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子育ては”自分の根源”に戻る愛のプログラム【第1回】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.10


Introduction

ようやく夏休みも終わり、お母さんたちは「やれやれ…」と一息ついている頃でしょう。

子供には楽しい夏休みでも、母親にとっては昼食の準備など、いつもより家事の負担が増えたり、子供と顔をつき合わせている時間が多くなる分、叱る機会も増えたりと、少し憂鬱な気分になることもあったかもしれません。夏の暑さも手伝って、ヒステリックに子供を叱ってしまったというお母さんも少なくないのではないでしょうか。

子供を愛しているのに、思ったようにその愛を表現できない…そんな悩みを持つお母さんのために、今回から3回シリーズで “子育てに隠された関係性の秘密” をお伝えします。

『子育ては “自分の根源” に戻る愛のプログラム』

しつけにジレンマを感じる人は多い

親にしてみれば “この子のために……” と思ってやっているのに子供が言うことをきかない。だから余計に腹が立ち、「なんでわからないの!」 「何回言ったらわかるの!」 「ダメって言ったでしょ!」といった言葉を連発してしまう。

最初は子供の行為を正そうと注意していたはずが、だんだん怒りがエスカレートして、ついには言ってはいけないことを言ってしまったり、子供を執拗に責め続けたり、手を上げてしまったり、泣きついてくる子を意固地なくらいに拒絶したり……。子供は泣きじゃくり、後味の悪い思いだけが残る。こんな経験はどなたにでもあるのではないでしょうか。

特に、幼児期の子供のしつけにジレンマを感じているお母さんは多く、「本当はのびのび育てたいけれど、ついうるさく言ってしまう」「頭から怒らないようにと思っていても、抑えていた分、逆に感情的になり叱り過ぎてしまう」「1歩進んだと思ったら、一瞬で2歩も3歩も戻ってしまう」など、どう子供に接するのがいいのか分からなくなってしまったという声をよく聞きます。

親から受け継いだしつけ

そんな子育てに苦戦する親たちのために、近年、子供を叱りつけるような “しつけ” を良しとせず、臨床教育学や発達心理学、脳科学に基づいた子育て法が急速に世の中に広まりつつあります。しかし、「なるほど」と頭では理解できても、なかなかマニュアル通りにはできないのが実情でしょう。

なぜなら、思考することで生活している人間は、“思考” そのものが “自分” になっているため、思考の “ジャッジ” や思考から噴き出す “感情” にどうしても飲み込まれてしまうからです。

また、思考の根底には自分が “親から育てられた記憶” がしっかりと根付いており、自覚が無いまま自分が育てられたように子供を育てます。親になって初めて親の気持ちが分かると言いますが、自分が子供から親の立場に変わっただけで、記憶の中にある親との関係性を、今度はわが子とともに体験しているのです。

ところが、ほとんどの親は自分が “親と同じこと” をしているとは思っていません。子供時代に受けた親の仕打ちで傷つき、「自分が親になったときには絶対に同じことはするまい」と思っていても、無意識のうちにわが子に同じ言葉を発し、自分が叱られた言葉で子供を叱っています。

反面教師は正解か?

逆に、「自分が子供の頃に親にして欲しかったことを子供にしてやり、されて嫌だったことは子供には絶対にしない」という人がうまくいくのかというとそうでもなく、子供はどんどん言うことを聞かなくなり、最終的にひどく叱ることになってしまうでしょう。

結局、「こんな子育てをしよう」「こんな子供になってもらいたい」「子供にはこんな生き方をして欲しい」という親心が、“自分の子供時代の親” との関係性でつくられた “思考の傷” から押し出されたプラス思考だということです。この世界の関係性のメカニズムでは、“子供のため” とやればやるほど、それを押し出している “思考の傷” も水面下で増長します。

そして、増長した思考の傷が現実の世界に “反転” するため、言うことを聞かせるようなしつけ、つまり「思い通りにならない子供にヒステリックになったり、叱ったことに罪悪感を感じる」というような、頭で描く理想の子育てとはギャップのある親子関係に陥ってしまうのです。

このように、親から子へ、その子が親になり子へ、またその子が親になり子へ……。と繋がる親子の関係性の中で、親心の裏に隠れた “思考の傷” が延々と受け継がれていくのです。

次回は、このような関係性を具体的なケースをもとにして見ていきましょう。

(シリーズ第2回へつづく)

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