恋人同士の時は何も問題はなかったのに、結婚した途端にうまくいかなくなったという話をよく聞きます。
夫婦はもともと他人だから仕方がない、結婚すればいろんな問題がでてきて当然だと思うかもしれませんが、実は結婚には、各々が抱えている問題を浮上させ、それを夫婦で乗り越えるという仕組みがあり、その先に、その一組だからこそ体験できる素晴らしい人生が待っているのです。
今回ご紹介する実証例は、離婚の危機をミロスシステムで乗り越え、今では自分たちのライフスタイルにとどまらず、周囲の人たちや地域社会にまで影響を与えるほどの存在に変わってしまったある夫婦(夫Sさん 40代 妻Kさん 30代 山口県)の体験です。
『結婚は、男と女でクリエイティブな人生を産み出せるシステムだった』
期待に胸を膨らませた結婚生活が…
夫婦の出会いは、Sさんが勤める会計事務所の顧問先からのご縁で、互いに理想の相手に出合い、期待に胸を膨らませて結婚生活がスタートしました。
夫婦共働きで、家事のほとんどを妻のKさんがこなしていましたが、“いい奥さん”になりたかった彼女は、夫が思う理想の妻になろうと頑張っていました。
しかし、仕事と家事の両立は想像以上に大変で、やっても、やっても、終わらない家事に気持ちが滅入り、手伝ってくれない夫に不満を抱くようになりました。
そして、恋人同士の時は大好きだった夫の“明るく社交的で器用なところ”が、結婚後は彼女のコンプレックスを刺激するものに変わり、夫と比べて自分に欠けているものを見つけては「私は何もできない…」と自分を卑下するようにもなりました。
精神的に病んでいく妻を目の前にして
その頃、職場でも経営者から何かにつけ攻撃され、Kさんのストレスは溜まる一方でした。そんな中、夫の仕事がどんどん忙しくなり、夜中に夫婦で夕食をとるという生活が続きます。Kさんは、夫に愛されているのかもわからなくなり、離婚をするか、いっそ死んだ方が楽かもしれない…と考えるようになってしまったのです。
夫のSさんは、精神的に病んでいく妻を目の前にして、何もしてあげられない自分を責めていました。そして、一度精神科で診てもらおうと提案した時、妻のたっての願いでミロスシステムを一緒に学びだしたのです。
夫婦は同質の感情面や観念を持っている
そこで、夫婦は同質の感情面や観念を意識の奧(内面意識)に持っていることや、その内面意識を最も映し見せてくれるのがパートナーであることを知りました。
常に向上心を持って頑張ってきた妻のKさんは、夫と一緒になったことで劣等感や心の奥にしまい込んでいた怒りが噴き出し、夫は、子どもの頃から遮断してきた辛い感情を、塞ぎ込んだり、感情的に怒ったりする妻に映し見ていたのです。
夫婦は共に、親の愛情や家庭の温かみを感じられずに育ってきました。“愛してもらえない”“認めてもらえない”“わかってもらえない”という不足感から、親に対する強烈な怒りを隠し持ち、また、優秀な兄や姉と比べて強く自分を否定して生きていました。
そんな二人が一緒になったことで、お互いが、相手の言動に自分の子ども時代の古傷や感情が刺激され、それが目の前の世界に様々な問題をつくり出し、本人たちも今まで味わったことのない苦しみを体験していたのです。
夫婦は苦しい人生を一緒に抜け出すことができる
しかし、同じものを持つ者同士だからこそ、夫婦はパートナーを通して自分の内面意識を知り、苦しい人生から一緒に抜け出すことができます。
二人で相手に感じたものを出し合い、まるで答え合わせをするかのように、同じものを持っていたこと、それが生きづらい人生をつくり出していたことを理解していきました。
自分たちの人生を左右していた内面意識を知っていくことで、安堵感と信頼感が生まれ、夫婦共に否定的な感情や考えが消えていきました。
そして、自分を認め、自分を愛せるようになった頃から、夫婦の見る世界が大きく変わり出したのです。
夫婦の思い通りの創造が始まった
夫婦の会話も、不満や愚痴から創造的なものに変わり、今度は自分たちが喜ぶ世界をつくろうと、思うまま欲しいものを言葉にしていきました。
たとえば、最高の職場環境が用意され、その新しい事務所では所長として働き、夫の収入は今の二倍になるなど。他にも「こんな生活がしたいね、それにはこれが必要だね、こんな事もしたいね…」というように、現実的には無理なことでも臨場感たっぷりに楽しく想像しました。
すると、後日、本当にぴったりの条件で別の会計事務所からヘッドハンティングされ、あれよあれよという間に夫婦の思い通りに現実が動いていったのです。
Sさんの乗る社用車も、車好きの彼のオーダー通りのものが用意され、古いビルの中にあった事務所も、妻の希望通りに大きな駅前にある新築マンション内へ移転しました。スタッフにも恵まれ、苦手な仕事を振り分けられることで、繁忙期でもSさんの負担は軽減され、おかげで仕事もはかどるようになりました。
「これから益々活躍の場が広がっていくよね」「顧問先がどんどん増えていくといいね」と言えば、全国から税理士が大勢集まる大会の実行委員長に抜擢され、講演依頼までいただくようになりました。
契約の依頼も後を絶たない人気事務所になり、売り上げは伸び続け、なんと3年半の間に、県内では一番勢いのある事務所に成長しました。妻のKさんも、会社の事業計画に関わる大事な会談に参加し、いろんな案が採用されているそうです。
また、出張も観光を兼ねて夫婦で行けるようになり、顧問先からハワイの挙式に招待されるなど、日常を楽しむ幅も広がりました。
クリエイティブな人生を産み出し続けている
ミロスシステムに出合い、夫婦の実践で各々が生まれ変わり、夫婦関係が変わり、生き方も、働き方も、豊かさも、全てがガラッと変わってしまいました。二人は以前とは別人のように生き生きと輝き出し、今では周囲の人たちにも影響を与える存在になっています。
今、Sさんは税理士関係の仕事以外にも、地域活性化を推進する有識者が集まる会に最年少で所属し、地域の事業にも携わるようになりました。今年の秋には、会計事務所の現代表のあとを引き継ぎ、代表に就任することも決まっています。
彼らの創造はとどまるところを知らず、クリエイティブな人生を産み出し続けているのです
(終わり)