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結婚 — 男と女の関係には、うまくいかないトリックがある 【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.19


Introduction

離婚の原因は様々ですが、なぜうまくいかないのかという根源的なことが分からなければ、男と女が救われることは永遠にありません。年間約23万組の夫婦が離婚する “離婚大国” になってしまった日本。男と女が上手くいかないことで社会の基盤である家庭が崩壊し、少子化問題も深刻なものになっています。

国という私たちの大きな家がジリジリと白アリに蝕まれ、ある日突然…。取り返しのつかない事態に陥る前に、今回は結婚をテーマにして、人間社会をつくりだしている大元の男と女がどうしてうまくいかないかについてお話しします。

『結婚 — 男と女の関係には、うまくいかないトリックがある』

結婚は苦しいものという認識

経済成長の急速な伸びと共に、1980年頃から結婚しない人、結婚してもすぐに離婚する人が増えてきました。男女共に経済的余裕ができたことで、何にも束縛されない自由な独身生活を選ぶ人が増えたという見方もありますが、それはあまりにも短絡的な考えです。

離婚が急増した大きな原因は、やはり、日本人の結婚に対する価値観が大きく変わってしまったこと、そして何よりも、個人の結婚観に多大な影響を与える家庭がおかしくなってしまったことだと言えるでしょう。両親の不仲や親子の確執のなかで育ち、“結婚は苦しいもの” という認識を持てば、結婚して家庭を持とうという気持ちにはなれません。

それよりも、「恋愛や仕事、趣味など、もっと他の事で人生を楽しもう」「家庭に縛られて一生過ごすよりも独身でいた方がずっと良いだろう」という結婚観を持つ人間が増えても仕方がないでしょう。

そして、そんな社会背景から、今では結婚も離婚も目的は同じく幸せになることだとして気軽に結婚し、「上手くいかなければ離婚という選択肢がある」という考えが社会的にも認められるような時代になりました。しかし、それで本当に幸せになれるのでしょうか。

相手を変えても関係性は変わらない

再婚したのに再び離婚に悩む相談者のほとんどが、前の結婚と同じような関係性に陥っていることに気づいていません。

「今度の人は大丈夫だと思ったのに…」「結婚したら相手が急変した…」「前の人とは真逆のタイプだったのに…」

みなさん口々に理由を話されるのですが、それが前回と同じ不足感を表現していることにどなたも気づいていません。

前の結婚の時と全く同じ理由で離婚を迷っている人でさえ、自分が “同じ関係性を繰り返している” ことを本当の意味でわかっていないのです。自分では過去を教訓に一歩前に進んだと思っていても、実は全く同じスパイラルから脱け出せずにグルグルと回っています。

“男と女” にはトリックがあった

しかし、どうして自分のことなのに気づくことができないのでしょうか?その原因は、実は “男と女” は想像もつかない大きな “トリック” に取り込まれていることなのです。では、どんなトリックに取り込まれているのか、ある男性のケースをもとにお話していきましょう。

例:過去を悔やみ、真逆のパートナーを……

妻へのDVで離婚したAさんという男性がいました。前妻はとても口が立つ女性で、夫婦喧嘩になると自分は抑え込まれてしまい、なおさら怒りが吹きだして我を忘れて手を出してしまっていたというAさん。自分の行為を深く反省し、ようやく離婚の傷も癒えて再婚へと前向きな気持ちになったとき、理想的な女性と出合うことができました。

彼女は前妻とは全く真逆のタイプで、おしとやかで自分の話をよく聞いてくれる女性。そして、彼女も離婚経験があるため、互いに分かり合えることが多く「今度は大丈夫だ」「今度こそ幸せになれる」と思いAさんは再婚しました。

ところが、結婚した直後から、妻が自分の意見を押し付けてくるようになります。最初は「結婚したのだから恋人時代とは少しくらい変わるだろう」と思っていましたが、どんどん妻が変わっていき、ある日、ほんの些細なことから口論になりました。

さらに苦しむことに

あまりにも自分の意見を否定され「私の方が正しい」と言わんばかりに責めてくる妻に対して怒りが沸点に達し、我慢できずに手を上げてしまったのです。そして、目の前には “前妻との苦しい記憶” がフラッシュバックしたかのような光景が…。

どん底の絶望感に襲われたAさんは、どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。「今度こそ失敗しないように」と前回とは真逆のタイプの女性を選び、やっと幸せを手に入れたと思った矢先に、以前と同じ関係性に陥ってしまったのです。再婚だけにそのショックは大きく、傷口をさらにえぐられたような苦しみがAさんを襲いました。

どうしてこんなことになってしまうのでしょうか。相手が変わり環境が変わったために「以前とは違う」と感じているだけであり、男と女の関係性のトリックから脱け出さない限り、同質の相手と引き合い、同質の関係性に苦しみ、関係性は必ず崩壊していくのです。

次回は、このAさんが “男と女の関係性のトリック” を知ったことで、どう変わっていったかをお話しします。

(シリーズ後半へつづく)

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