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過去の感情に囚われた人生をリセット

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.168


Introduction

辛い体験や悲しい体験は誰にでもありますが、中にはトラウマになるほど強烈な体験の記憶を持っている人もいます。何十年経っても、その時に感じた恐怖や悲しみに囚われ、健康的な日常を送れずにいる人は、決して少なくありません。

今回ご紹介する実証例は、人間関係のトラウマから、30年間、鬱の症状に苦しんできたある女性(Kさん)が、ミロスシステムによって、長い間、囚われていた恐怖や不安から解放されていった体験です。

『過去の感情に囚われた人生をリセット』

30年もの間、鬱の症状に苦しんだKさん

中学時代にいじめに遭ってから、いつも他人からの陰口に怯えていたKさん。彼女は人間関係のストレスで30年もの間、鬱の症状に苦しんできました。

しかし、ミロスシステムに出会い、いじめが原因で人生がおかしくなってしまったのではなく、本当の原因が自分の中にあることを知っていったのです。

“いい子”になろうと努力するも…

Kさんの実家は先祖代々に渡って続いてきた老舗で、成績優秀な家系でした。成績の良い兄たちに囲まれ、彼女も幼い頃から「できて当たり前」という重圧を感じながら育ちます。そして、いつ頃からか母の意識を自分に向けさせたいと思うようになり、“いい子”になろうと努力していました。

しかし、少しも母は彼女の方を向いてくれなかったそうです。寂しさは膨れ上がり、母に認めてもらいたくて、これまで以上に努力をするようになったKさんの背後で、「このままの自分ではダメだ」と、自己否定が増長していたのです。

母の愛を求めて顔色を伺うKさんは、“母に愛されていない”“認めてもらえない”と感じる場面を無意識に拾い集めるようになります。そして、母の事情や気持ちとは関係なく、彼女は自分が感じたままに人生をつくり上げていきました。

母の愛情を感じられなかった子ども時代

幼稚園の時、退園時間になっても母は現れず、いつも友人宅にあずけられ寂しい想いをしていました。

登園拒否をしても心配してもらえず、高熱を出して寝込んだ時でも、母は出かけて行きました。小学生の頃は、学校から帰ってきても、母が迎えてくれることもなく、誰も居ない家の中で一人寂しくテレビを見ていたそうです。

Kさんは、母の愛情を感じられない寂しい世界をずっと見続けていました。その寂しい気持を隠し、小学校の6年間は様々な場面で活躍しますが、母の関心を自分に引くことはできませんでした。

“間違った自己イメージ”がもたらしたもの

そんな子ども時代を過ごす中で、彼女は「私はダメな子なんだ」「愛される価値がないのだ」と“間違った自己イメージ”を持ってしまいました。

そして、その無意識の自己否定が、とうとう目の前に“否定的な現象”となって現れます。彼女が中学生になった時、友人からの“いじめ”が始まったのです。

陰湿で長期間に渡って繰り返されたいじめは、彼女の心を深く傷つけ、中学を卒業する頃には鬱になっていました。この時に体験した“疎外感”と“恐怖”が彼女の記憶に強く残り、その後の人生に大きく影響していました。

母までも鬱の症状に苦しみ出した

また、病んでいく娘の様子を見ていたKさんの母も、自分を責めだし、鬱の症状に苦しむようになりました。

一時期は、母娘で自殺未遂や入退院を繰り返していたそうです。

対人関係の“恐怖”から逃れられない

長い月日をかけて治療し、鬱を克服できたと思っても、対人関係で抱く“恐怖”から逃れることはできませんでした。

「陰で何か言われているかもしれない…」

現実にそういう事があろうとなかろうと、Kさんは、いつも誰かが自分の陰口を言っているような気がしてなりませんでした。

相手に嫌われないように“いい人”でいようと努力をしても、必ず人間関係で摩擦が生じました。

また、“良い妻”になり夫を支えようと頑張っても、夫は何度も転職を余儀なくされ、経済は回らなくなっていきました。

“いじめ”の原因が分かり、恐怖や不安から解放された

どうすることもできなかった人生でしたが、ミロスシステムに出会い、すべてをリセットすることができたのです。

中学時代のいじめは、自分を愛せなくなってしまったKさんの無意識の“自己否定”が原因でした。自分と同質の“自己否定”を持つ相手と引き合い、出会い、いじめの関係性が成立したのです。

いじめた側は、自分の嫌いなところをKさんに感じて、彼女を攻撃しました。一方のKさんは、常に自分を否定的な言葉で傷つけていた、その“無意識の行為”が、外側の世界に“いじめられる”関係性をつくり出していたのです。

つまり、自分の陰口を言っていた張本人は、彼女自身だったのです。

また、“できる妻”を演じていたKさんの背後で増長していた自己否定が、目の前に反転し、経済的に安定しない夫をつくり出していたことも知りました。

いじめの体験から長い間苦しんできましたが、自己否定をバネに頑張れば頑張るほど、目の前には“否定的な現象”が現れるという“仕組み”を知ることができました。

誰も悪くはなかったことに安堵したKさんは、長年囚われていた恐怖や不安から、ようやく解放されたのです。

今までの人生をリセットできた

すると、彼女の世界はみるみる変わっていきました。

関係性が壊れ疎遠になっていた友人との縁が復活し、夫婦関係も再生していきました。辛かった人生も、今では“自分を愛すること”を教えてくれた大切なものに変わっています。

自分を愛しだしたKさんは、今、生まれ直したように、活き活きと毎日を楽しんでいます。

(終わり)

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