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不幸が嫌だから幸せも望まない、極性を嫌う人間【シリーズ最終回】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.33


Introduction

今回のシリーズでは、周囲で困っている人々を目の当たりにして“人助けをしたい” という目的を持ち、健康をテーマに全国的な活動を展開していた主婦(Fさん)の体験をご紹介しています。

シリーズ初回では、Fさんが人生をリセットし再生させる“システム” に出会い、それを人助けに役立てようと学び始めます。“システム”を理解した人々が現代医学の常識を超える数々の体験をしていることを知った彼女は、そこに当初の期待をはるかに上回る “未知の可能性” を見いだしました。

さらに「自分が見ている外側の世界は自分の内側の投影である」という“システム” の根幹に触れることで、今までの彼女の認識概念は大きく転換します。

第2回では、新しい認識概念を手に入れたFさんが、“極性を嫌って生きている自分” を知って驚きます。自分は幸せだと信じていた彼女自身が「不幸になるくらいなら幸せも望まない」ことを無意識に選んでいたのです。

そして、最終回の今回、彼女は自分を取り巻く外側の世界を通して “無自覚に生きていた自分” を知るにいたります。極性を嫌って生きていた彼女も、人間である以上、片方の極を抑制し、それをバネにしてもう片方の極に傾いて生きていたのです。そして、本来は知ることのできない “自分の極性”を知っていくことで、彼女は大きな人生の変化を体験することになります。

『不幸が嫌だから幸せも望まない、極性を嫌う人間』

条件で選んでしまった“後ろめたさ”

楽しく生きてきた自分が、本当は “幸せ” とも “不幸”とも思っていなかったことに気づいたFさんは、どうして自分が “両方の極” を怖れているのか、第三者的な視点で自分を傍観しました。

時間もお金も自由に使うことができ、何も問題はない。でも、恵まれた暮らしに喜びを感じることもなく、その環境を与え続けてくれる夫にも感謝の気持ちも湧いてこない。実は、Fさんはそんな自分に “後ろめたさ” を感じていたのです。

Fさんが結婚を決めた理由には、「この人となら…」という思いもありましたが、彼女にとっては夫の学歴や経済力、家柄など、物質的な “条件” のほうが魅力だったそうです。確かに理想の結婚生活は実現したのですが、“夫を条件で選んだ” という事実が、彼女の中に罪悪感として残っていたのです。

“感じること” にロックがかかる

「こんな自分は夫に愛される価値がない」

Fさんはそう思い込んでいました。同時に彼女は、その思い込みからくる罪悪感から逃れようと、それを心の隅に追いやり、感じないようにしていました。

その無自覚の罪悪感(=極)によって “感じること” にロックがかかり、喜び(=もう一方の極)までをも感じられなくなってしまったのです。これが極を怖れて生きている人間の特徴です。

もともとあった「自己否定」が自分を責めるための判断をする

しかし、彼女の夫に対する罪悪感は、結婚によってもたらされたのではありませんでした。「自分は愛される価値がない」という思い込みも、実は夫との関係性から生まれたものではなかったのです。

ここで重要なのは、「外側の世界に見ているものは自分の内側の投影である」という “システム” の根幹です。つまり、もともとFさんは「自分は愛される価値がない」という思い込みと、自分の存在を否定する “自分自身への罪悪感” を持っていたということです。

「自分は愛される価値がない」と自分で自分を否定するがために、彼女は「私は夫に愛される価値がない」と思い込んでいました。そして、自分への罪悪感が “結婚を条件で決めた” ことにフォーカスされ、それを悪いことだと判断した彼女が自分を責めていたのです。

これには彼女自身も本当にびっくりされていました。まさか、“無自覚な自分” がこれほどまでに結婚生活に影響しているとは思いもよらなかったからです。そうして自分の内側を知ったことで、彼女の中で大きな変化が起こります。

“愛される価値がない”は思い込みだった

「私は愛されていたんだ」

今まで感じることのできなかった喜び、たとえようのない温かいものが自分の内側からあふれ出してきたのです。また、Fさんは「システムを知りたい」と思った最初の目的 — 困っている人たちを助けたいという思い — がどこから生まれているのかということにも気づいていきました。

目の前の人は……?

「もしかして、目の前の悩める人たちは、無自覚な自分の姿なのかもしれない。これまでずっと、困っている人を “助けたい” と思ってきた。でも、彼らを通して見ているものは、実は罪悪感に苦しみ、救いを求める “私自身の姿” だったのだ」

彼女は、“他人事” として見ていた世界を “自分自身のもの”として見ていきました。それは、“外側の世界” と “自分” が等しくなった衝撃的な瞬間でした。

病に苦しむ人は、自分で自分を否定する “思考の病” に冒された自分。人間関係で悩む人は、自分自身との関係性が悪く、常に “心の葛藤” が絶えなかった自分。お金に困っている人の経済状況は、自分を否定するという自分の “心の貧しさ” だったこと。

外側の世界を通して “無自覚な自分” を見たとき、それこそが自分の中にあった “虚しさ” であり、その空虚感を埋めたくて“人のため” に生きていたことを理解したのです。自分が楽しそうに演じてきたのも、この空虚感からでした。

困った人を見なくなった

こうして自分の人生の全体像を理解した瞬間から、彼女の人生は180度変わっていきました。31年間、好きでも嫌いでもなかった夫とは、まるで新婚時代のような関係になりました。自分の周りにいた悩める人たちが “幸せ” を語りだしました。そして、新しく出会う人たちがみんな笑っているのです。

外側の世界を通して自分の内側(内的バランス)を見るという、“全く新しい視点” を手に入れたとき、「自分以外は他者である」という無自覚な生き方が終わり、意識的で創造的な人生に変わります。

「外側の世界は自分の内側の投影である」という“システム” の根幹を身をもって体験したFさんはいま、“本当に自分が望んだ人生” を創造しています。

(シリーズ終わり)

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