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誤った情報を解除し、人生を再生させる【後半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.110


Introduction

人間の人生にはパターンがあります。例えば、「大切なものを失ってしまう」「成功まであと一歩届かない」「最終的に裏切られる」など、人生を振り返ったとき、繰り返していると感じるものはないでしょうか。

シリーズ後半は、人間関係において “捨てる・捨てられる” という関係性を繰り返し、数奇な運命に振り回されたSさんの体験をお伝えします。

ミロスシステムを知り、“自分のパターンをつくり出しているもの” に気づいたことで、彼女の人生が劇的に再生していきます。

『誤った情報を解除し、人生を再生させる』【後半】

Sさんの結婚生活

Sさんは幼馴染みの彼に対する気持ちを断ち切り、養父母の勧める男性と結婚しました。

夫はとても良い人で、平穏な結婚生活を送れるはずでした。しかし、過去から逃れるための結婚は、彼女を一層苦しめるものになります。

彼女は、表向きには良い妻、良い嫁、良い母でした。しかし、常に彼女は理由のわからない不快な感情に苦しんでいました。

離婚を決意

子どもを3人授かり、子育てに忙しかった時期はいくらか気分も紛れていましたが、次第にごまかせなくなり、結婚15年目にしてとうとう体に異変を感じるようになりました。

夫の帰宅時間になると過呼吸を起こし、体のしびれや頭痛など様々な症状に苦しむようになり、それ以上結婚生活を続けていくことに限界を感じたSさんは、離婚を決意します。

子どもを捨てることに

しかし、離婚に向けて夫と話し合っても、いっこうに折り合いがつきません。しかも、養父母は半狂乱になって怒鳴ってくる始末。

そんな状況に耐えきれなくなったSさんは、身を引き裂かれるような思いで子どもを置いて、身ひとつで家を飛び出したのです。

それは苦渋の選択でした。一番下の子どもが知的障害児で目が離せないため、3人とも連れていけば共倒れになってしまう。かといって、兄弟を引き離すこともできない…思い悩んだ末に子どもを置いていったのです。

養父に言われた言葉が耳から離れませんでした。

「自分が捨て子なのに、子どもを捨てられるのか!」

生みの母と同じことをした彼女は、この時、初めて母の苦しみを知ることになったのです。

その後、別居をしながら子育てをさせてもらい、7年後に離婚が成立しました。

自作自演の悲劇

ミロスシステムを知る以前のSさんは、自分の数奇な人生の始まりは、“あの祖父” に原因があると思っていました。しかし、ミロスで人生を紐解くなかで、すべては自作自演の悲劇のドラマだったことを知っていったのです。

生後間もない頃、祖父が母の貞操を奪ったことで、母が自分を置いて家を出て行かざるを得なくなりました。まだ0歳児の彼女が大人の事情など理解できるはずもありません。この時、彼女の無意識に「母に捨てられた」という “誤った情報” がインプットされたのです。

そして、その誤った情報が次につくり出したものが、養子縁組によって養女に出されたときの「父に捨てられた」という誤った思い込みだったのです。

無意識の謝った情報

このように、一度、無意識に誤った情報がインプットされると、同じことをさらに感じる出来事が起こり、繰り返しの中でどんどん人生を狂わせていきます。

“捨てられる” 恐怖を抱えて養父母に引き取られた彼女は、無意識に “捨てられないように” 彼らの顔色をうかがいながら良い子を演じていました。

しかし、捨てられる恐怖を根源として見える世界にあるのは、「愛してもらえない」と感じるものばかりです。

Sさんは、養父母の行為から「愛されていない」と感じるものばかりを拾い集めるため、彼らがどんな想いでSさんを養女に迎え、育ててくれたのか、その愛情を一切感じることなく成長していったのです。

両親を見る目

そして、幼馴染みの彼とも悲恋で終わります。親に反対され、彼に「捨てられた」と思い込んだ彼女は、悔しさから彼を “捨て”、養父母のすすめる相手と結婚します。

しかし、親子関係で培われた “父を見る目”、“母を見る目” で結婚相手を見るため、特に養父への抵抗感を夫にも感じてしまい、夫婦関係は上手くいきませんでした。そして、子どもを “置いて”、家を出ることになったのです。

無意識にインプットされた情報

生後間もなく無意識にインプットされた情報がこれほどまでに人生を狂わせていたとは、夢にも思わなかったことでしょう。

そして、彼女自らが実母と同じ体験をすることにより、最初にインプットされたこと ―「母に捨てられた」という思い込みも、もともと彼女の中にあったネガティブな要素と思考体系から生まれた “思い込み” であることを知ることができました。

「私は母に捨てられた子どもではなかったのだ…」

誤った情報はリセットされ、ようやく人生のパターンから抜け出すことができました。

人生を紐解くなかで、実はSさんに不思議なことが起きていました。

幼なじみとの彼との再会

ある日、ひょんなことから、8年前から行方不明になっていた幼馴染みの彼と連絡がつくようになったのです。

Sさんは、当時のことを彼に尋ねてみました。すると、「彼に捨てられた」という事実はまったくなく、お互いの “思い込み” から誤解が生まれ、別れてしまったことがわかったのです。

それまで、過去に対する後悔や哀愁の念に囚われて生きてきたSさんは、出生時に遡って人生をリセットしたことにより、生まれ直したように新しい人生の第一歩を踏み出したのです。

(シリーズ終わり)

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