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不幸が嫌だから幸せも望まない、極性を嫌う人間【第2回】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.32


Introduction

健康をテーマに人を助けたいという思いで積極的に活動していた主婦(Fさん)。シリーズ初回では、彼女が “システム” に出会い、「自分が見ている世界は自分の内側の投影である」という “システム” の根幹を知ったことで、人生が大きく変化するきっかけを得たことをお伝えしました。

人の役に立ちたい、困っている人を救ってあげたいという信念を持って頑張ってきた彼女でしたが、「私が見ている “他者の問題” が本当に “私自身の問題” なのだろうか」という問いから、“自分の内側” という世界に関心を持つようになりました。

もともと「自分には何も問題がない」と思っていただけに、“システム” を受け入れることに抵抗感がありました。しかし、同時にその抵抗感を上回る何かを感じたFさんは “自分の内側” と向き合うことを決意します。

『不幸が嫌だから幸せも望まない、極性を嫌う人間』

平坦で味気ない人生

Fさんは何不自由ない恵まれた環境で暮らしていました。「自由に使えるお金も時間もあり、楽しくやっている。人を助けることにも生き甲斐を感じている」と思っていました。

しかし、“システム” を知って “自分” という概念を外し、第三者的な感覚で自分を傍観したとき、意外にも自分の中に虚しさがあり、心から喜んでいないことに気づいたのです。“幸せだと思っていない自分” がいることに大変ショックを受けたそうです。

結婚生活も例外ではありませんでした。31年間、夫と喧嘩することもなく仲のいい夫婦だと思っていました。しかし、実際には夫のことは好きでも嫌いでもなく、まるで空気のように関心がないことに気づいたのです。

人生を楽しんでいると思っていたFさんですが、自分を傍観したことで、本当は “幸せでも不幸でもない自分” を見たのです。それからしばらくの間、Fさんにとって人生は平坦で味気のないものに思えたそうです。

“不幸” は悪い、“幸せ” は良い?

世の中には「特に幸せとも思わなければ、不幸だとも思わない」というように、自分の人生は “普通” だと思っている人が少なくないのではないでしょうか。しかし、波乱万丈の人生であろうと、平坦な人生であろうと、実は誰もが両極端の人生を送っているのです。

どういうことかというと、私たちの生きているこの世界は、「人生、楽あれば苦あり」というように、原理的に幸せと不幸という二つの極が同時に存在しています。ところが、人間は “不幸” は悪い、“幸せ” は良いと判断し、幸せだけを望みます。

幸せと不幸は交互にやってくる

例えば、以前に「この世の成功に潜むトリック」の中で取り上げましたが、成功を求めてガンガン進む人は、自分の現状に不足感を持っています。つまり、ネガティブな思考から生じた強烈な “ポジティブ・シンキング” です。

成功を求めれば求めるほど、バネにしたネガティブなものも増幅し、いつか必ず事業や人間関係の問題、金銭トラブル、心身の病気などの形で“失敗” という現象に転じます。

確かに、不幸は苦痛を伴うので嫌われても仕方がないでしょう。しかし、この世の仕組みとして、二つの極は常に同じ大きさで “セット” で存在しています。

不幸を嫌って幸せを求めても、水面下では不幸も同じ大きさで同時に増幅していくので、たとえ幸せを手に入れても、次には必ず不幸がやってくるということです。人間は不幸を嫌うため、この世界は必ず幸せと不幸が交互にやってくる世界になってしまうのです。

じゃあ、どちらもいらない!

それとは反対に、平坦な毎日を過ごしていて、大きな現象が何も起こらないという人…例えば先ほど言ったように「楽もあれば苦もある、それが人生だ」と言っている人は、幸せと不幸の両方を避けて生きていることが多いのです。「そんなはずはない。不幸は嫌いだが、幸せを避けるはずがないだろう」

きっと大半の人がそう思われるでしょう。しかし、幸せなときは「いつまでこの幸せが続くのだろう」と不安を感じ、不幸なときは「いつかこの苦労も終わるだろう」と期待しているはずです。

本当は、幸せを求めた分、いつか不幸に転じることをどこかで知っているがゆえに、「不幸になるぐらいなら幸せも求めない」ことを無意識に選択しているのだとしたら、人生に対する捉え方も変わってくるのではないでしょうか。

“望まない”こともまた極

私の提唱する “人生をリセットし再生させるシステム” は、自分の中にある極性を知って、それが対消滅する時に生まれる全く新しいエネルギー的なもので、自分自身とその人生を変容させていきます。したがって、極を嫌っていては何も変えることはできません。

実は、いくら極を嫌って生きているといっても、どちらの極にも傾かずに生きているのかというと、そうではないのです。“極から極を求める” 生き方が極端な生き方なら、両方の極を怖がって逃げる生き方も“極性を嫌って生きる” という “極端な生き方” です。

誰でも自分の中に “好きな自分” と “嫌いな自分” がいて、無意識のうちに “嫌いな自分” を隠して “好きな自分” を演じています。つまり、今の自分の考え方や生き方は、極が押し出した “もう片方の極” なのです。

では、何がそうさせたのか?

自分が極性を嫌って生きてきたことを知ったFさんは、自分が何を怖がっているのかを知りたくなりました。「人を救いたい」という思いから “システム” に出会ったわけですが、その生き方を押し出した “もう片方の極” は何なのか、彼女はいよいよそれを知っていくことになります。

(シリーズ最終回へつづく)

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