楽しいこと、悲しいこと、腹立たしいこと…目の前にはいろんな出来事が起こりますが、その出来事に対して、今、自分がなにを感じたか、どう捉えたかによって未来がつくられてしまうとしたら…。
今回は、人間の心の動きがどのように人生に影響を与えているのか、ある女性(Sさん)の体験をもとにしてお伝えします。
『なにが起きても大丈夫、今から思い通りになる方法』
空き巣被害にあったSさん
5月の連休中、Sさんの勤める美容院が空き巣被害に遭いました。発見者はテナントの大家さん。朝、周辺の掃除をしていたときに気づいたそうです。
電話連絡を受けたSさんが慌てて店に駆けつけると、ガラス張りの入口ドアは大破し、現金の入ったレジごと盗まれていました。
「泥棒さんもド派手にやってくれたなあ。堂々と正面から入るなんて…」
荒らされた店を目の前にして、Sさんは犯人の手口に感心すら覚えました。
普通なら、こんなアクシデントに見舞われたとき、恐怖や不安、怒りなど、否定的な感情を抱くものです。しかし、彼女は目の前の状況に対して善し悪しのジャッジをすることなく、ただありのままを見ていたのです。
どうして、そんなにも心にゆとりがあったのでしょうか。
被害は未然に防げる
それは、ミロスプログラムを学んでいたことで、“自分が見ている世界が何であるのか” を知っていたからです。Sさんは今回の事件を通して、この実践プログラムの凄さを体感しました。
実は、この美容院は過去に二度も空き巣被害に遭っていて、今回は三度目でした。最初に被害に遭った頃は、オーナーはもちろん、Sさんもまだ “この世のシステムとトリック” を知らなかったため、その後に同じような事件が繰り返して起きてしまったのです。
しかし、今回は、Sさんが “自分が見ている世界が何であるのか” を理解したことにより、将来に起きていたかもしれない第4、第5の被害を未然に防ぐことができました。
過去に感じたものが目の前に表れる
目の前の出来事に対して感じた否定的なものが、時間を経てネガティブな現象となって表れる — このメカニズムを知っていた彼女にとって、空き巣被害は単に出力された結果であり、“ひとつのプログラム” の1サイクルが終わったことを意味しました。
“プログラム” とは、「楽しい」「悲しい」等、自分が抱いた感情が “命令” となり、その命令通りの結果を出す仕組みといえます。そこで出力された結果(現象)に、また同じ否定的なものを感じると、そのサイクルは永遠に終わることなく続きます。
しかし、過去に感じたものが、今、目の前に表れているということを知っていたSさんは、その現象をジャッジすることなく、ただありのままを見ることができたのです。
負のイメージが現実化していた
また、この空き巣被害がオーナーの “思い通り” に起こっていたこともわかりました。
今回の被害に遭う前、彼は店の前にある花壇を石庭風にアレンジしていました。そのときに置いた岩を見て、「泥棒がこの岩でガラス張りのドアを割って入ってくるんじゃないかと思った」と言っていたそうです。そして、盗まれたレジも “空き巣対策” として、わざわざ1万円の現金を入れて置いていたものでした。
他にも、占いの本に「今月は運が悪い」と書かれていたこと、泥棒は連休を狙うと聞いていたことなど、オーナーが心配していた通りになっていたのです。
滑稽に思えたSさんはオーナーにこう言いました。
Sさん「そんなふうに考えるから、こんな目に遭うんですよ。オーナーの思い通りじゃないですか」
オーナー「ああ、ほんとにそうだ!負の思い通りだね」
そう言って二人でケラケラと笑い合い、ネガティブな出来事を笑いで吹き飛ばしてしまうほど、楽しいトークが展開したそうです。
思い通りのプログラムへ
実はこの時、面白いことが起きていました。
否定的な出来事をジャッジすることなく、ありのままを受け入れたこと、そして、この状況のなかで笑えたことによって、それまで続いてきた否定的なプログラムがリセットされ、今度は “笑い” のプログラムが始まります。
被害に遭った日のお昼に大家さんが様子を見にきて、外灯の設置を申し出てくれたのです。ケチで通っていた大家さんからの思わぬプレゼントに、Sさんたちは目を丸くして驚きました。しかも、過去に被害に遭ったときの損害はすべてオーナーが負担したそうですが、今回は大家さんが自ら「私のほうで負担させていただきます」と言ってくれました。
ミロスプログラムで伝えられている “否定的なプログラムをリセットし、思い通りに変えていく方法” を知っておくだけで、困ることがなくなります。何かあったときにはぜひ実践してください。
(シリーズおわり)