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我が子を愛せない−子供に抱く抵抗感の正体とは?

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.162


Introduction

今回ご紹介する実証例は、「我が子を愛せない」ことで悩んでいたある母親(Mさん)が“ミロスシステム”に出会い、子供に対して抱く“抵抗感の正体”を知っていくことで、子供への愛を取り戻しっていった体験です。

あまり人には言えない悩みゆえに、ひとりで苦しんでいる方にぜひ知っていただきたい“親と子の関係性の仕組み”を、Mさんの体験に基づきお伝えします。

『我が子を愛せない-子供に抱く抵抗感の正体とは?』

我が子を愛さない母親

何かと手がかかる娘に憎しみが湧き、顔を見るのも嫌になり、あっちに行ってほしいと思ってしまう…。我が子を愛せない自分は母親失格ではないだろうかと、自責の念と罪悪感に苛まれ、一人で苦しんでいた時、Mさんはミロスシステムに出会いました。

なんとかしたい一心でシステムを学び出した彼女は、娘に対する抵抗感は、実は無意識に持っている“自分自身への抵抗感”であり、娘を愛していないわけではないことを知り、一筋の希望を感じました。

夫には自分の無意識が映っていた

そして、システムを理解するにつれて、夫に対する想いも変わっていきました。それまでの彼女は、夫に対して「どうせわかってもらえない。言いたいことを言ったら怒られる」と思っていました。

しかし、自分の中にある無意識の不安や恐怖を夫に映し見て怖がっていることを知ると、「夫とちゃんと向き合いたい」という想いが湧き上がってきたのです。

こうして、少しずつミロスの“新しい見方”や“考え方”を体験していくうちに、彼女の強固な“思い込み”や、凝り固まった思考も徐々に中和されていき、それに伴い、目の前の世界がどんどん変化していきました。

そんな中、あるイベントに参加したMさんは、そこで出会ったある女性が打ち明けた“寂しい”という感情に共鳴したことで、自分が、無意識の“寂しさ(欠乏感)”を埋めるために人を引きつけていることを知りました。そして、同じ欠乏感を持つ者同士が引き合うという仕組みより、夫もまた自分と同じ“寂しさ”を持っていたことも知りました。

“思い込み”が夫婦の間に壁をつくり・・・

今まで、夫とうまくコミュニケーションがとれないのは「夫に理解してもらえないからだ」と思っていましたが、実はそれは自分の欠乏感から見ていた夫であり、夫もまた同じように寂しい思いをしていたのです。

「どうせわかってもらえない」と“思い込み”、夫婦の間に壁をつくり、長女を愛せないことへの罪悪感や、お金に対する不安を隠して、無意識に夫を避け、向き合おうとしてこなかったのは彼女の方でした。

強烈な“自己否定”を娘に映して見ていた

そして、誰にも言えない悩みを抱え、本当の想いや感情を怖くて直視することができず、自分の心の叫びに耳を塞ぎ、無視をしていた…そんな光景が見えた時、長女に映し見ているものが何なのかが、急にわかりだしたのです。

Mさんは、今まで無視をしてきた長女に対する感情を、思いきって口にだしてみました。

「あんたさえいなかったら、私の心は平和なのに! 私の前から永久に消えてほしい!」

あまりにも衝撃的な言葉に体が震え、その直後、強烈な罪悪感に襲われましたが、自分自身に言った言葉に、ハッとしました。

「私は最悪な親だ。生きている価値もない。私なんか生まれてこなければよかったんだ。消えてしまえばいいのに…」

“娘に言い放った言葉と、自分に対して言った言葉が一致している!”そのことに気づいた瞬間、娘に映し見ていたものが“強烈な自己否定”だったことがわかったのです。

最も強烈に“自己否定”を感じた出来事

自分の内面にある“無意識の自己否定”が表に“反転”し、様々な現象に現れ苦しんできたことがわかると、彼女は自分の人生において、最も強烈に“自己否定”を感じた出来事を紐解いていきました。

それは、Mさんが小学1年生の時、ある男子にされた許しがたい行為に、自尊心をズタズタに傷つけられた出来事でした。

「一生許さない! いつか絶対に殺してやる!」

その男子に対する彼女の恨みは相当なもので、大人になってからも許すことができずにいました。

そして、自分は汚れてしまったと思い込んだ彼女は、その辛い気持ちを母にも打ち明けることができず、ひとりで苦しんでいたのです。

ドロドロした感情を心の奥底に封印していた

やがてMさんは、その忌々しい出来事をバネに清廉潔白な人間を目指すようになります。

相手の男子に対する恨みや、誰にもわかってもらえない辛さ、屈辱感、自分を消してしまうたくなるほどの自己否定感など、自分の中に渦巻くドロドロした感情と一緒に、その出来事すべてを心の奥底に封印して生きるようになったのです。

長女と夫に見ていたものは

しかし、自分が親になったとき、内面に抑圧してきたものが長女に現れます。

「娘はまるで怪獣のようだ」と彼女が言うほど手に負えない長女は、まさに清廉潔白な人間を演じるMさんが内面に抑圧した“怒りや恨みで暴れ狂う彼女自身”でした。そして、無意識の自分が映し出された娘に、封印したドロドロの感情が噴き出していたのです。

また、夫に対して感じていた「理解してもらえない」という想いも、実は苦しんでいる自分に気づいてくれなかった母親に対するやるせない想いでした。

娘を愛せるようになった

娘を愛せない自分の内面に、まさかこんなドラマがあったとは彼女も思いもしなかったでしょう。こうして、全体像を理解したMさんの中には、もう長女に対する抵抗感や罪悪感はありませんでした。彼女も自分で驚くほど、長女に対する眼差しも態度も自然に変わっていたのです。

Mさんは、ミロスのシステムに出会えなければ、私の苦しみは終わらなかったと言います。いま、普通に娘に接せることがとても幸せだと話す彼女は、とても穏やかな表情をしています。

本来の親子の絆を取り戻せる

いかがでしたでしょうか。

いくら我が子を愛せないと言っても、本当は心のどこかでなんとかして変わりたいと望んでいるものです。

今回の実証例でお伝えさせていただきましたが、親が抑圧しているものが“反転”し、子供に現れます。どんなに縺れた親子関係でも、“親と子の関係性の仕組み”を知ることで、本来の親子の絆を取り戻し、まったく新しい親子関係を築くことができるのです。

(終わり)

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