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内側のコミュニケーションで男と女は本当の解放を得る

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.153


Introduction

結婚すると“自由がなくなる”と思っている人は世の中にはたくさんいます。実際、“独身の自由な感覚”を捨てきれず、結婚に踏み切れない男女が増えていますが、実は、夫婦という男と女の特別な関係性には、人間が求めてやまない本当の自由や幸せを体現できる“仕組み”が隠されているのです。

今回ご紹介する実証例は、夫婦の衝突をきっかけに、ミロスシステムに基づく“内側のコミュニケーション”によって、自分たちを不自由にしていた根源から解放されたある夫婦の体験です。

『内側のコミュニケーションで男と女は本当の解放を得る』

どうして味方になってくれなかったの?

きっかけは、妻のMさんが知人と意見が食い違い不利な立場になった時、隣にいながら少しも味方になってくれなかった夫(Kさん)に激怒したことから始まりました。

凄い形相でこちらを睨みつけ、何かを壊さなければ気が治まらないと言う妻を前に、何も解決策が思い浮かばなかったKさんは、とにかく妻の話を聴くことにしました。

「どうして味方になってくれなかったのよっ!」

“離婚”の二文字が頭に浮かび・・・

夫に裏切られたと感じた妻は、そのひと言から栓を切ったように日ごろのストレスをぶちまけ、しまいには「奥さんもやめてやる!」と言い出す始末でした。Kさんは、まさか妻がこれほどまでストレスを溜めていたとは思ってもみませんでした。

そして、それ以上にショックだったのは、「奥さんをやめる」という言葉でした。即座に、“離婚”の二文字が頭に浮かび、これから先の人生が見えなくなるほど不安な気持ちに襲われたのです。

妻のストレスは自分のもの

しかし、Kさんたちは共にミロスシステムを学んでいました。夫婦は無意識の中に“同じもの”を持っていることを知っていた彼らは、互いにパートナーに感じるものや、相手が発した言葉を“反転”させ、“自分の内面”として理解していったのです。

Kさんは一通り妻の言い分を聴くと、今までまったく気づいてあげられなかったことを謝り、大変な思いをして頑張ってきた妻を抱きしめました。そして、妻のストレスを自分のものとして感じてみた時、無理をして頑張っている自分に気づくことができました。妻の叫びは彼が隠していた心の叫びであり、妻をいたわる言葉に彼自身が癒されていったのです。

封印していた記憶

すると、何かが外れたように、これまで弱音を吐いたことのなかったKさんが、最近感じていた不安を話し出しました。

体調不良に悩んでいたことや、病気を心配していたこと。もし自分が働けなくなったら…と、不安な日々を過ごしていたこと。そして、夫としての役割を果たせなくなった時の自分に対する無価値感につぶされそうになっていたことを妻に話していた時、Kさんの脳裏に“ある言葉”が浮かんだのです。

『いらない子…』

それは、彼が無意識の中に封印していた記憶でした。

抑圧していた感情を解放した

『お母さんが家を出て行ったのは、僕が“いらない子”だからだ…』

忘れていた昔の記憶につながり、これまで感じたことのない辛い感情がこみ上げ、涙がとまらなくなったのです。

実はKさんは、2歳の時、母が家を出たきり1年間も家に戻らなかったという、とても辛い出来事を体験していました。毎日、母を求めて泣いていたにもかかわらず、当時のことをまったく覚えていない彼は、周りの人間からその時の事を聞かされても、まるで他人事のようにしか思えませんでした。それほどまで彼は感情を遮断し、無意識の奥に抑圧していたのです。

しかし、妻に本音を聴いてもらったことをきっかけに、あの時の自分につながり、母がいなくなった時の悲しみや恐怖を思いきり感じ、ひとしきり泣いたことで感情を解放することができたKさんは、これまで怖くて見ることのできなかった自分を、初めてはっきりと見つめ、抱きしめることができたのです。

母の思いを感じることができ・・・

一方、妻のMさんは、自分の前で泣き崩れた夫が、次第に解放され癒されていく姿に、自分が安らいでいくのを感じていました。すると、母親のような気持ちになり、夫にこう言葉をかけたのです。

「お母さんは、“いらない子”だなんて思ってないよ。あなたがいるだけでよかったんだよ。何かができないと愛してもらえないなんて、ありえない。お母さんもお父さんと上手くいかなくて、可愛い我が子を置いて出て行くほど切羽詰まっていたんだと思うよ」

妻の言葉に自分の母の想いを感じた夫は、心の底から癒されていきました。そして、妻もまた自分の母の気持ちを感じ、今度は彼女の方が封印していた感情につながっていったのです。

無意識が人生に影響を与えている

子供時代に『何かができないと愛してもらえない…』と思い込み、その思いに縛られて生きてきた彼女にとって、夫にかけた言葉は、自分がもっとも聴きたかった母の想いでした。そして、夫のおかげで母の愛を全身で感じることができた彼女も、心の底から癒やされていきました。

Kさんも、Mさんも、子供の頃から“悲しい思い込み”に縛られ、母の愛情を切望しながら、“愛される価値がない”というコンプレックスを持ち、辛い感情を無意識の中にしまい込んで生きていました。そして、この“無意識”が現実の世界に様々な現象で現れ、彼らの人生に不自由で生きづらい世界をつくり出していたのです。

お互いにかけがえのない存在

もし、ミロスシステムを知らなければ、夫婦は“同じもの”を持つ男と女の組み合わせゆえに、苦しみは倍増していたことでしょう。しかし、“新次元の視点”から、パートナーに感じるものを“反転”させ、“自分の内面”として受け取り、自分と相手を等しくする“内側のコミュニケーション”により、自分たちを“不自由にしていた根源”を解放することができたのです。

二人はまったく“同じである”ことが分かった時、とてつもない解放感と安堵感で、涙と笑いが止まらなかったそうです。この体験により、互いになくてはならないかけがえのない存在であることを体感した彼らは、これからも夫婦で手をつなぎ、いろんなことを超え、二人が本当に思い描く人生を創造していくことでしょう。

(終わり)

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