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親は自分のコンプレックスを子供で埋めようとしている【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.44


Introduction

これまで4回にわたって “親と子の関係性に隠されたトリック” を知ることで人生が大きく変わった人たちの体験談をお伝えしてきました。

数多く寄せられた体験談のほんの数例ではありますが、「トリックに取り込まれることによって人間がどんな世界を作り出してしまうのか」を感じていただけたでしょうか。

親と子の関係性は人生のすべてにおいて土台となるものです。

それでは今回は、子供の教育に全精力を注ぐ “教育ママ” だったKさんの体験談を紹介します。

『親は自分のコンプレックスを子供で埋めようとしている』【前半】

少しでもよい人生を歩めるように

子供が産まれたとき、親は何を思うでしょう。

「このまま元気にすくすく育って欲しい」

ただそれだけではないでしょうか。

産まれたばかりの赤ちゃんに、将来はこうなって欲しいとか、スポーツをさせようとか、天才児に育てよう、などという発想はあまり湧いてこないと思います。

ところが、子供が成長するにしたがって、親は子供にいろんなことを期待するようになります。

成長が早ければ “うちの子は天才じゃないか”運動神経がよければ “オリンピック選手”歌がうまければ “芸能人”

…というように、ついつい子供の未来に夢を膨らませてしまいます。

そして、わが子の可能性を見出してあげたい、少しでもよい人生を歩めるようにと、“親ごころ” から子供にいろんなものを与えようとします。

右脳教育、習い事に受験……

Kさんも、娘が産まれたときは「ただ元気に育ってくれればそれでいい」と思っていました。しかし、ある日、立ち寄った書店で “天才児を育てるノウハウ本” を見つけたことから、彼女は子供の “学力” にこだわるようになっていったのです。

生後6か月頃には右脳教育の幼児教室、4歳頃には小学校受験の “お受験塾” に通わせました。他にも、スイミングに英会話、ピアノ、そろばん、習字…と、彼女の1週間のスケジュールは習いごとで埋め尽くされていました。

最初は、「親が子供にこうして関わるだけで天才児に育つなら、娘も楽でいいだろう」という “親ごころ” からでした。ところが、いつの間にかそんな思いはKさんの心から薄れていき、次第に目に見える “結果” を求めるようになっていったのです。娘が期待通りの結果を出してくれたときは小躍りして喜び、そうでないときは激しくいらだつ…。

子供の優劣が自己評価に

「私が自分の時間を割いてまでこんなにもしてあげているんだから、結果を出してよ!」

Kさんは娘にそう思うようになっていきました。習いごとの教室には一緒に学んでいる他の子供やそのお母さんがいます。Kさんは無意識のうちに自分たち母子を彼らと比較し、優劣をつけていました。

娘がどんどん成果を上げると母親である自分も認められたように感じ、自己評価が上がっていきました。逆に、他の子よりも遅れると自己評価も下がり、周りからバカにされたように感じることもありました。

このようにKさんの子育て生活は常に “結果” に左右され、極から極へと大きく振れる感情に翻弄される毎日だったのです。

なぜKさんはそこまで娘の教育にこだわったのでしょうか。きっかけは書店で見つけた “天才児を育てるノウハウ本” でしたが、それを読んだすべての人がKさんのような “教育ママ” になるとは限りません。

実は彼女を突き動かしているものは、『本人も自覚していない “もう一人の自分”』だったのです。

(シリーズ後半へつづく)

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