就職して社会に出ると、学生時代にはなかった悩みや壁にぶつかることが多々あります。そんな時、気の置けない友人と笑ったり、悩みを打ち明けたりすることができたなら、また明日からがんばろうと勇気も湧いてきます。「持つべきものは友」と言われるように、本音で語り合える人の存在は本当にありがたいものです。
しかし、30代の社会人男女300人を対象にしたあるアンケート調査よると、約4割の人が“心を開ける友人”が「いない」と答え、一方、「いる」という人の多くが、幼なじみや学生時代から続いている友達と答えていることから、社会に出てから心を開ける人とはなかなか出会えない傾向にあるようです。
今回ご紹介する実証例のIさん(女性 30代 東京都)も、社会人になってから親友と呼べる友人がいませんでした。しかし、ミロスシステムに出合い、友情を育めない原因を知っていくことで、心から信頼できる仲間と出合い、豊かな人間関係を築いていけるようになった体験です。
『心を開ける友人は何人いますか?~友情を育めない無意識の原因』
心を開いて話せる友人がいない
社会人になってから、Iさんには心を開いて話せる友人がいませんでした。職場で出会った仲間はいますが、シビアな仕事上の人間関係では、常に優劣を競い合い、腹の底を探り合うようなところがあり、自分を素直にさらけだそうという気持ちにはなれませんでした。
また、社会にはいろんなルールやしきたりがあり、そこからはみ出さないよう周りに合わせて生きることにも不自由さを感じていました。
Iさんは、心の底では本音で語り合い、笑い合える仲間を求めていましたが、人間関係の煩わしさから、一人でいる方が気楽でいいとも思っていました。しかし、実は社会人になる前から、Iさんには今と同じような人間関係が続いていたのです。
学生時代はどうだったか?
学生時代、先生の注目を自分だけに集めたかった彼女にとって、周りの友達はみんなライバルのような存在でした。仲は良くても、心の中では、常に比較し、優劣を競い合っていました。当然、自分の弱さや本音を打ち明けたことはありませんでした。
そして、Iさんの人間関係のベースとなるご両親との関係性を紐解いたとき、なぜ彼女が友情を育むことができなかったのかが見えてきたのです。
心開ける友人に恵まれなかった原因は?
父と母、妹の4人家族の長女として生まれたIさんは、特に母親との関係性が強かったそうです。母は絶対的な存在であり、いろんな面で依存するあまり、自分に自信がもてなくなってしまった彼女は、母や父の評価で自分の価値を測るようになっていました。
そして、母の注目を自分だけに集めたくて、妹に対しても良い姉を演じながら、心の中では、常に比較して優劣を競い合っていました。
つまり、母親との関係性が学校や職場の人間関係にスライドし、先生や上司に母を感じていたのです。認められたくて周りをライバル視し、常に優劣を競い合い、腹の底を探っていたのはIさんでした。そして、他者の評価を気にするあまり、いつも不安で怯えながら発言していたのです。
結局、今まで心を開ける友人に恵まれなかった原因は、彼女の中に潜んでいました。自分の中の傷から生まれた人間関係では、友情を育むことはできなかったのです。
人間関係が豊かになる
ミロスシステムに出合い、本当の自分を取り戻していくことで、Iさんの人間関係も変わっていきました。その後、母との関係性も、職場の人間関係もまったく変わり、気持ちよく仕事ができる職場環境になっているそうです。
そして、“すべては自分であり他者は存在しない”というミロスの認識を持つ人たちと、本当に豊かな人間関係を築けるようにもなりました。
“すべてが自分だとわかる”から、相手と闘うことも、傷つけ合うこともなく、関係性が壊れることもありません。それどころか、相手の話を自分事として感じ、受け入れ合うことで、話す側も聴く側も癒され、どんなに深刻な問題でも一瞬で笑い話に変わったり、大きな気づきが生まれたりと、互いに高め合い、育み合える信頼関係が生まれていくのです。
“本当の友情”が永遠のものに
自分には縁がないものとあきらめていた“本当の友情”が、今では、Iさんの中で永遠のものになっています。孤独で虚しい世界は、もうどこにもありません。心から信頼できる仲間に囲まれた人生がどれほど素晴らしいことか…感じるたびに、また新しい縁がつながり広がっていく…。「これこそが本当の豊かさ」だと感じずにはいられないそうです
(終わり)