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身体面における新時代の可能性 (3) 子供の突然の病 目の前の事象をどう見るかで起こる奇跡

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.129


Introduction

ミロスシステムの実証例を様々な分野で特集し、ご紹介しております。“身体面における新時代の可能性”と題してお届けする3回目の今日は、“命にかかわる病気”を発症した子供の母親の体験です。

わが子が重大な病気に冒されていると知ったら、不安や恐怖で自分を見失ってしまうかもしれません。しかし、ネガティブな感情に取り込まれると、人間のコントロールできない思考が、不安や恐怖をどんどん増幅し、起きてもいない事に脅える世界をつくり出していきます。

今回ご紹介する実証例のKさん(女性)も、医師の告知に冷静さを完全に失ってしまいました。しかし、ミロスシステムにより、病という事象に映し出された自分の“無意識のパターン”を理解したとき、子供の病状がまったく変わってしまったのです。

実際に病気のお子さんを持つ親御さんの心情を察すると心が痛みます。しかし、Kさんの体験を通して、システムを理解することで人生を変えてゆけることを、頭の片隅にでも入れておいていただければ幸いです。

『身体面における新時代の可能性 (3) 子供の突然の病 目の前の事象をどう見るかで起こる奇跡』

娘に白血病の疑いが

「娘さんは白血病の疑いがあります」

それは、Kさんの18歳になる娘に告げられた検査結果でした。今まで元気だった娘に一体なにが起きているのか…。得体の知れない不安と恐怖が彼女を襲ってきました。それでも、医師の言葉は容赦なく続きました。

「白血球数が4万を超え、初見でガン細胞らしきものが見つかりました。血糖値が1000近くあり、身体のイオンバランスは、生きていることが奇跡としか言えません…」

次々に告げられる聞き慣れない医学用語と数値は、どれも娘の状態が尋常ではないことを証明していました。

『どうしてあの子が…!』

行き場のない悲痛な叫びが体中に反響しました。そして、自己否定の傾向が強い彼女は、目の前からその材料を拾い集め、自らネガティブな思考の世界に引きずり込まれていったのです。

病気をジャッジせず受け止める息子たち

そうなるとすべてがうまくいかなくなっていきます。彼女を傍で見ていたパートナーとも衝突するようになりました。

Kさんの自己否定的なところに憤りを感じるパートナーと、まったく理解してもらえないと嘆くKさん。互いにフラストレーションが充満していました。

しかし、幸いにもほかの子供たちは冷静に妹(Kさんの娘)の病気を受け入れていました。彼らは三つ子で、妹の二人の兄でした。

病気のことをジャッジせず、ありのままを受けとめ、移植まで申し出てくれたのです。いつもと変わらない様子の息子たちに、Kさんはどれほど癒やされたことでしょうか。

“病”に映し出されていた感情は?

肩の力が抜け、冷静さを取り戻した彼女は、ミロスシステムにより、さっきまで取り込まれていた“感情”を使い、病という事象に映し出される自分の無意識を紐解いていったのです。

今回の出来事で強烈に噴き出したのは、自分のせいで娘は病気になったという“罪悪感”と、そこから生じる“否定的な感情”でした。

そして、それが子供時代の“親を見る目”でつくられた観念的思考であることを学んでいたKさんは、過去の親子関係を見直していきました。

両親を追体験していた

実は母がKさんを妊娠していた時、当時5歳だったKさんの兄がバイクのひき逃げ事故に遭い、重度の障害が残るという悲しい出来事がありました。母は息子を守り切れなかった自分を強烈に責め、罪悪感から鬱病を発症しました。

その時の母の苦しみを、今、娘の病気を通して“追体験”していたのです。また、父は、持って行き場のない怒りに苦しみ、母を責めることしかできませんでした。

互いにどうしようもない怒りや悲しみを抱えていた両親…その両親を、自分たちが“追体験”していることもわかりました。

さらに彼女は紐解いていきました。

自分の存在に罪悪感を持った

兄が事故で意識不明状態の時、母はこれからのことを考え、Kさんを産むことをためらったそうです。

どんな事情があったにしても、子供にとっては非常にショックな話です。のちにその事を聞かされたKさんは、生まれてきたことを否定されたように感じ、自分の存在そのものに“罪悪感”を持ってしまったのです。

そして、母のことが大好きだった彼女は、できるだけ親に迷惑をかけないように生きるようになりました。

同質の感情をもつパートナー

しかし、愛されたい、かまって欲しいという欲求は募るばかり。

我慢している分、兄の世話にかかりっきりの母に憎しみが湧き、障害を持つ兄に嫉妬しました。そして、そんな自分を“罪深い人間”だと責め、さらに“罪悪感”は強烈なものになっていったのです。

そして、パートナーも同じような心の傷を持っていました。内面に同質の罪悪感を持つ男と女が出会い、一方は、自分を責めることで、罪から逃れようとし、もう一方は、相手を責めることで自分の罪から目を背けてきました。

逃げれば逃げるほど罪悪感は増幅し、さらに大きな問題を目の前につくりだし、またその出来事に罪悪感を抱き、自分を責めるという負のスパイラルにはまっていたのです。

先祖と同じ男と女のパターン

Kさんが見ていた父と母も、まさにこのパターンでした。つまり、これが代々繰り返されてきた“男と女のパターン”だったのです。

また、父と母に抱いていた愛情の欠如感についても、もともと彼女の内面にあった存在への罪悪感がつくり出した幻想であり、これも彼女に引き継がれてきた家系の葛藤でした。

今まで誰も知らなかった無意識の葛藤や、それがつくり出すパターンを、Kさんが明らかにしたことによって、ようやくリセットすることができたのです。

命の危険がなくなった

後日、専門病院で行われた検査では、驚いたことに、前回の検査であれほど異常だった数値が元に戻り、血液の病気ではないことが判り、ガン細胞も発見されませんでした。

様子を見ていく必要性はあるものの命の危険はまったくなくなったのです。

一時はどうなることかと思いましたが、今回の体験で、逆に、Kさんは大きなものを得ることができ、感謝の気持ちでいっぱいだそうです。

いかがでしたでしょうか。目の前の対象物との空間をどう読み解くかで、見ている世界はまったく変わってしまいます。来週は、また新しいジャンルで新時代の可能性をお届けします。

(終わり)

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