言動に家族は敏感になっていきました。

少し落ち着いたように思えても、夫の不用意な言動が息子の感情の地雷を踏み、爆発する…。何度も繰り返すうちに、リストカットなど自虐行為もエスカレートし、また、木刀で車を破壊したり、包丁まで振り回すほど荒れ狂う日もありました。

解決策が見つからないまま4年が経ち…

Kさんは、なんとかして息子を救いたい、彼の気持ちを理解しようと必死でした。しかし、息子に寄り添おうとすればするほど彼の心は離れていってしまうような気がしてなりませんでした。夫も、何がそれほどまでに息子を怒らせてしまうのかがわからず、次第に近づかなくなりました。

解決策を見つけられないまま、4年が経ってしまいました。

そんななか、友人からすすめられたのがミロスシステムでした。目の前の問題と自分の無意識との関係性を知り、彼女はミロスのシステムでこれまでの人生を紐解き、子どもの問題を生み出しているものを自分の中に探していきました。

自分の考え方が問題をつくっている

そこで見えてきたものは、両親を嫌い反面教師にして生きてきた自分の考え方が、今の状況をつくり出しているという驚愕の事実でした。

Kさんは子どもの頃、機嫌が悪いと家族を怒鳴ったり、殴ったりする父を憎み、その父と離婚できないことを子どものせいにする母のことも嫌っていました。そして、夫から殴られる原因さえも「あんたが悪いからだ」と言う母の言葉にひどく傷つけられてきました。

Kさんは、父からも、母からも愛情を感じられず、全面的に否定されているように感じて育ったのです。

問題をつくったメカニズムを知る

両親を嫌い、彼らを反面教師にして生きるようになったKさんは、父とは正反対のタイプの男性と結婚し、子どもを授かります。そして、私は子どもの気持ちを理解できる母でいよう、我が子を傷つけるようなことは決して言わない、何があってもこの子を守ってみせる…と強く思っていました。

しかし、いつの間にか、夫の機嫌をうかがい、夫の無言の圧力にビクビクしながら暮らすようになっていました。まるで、父が夫に入れ替わったかのように、むかし父に抱いていた感情と同じものを夫に感じるようになっていたのです。

そして、息子に対しても、何を考えているのかわからなくなっていました。

Kさんは、自分の中にある欠乏感や不足感を埋めようとプラスに傾き生きてきたことで、バネにしたマイナスが表に“反転”し、さらに大きなマイナスの現象を生み出した“メカニズム”を知り、驚きました。今まで良かれと思ってしてきたことが、逆に思うようにいかない人生をつくり上げていたとは思いもしませんでした。

また、“親が子ども時代に抑圧した感情や欲求が、我が子に現れる”ことを知り、自分が父や母に言えなかったことや、抑圧した怒り、憎しみ、悲しみを、いま息子が表現していることがわかると、一気に力が抜けてしまいました。

息子の暴力行為がなくなった

こうしてKさんは、息子の暴力行為を生み出していた“メカニズム”を知り、出口の見えなかった暗闇から抜け出すことができました。「もう大丈夫だ」と思えた瞬間、安堵感と解放感の“涙と笑い”が一緒にこみ上げてきました。

その日、Kさんは家に帰ると、家の中はすっかり変わっていました。ピリピリした空気感はなくなり、やわらかく、軽く、今までとは明らかに違っていました。

それ以降、息子の暴力行為はなくなり、その後、中学校の体育祭で彼が見せてくれた競技に全力で取り組む姿や、友人たちと笑顔で会話する様子に、Kさんは息子の変容ぶりを感じて涙がとまらなかったそうです。

息子と夫の距離も自然となくなり、二人で一緒にいる姿も見かけるようになりました。また、夫婦関係も変わり、夫からの無言の圧力も感じなくなり、Kさんは自由に振る舞えるようになりました。

問題の存在しない世界へ

ミロスシステムに出合い、本当にわずかな期間でKさんの人生は劇的に変わってしまいました。

「もう何があっても大丈夫」

そう言いきる彼女は、“問題の存在しない世界”をつくる新次元の叡智と、ゆるぎない安心の世界を手に入れたのでした

(終わり)

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