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人間の真の解放(1) 人間が本当に解放されるべきものは何か(シリーズ前半)

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.136


Introduction

今週からお届けする新しいテーマは「解放」です。運命に翻弄されてきた人たちが、ミロスシステムにより、人間存在の根源から解放され人生を再生させていく様子をお伝えします。

本当の自由、理想の世界を求めない人はいませんが、それだけ自分の中に欠乏感や不足感があるということを知っている人はほとんどいません。そして、当然のことながら、求めれば求めるほど、逆に遠ざかって行くという“この世のトリック”に取り込まれていることにも気づいていません。

今回ご紹介する実証例は、子供の頃から世の中や大人に矛盾を感じ、本当の自由や理想社会を探して、宗教や精神世界を遍歴するも、完全に納得できるものにめぐり会えず、理想とは真逆の壮絶な人生を生きてきたある女性(Sさん)が、ミロスシステムに出会い、過去から背負って来たすべてのものから解放され、本当の人生を生き始めた体験です。

彼女の体験に基づき、人間が本当に解放されるべきものは何かをお伝えします。

『人間の真の解放(1) 人間が本当に解放されるべきものは何か(シリーズ前半)』

Sさんの生い立ち

Sさんが理想の世界を求め出したきっかけは、生まれ育った家庭環境にありました。実家は材木屋を営み、隣接する工場からは丸太を伐採する機械音と、それに負けない父の大きな声が一日中聞こえていました。

職人気質で怒りっぽい父の、従業員に仕事を指示する声に、Sさんはなぜか自分が怒られているような恐さをいつも感じていました。

母は8人の子供の世話と家事に追われ、口にする事と言えば、過去の後悔と将来への不安でした。Sさんは、怒りっぽい父と否定的な母の重苦しい空気がとにかく嫌だったそうです。

理想の子どもを演じた

しかし、父と母のことは好きでした。彼女は両親から愛されたくて、自分なりに「良い子」を演じていました。母の手伝いをよくやり、大人しく本を読み、親の手を煩わせない子供でした。しかし、父は姉と妹ばかりを可愛がっているように思えたのです。

Sさんは無意識にこのままの自分では愛されないと感じ、自分の欠点から理想の子供像をつくり出し、それを演じていたのでしょう。良い子でいればいるほど、それを押し出している無意識の自己否定が増長し、それを父との関係性に映して感じていたのです。

平等に愛して!

かまってもらえないことへの不満と怒りが彼女の中に充満していき、ついに爆発します。

『そんなの不公平じゃないか!平等に愛してよ』

Sさんの中に抑圧していた“私だけを見て欲しい”という欲求が、怒りになって噴き出したのです。

大好きだった分、激しく憎むようになり、彼女は父の存在を切り捨てて生きるようになりました。それは、Sさんが17歳の時、父が病でこの世を去ったことにも悲しみを感じないほどでした。

理想の世界を求めた原動力

小学生の頃から彼女はいつも思っていました。この家に愛はあるのだろうか…。両親は子供を愛しているのだろうか…。

家族間の会話も少なく、心が通じ合わない家庭に虚しさを感じる毎日でした。そして、両親や周りの大人たちに矛盾を感じ、また、子供心にもこの世のおかしさを感じていました。そんな環境の中で、彼女の理想の世界はさらに崇高なものになり、渇望するようになっていったのです。

「絶対に、自分の力で幸せになってみせる」

その決意の背後には、両親や世間を見返してやりたいという復讐心と、大きな欠乏感が隠れていました。しかし、背後に隠れた無意識が表に“反転”し、目の前の事象に一層“欠乏感”を感じることになるという“仕組み”をこの頃のSさんは知らなかったのです。

宗教を信仰しても…

理想を求めて、小学生時代から偉人の伝記を読みあさり、中高生の頃には宗教や様々な思想に関心を持ち出し、社会人になるとある宗教にすぐに入信しました。

その教えに疑問はなく、むしろ信じていた彼女は、結婚し、子供を産んでからもまじめに信仰していました。しかし、自分の日常に応用できないという分離感に、次第に違和感を感じ出した頃、ある決定的なことが起こり離れることになったのです。

その後も、彼女は理想の世界を求めて心の世界を遍歴します。一つ一つに“これしかない”と思うものがあり勉強したそうですが、必ず矛盾を感じる時がやってきたそうです。

どこまでいっても、どれだけ求めても、彼女が見ている理想の世界に近づくことはできませんでした。

うまくいかない結婚生活

結婚生活では、仕事人間で家庭を顧みない夫に不満が募り、夫婦喧嘩が絶えませんでした。ストレスのはけ口が子供たちに向かうこともありました。

愛を感じられなかった子供時代をバネに、「幸せになってみせる」と惜しみない努力を続け、本当の愛や自由、まったく矛盾のない清く正しく美しい世界を探して生きていたSさんですが、実は子供の頃に見ていた父と母の重苦しい関係性を自分も追体験し、寂しい子供時代を我が子にも体験させていたのです。

しかし、彼女はそんな事を知る由もありません。ここから救われたい、人生をリセットしてやり直したい、理想の世界で生きたい…。その方法を探して彷徨い続けるのでした。

全財産を投じて…

Sさんが40歳になった頃、ある思想に“これしかない”と感じ、その思想団体と関わるようになりました。そして、48歳の時、夫婦で参画することを決め、その団体に生涯身を置くことを決断し、家や土地を売却したのです。

当然、親や親せきからは、全財産を投げ打って家族を置いて行くほどのものなのかと猛反対を受けましたが、彼女は彼らの意見を聞く耳を持ちませんでした。なぜなら、反対されたことで、自分を愛してくれなかった親への復讐心や、社会への反抗心に火がつき、素直さを失っていたからです。

幸せになって、自分たちが正しい事を証明してやろうと言わんばかりに、周りの忠告を振り切り、全財産を投じて思想団体に飛び込みました。

しかし、この後、想像もつかない悲劇がSさん夫婦を襲ってきたのです。

(シリーズ後半へつづく)

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