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家族のテーマは連鎖する 〜この世の絶対的なシステム〜【後半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.81


Introduction

本当の問題は自分が直面している状況ではなく、その状況をつくりだしている “この世の絶対的なシステム” を知らないことである —。前回のシリーズ前半では、親と子の確執が繰り返されてしまうメカニズムを、ある男性(K男さん)の実証例を通してお伝えしました。

後半の今回は、現代に生きる家族が再生することにより、代々家系に繰り返されてきた “一族のテーマの連鎖” までもが完全に終わっていく様子をお伝えします。

『家族のテーマは連鎖する 〜この世の絶対的なシステム〜』【後半】

両親も同じように傷ついてきた

父を反面教師にして理想の家庭を築こうとしてきたK男さんは、自分が父と同じような生き方をしていることを知って愕然としました。

しかし、その反面、自分ではどうすることもできないこの世のシステムの中でそのような体験が起きていること ─ どんな問題でもシステム通りに現象化していること ─を理解し、今までにない安堵感を得たそうです。

父との確執など崩壊寸前になっていた家族も、誰が悪いわけでもなく、すべてはシステムを知らないために繰り返されてきた悲劇だったのです。

父と母自身も、K男さんと同じように両親(K男さんの祖父母)との関係性で傷ついてきたことを知ったとき、K男さんの中から2人に対するネガティブな感情、怒りや憎しみの記憶が消えてしまったそうです。

ミロスプログラムの凄さは、システムを知り、メカニズムを理解することで、過去に遡って関係性がリセットされ、再生されていくところです。

妻の母は

では、K男さんの妻(A子さん)は、どんな変化を体験したのでしょうか。

A子さんは、医者であり病院を経営する父、母、3歳上の兄の4人家族の長女として生まれました。従業員が大勢いるなか、いつも人目にさらされる環境で生活していたせいもあり、世間体ばかり意識する “仮面家族” だったそうです。

母は医者の妻らしく、賢い妻、良い母、素晴らしい女性でした。しかし、それは表向きの仮面であり、裏では娘のA子さんに愚痴をこぼす、イライラして感情をぶつける、ときには辛辣な言葉を浴びせるなど、彼女をストレスのはけ口にしていたのです。

3つ年上の兄は優秀で器量もよく、病院の跡取りとして周囲の期待を一身に集めていました。その一方で、常に兄と比較されていたA子さんは、親や周囲の大人たちの言葉から「自分はダメな子なんだ」と思い込み、“この家にはふさわしくない人間” とまで思うようになっていました。

母のような親にはならない…!

自分の存在そのものに罪悪感を抱くようになった彼女の心は、どんどんネガティブな感情に占領されていきました。自分を愛してくれない母に対する怒りと憎しみ、そして、愛してもらえない自分への嫌悪感…。心の葛藤に苦しみながら、彼女はこう誓いました。

「私は母のような親にはならない。 子供を悲しませるようなことは絶対にしない。 優しくて愛情深い母親になるんだ…」

仮面家族

大人になり、結婚して子供が生まれると、A子さんは一生懸命、子育てに励みました。しかし、彼女は無意識のうちに母を反面教師にし、“良い母” を演じていたのです。

自分が傷ついてきただけに、我が子は傷つけまいとして、本音でぶつかり合うことができませんでした。なるべく嫌なことは言わずに、よい関係を保とうとしていました。

子供時代に母の顔色をうかがっていた彼女は、自分が親になった今、娘の顔色をうかがっていたのです。

また、良い家庭をつくるには波風を立たせないことが一番だと思っていたため、夫にも言いたいことを言えずに我慢しているところがありました。

こうして、表面的には何も問題のない仮面家族がつくられていったのです。

夫婦は同質の心の傷がある

私はかねてから「夫婦は同質の感情面(心の傷)を持っている」とお伝えしてきました。Iさん夫婦は、「自分を認めることができない」という同質のコンプレックスを持っていて、“エリート家族のなかの劣等生” という生い立ちまで似ていました。そして、親を反面教師にして、理想の家庭にこだわってきました。

しかし、この世のシステム通り、自分が親になったとき、娘に同じような家庭環境を与えていたのです。

一族に繰り返されてきた悲劇が終わった

「もし、システムを知らずにいたら、自分たち家族は完全に崩壊していた。 そして、娘たちが家庭を持ったとき、必ず同じ悲劇が繰り返されていただろう」

どうして家族が崩壊寸前にまでなってしまったのか — そのメカニズムを理解したA子さんは、自分たちの家族の代で “一族に繰り返されてきた悲劇” が終わったことを実感しました。

全身の細胞が喜びに湧くのを感じ、あらためて、この世のシステムを知って生きることの重要性を感じたそうです。

Iさん夫婦は、ミロスプログラムを実践していくなかで “自分と相手” という境界線がなくなっていくのを感じました。

信頼し合える家族に

以前は相手に対して抵抗感を感じていたことも、実はそれが “自分の中に抑圧されているもの” だと理解する知性を手に入れたことで、今度は「相手がいるからこそ自分を知ることができる」ということに感謝が湧いてくるようになったといいます。

実践を始めてから短期間のうちに、Iさん一家は以前からは想像もできないほど “信頼し合える家族” に生まれ変わりました。夫婦関係が全く変わり、あれほど嫌いだった親との関係性も変容しました。娘たちは生き生きと輝きだし、いま、家族全員が本当の自分の人生を生きはじめています。

(シリーズ終わり)

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