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人生大逆転 最悪な人生がもたらした最高の豊かさ

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.183


Introduction

親や遺伝子など、人間には生まれつき持っている宿命というものがあります。男として、女として○○家に生まれたことも、長男や次男、長女として生まれたことも宿命です。

世の中には、父や母を嫌い、自分の生い立ちを否定して生きている人は少なくありませんが、どんなに嫌でも変更できるものではありません。

しかし、なぜこの両親のもとに生まれて来たのか?考えたことはあるでしょうか。面白くない人生の責任を、親や家のせいにしがちですが、実は我々は自らが超えたいテーマを選び、それに相応しい家系を選んで生まれています。そして、そのテーマを超えた時、人生はダイナミックに変わるのです。

今回ご紹介する実証例は、子どもの頃から親を嫌い、自分の家系を憎んで生きてきたある男性(Sさん・40代)が、絶体絶命の状況に追い込まれた時、ミロスシステムに出合い、どん底の人生を大逆転させた体験です。

『人生大逆転 最悪な人生がもたらした最高の豊かさ』

父は怖い存在

Sさんは、父と母、弟の4人家族の長男として生まれました。幼い頃より父から空手道を習い、非常に厳しい指導を受けていました。稽古中は、体罰による指導もあり、また、能力が低いことや病弱なことを馬鹿にされ、無意識の内に父に対して嫌悪感を抱いていました。

Sさんにとって父は“怖い存在”でしかなく、“好き”という感情を抱いたこともなく、家の中でも師匠と弟子の関係だったため、気の休まる場所がなかったそうです。

しかし、Sさんは、父に認めてもらいたい一心で、血のにじむような想いで空手道の練習に励み、学校でも学業、スポーツ共に頑張り、生徒会役員にもなりました。少年時代の彼は、いつも歯を食いしばって生きていました。

他人と深く関われない

また、父の転勤で何度も転校を繰り返したSさんは、親しい友達がつくれませんでした。いじめにも遭い、その恐怖から他人と深く関わることができなくなり、彼には本音や感情を出せる人がいませんでした。

そして、中学1年生の時、父が地方に単身赴任し、母と弟の3人で父の実家で暮らすことになりました。そこでの体験が、その後のSさんの人生に大きな影響を与えていたのです。

いがみ合う家族との生活

曾祖母と祖父母、Sさん家族が同居する家では、祖父母による嫁いびりが始まり、母が泣いている姿を見ない日はありませんでした。そして、週末に父が実家に戻ってくる度に、祖父母たちに罵声をあびせかけ、祖父と父の罵り合う声が家中に響き渡るという、なんとも最低で憂鬱な日々が続きました。

いがみ合う家族の姿にSさんの心は深く傷つき、絶望し、父たちの醜い関係性を恨みました。

そして、家庭のぬくもりや愛情、絆、安心感を感じられない人生に、虚しさ、寂しさは募り、自分を不快な気持にさせる家族への怒りや憎しみが彼の中に充満していったのです。

母の死

月日は流れ、家族を完全に切り離して生きてきたSさんも、やがて結婚し家庭を持ちました。理想の家庭を求めて努力をしましたが、彼の思い通りにはいきませんでした。

Sさんが32歳の時、母が自ら命を絶ちました。56歳でした。父や祖父母が母を苦しめ自殺に追い込んだにちがいないと思ったSさんは、殺意を抱くほど彼らを憎みました。

そして、実家と縁を切るつもりで空手道をやめ、勤めていた職場も退職し、遠く離れた土地に家を建てて移り住んだのです。

離婚の体験

勢いで越してきたものの、経済的に安定しない生活が続き、数年の内に借金は膨れ上がりました。その頃から夫婦関係もうまくいかなくなり、ついに離婚…。

そんな人生どん底の時に、彼はミロスシステムに出会ったのです。もうギリギリの状態でしたが、ミロスの実践により、Sさんの人生は大きく変わっていきました。

ミロスの実践で内面意識を知る

あれほど憎んだ父や祖父母も、自分の“内面意識”が映し出されていると思うと、不思議と抵抗感がなく、冷静に観察することができました。そして、感じるものを自分の内面として置き換えていくうちに、自分の無意識の葛藤が家族に映し出されていることがわかってきたのです。

一生ゆるせないだろうと思っていましたが、父たちを通して自分を苦しめてきた自分自身に対する負の感情から解放されていくと共に、親に対する誤った思い込みも外れていきました。

本当は、曾祖父母も、祖父母も、両親も、家族を愛し、少しでも生活を良くしよう、子どものために…と頑張っていたのです。しかし、その原動力である無意識の不足感や欠乏感が、目の前の世界に“反転”し、思い通りにならない世界となって現れていました。

家系のテーマをリセット

すべての元凶は、誰一人として三次元の“仕組み”を知らなかったこと。それゆえに、曾祖父母からSさんまでの4世代に渡って、親子間の確執、貧困、伴侶を失う苦悩、憎しみや悲しみ、失望感、等々…悲しいドラマをつくり出していたのです。

そのことを理解した時、Sさんの人生は、家系のテーマごとリセットされました。そして、この実践中に彼の環境にはたくさんの変化が起きていたのです。

すべてが上手くいきだした

不思議と“縁”が広がり、空手道の教室や強化練習会の講師の依頼が次々と入り、生徒も増えていきました。彼が選手として大会に復帰すると、最年長にもかかわらず全国大会で入賞しました。

海外出張指導の依頼も入り、何度も貴重な体験ができました。経済面も自ずと回りだし、借金も返済し、お金に困ることもなくなりました。本当に自分の好きなことをするだけで、すべて上手くいくという夢のような人生に変わってしまったのです。

空手道部の監督に

彼は今、某大学の空手道部の監督をしています。かつては名門と言われた空手道部ですが、着任当初は本当に問題だらけで、初仕事が部員による不祥事の謝罪でした。

部員同士の対立やいじめなど人間関係のトラブルで部の状態は低迷し、廃部案もでていました。

大きな試合で優勝!

しかし、彼らをどうにかしようとしても無理な事はSさんには充分わかっていました。なぜなら、“すべては自分であり、他者は存在しない”ことを自身の体験をもって理解していたからです。

部員たちに感じるものは、やはり自分でしかなく、うまくいかない人生を親や誰かの責任にしていたかつての自分でした。

Sさんは日々、彼らの話す不満や愚痴、悩みを何もジャッジすることなく、すべて自分の内なる声としてひたすら聴き取り、彼らに映し出された自分の内面をはっきりと認識していきました。あとは、監督として空手道の大切なポイントを教え、彼らの自主性を信じて待つ…これだけでした。

すると、部員たちの言動が変わり、士気が上がり、Sさんが監督に就任してわずか8か月後の大きな大会で、優勝候補を破り、団体戦で8年ぶりに優勝!ボロボロだったチームが見事復活したのです。

すべてが大切な財産

振り返れば大変な人生でしたが、今ではすべてが大切な財産に変わり、Sさんの新しい人生に最大限に活かされています。

彼は、空手道という縁を通して、人間が本当に望んだ世界が在る事を伝えています。

(終わり)

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