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悩みの本当の原因は”自分の思考回路”【後半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.16


Introduction

前回は、悩みの本当の原因は人間が考えているようなところにはないことをお話ししました。

今まで、「相手がこうだから、世の中がこうだから自分は悩んでいる」と思っていたことが全てひっくり返り、実は “自分の思考回路” が原因で、“目の前の事象” が結果だったのです。

結婚生活に悩む女性の事例からも、自分の思考回路がとんでもない世界をつくりあげてしまうことがわかりました。

後半の今回では、この思考回路からどうやって脱出するのか、そして、そもそも人間の思考回路とは何なのかについて触れていきます。

『悩みの本当の原因は”自分の思考回路”』

例:思考回路が世界をつくる

前回の事例を再び用います。(読まれていない方はシリーズ前半をご覧ください)

家を継ぐはずだったAさんは、他家に嫁いだことに罪悪感を持ちました。「両親は私に失望している」「私は家族を裏切ったのだ」と思ったわけですが、ポイントは、実際には “Aさんが感じたように両親は思っていない” ということです。

娘の結婚を祝福して送り出した両親の気持ちとは関係なく、Aさんが父と母に強烈に感じたもの…それは、親をがっかりさせてしまった“自分への失望” と、そんな自分を嫌う “罪悪感” だったのではないでしょうか。

要するに、目の前の世界をどう見てしまうか、何を感じてしまうかがその人の思考回路だということです。言い換えれば、人間は自分を取り巻く世界を “自分の見たいように” 見て、“自分が感じたいように” 感じているということです。

人間関係の基となる父母

では、どうしてそのような思考回路を持ってしまったのでしょう。自分の考え方は、産まれて初めて人間関係を体験する父と母との関係性でつくられるといいますが、自分が父をどう見ていたか、母をどう見ていたか、その時の “目” が、実は社会に出て他人を見る “目” になっています。

(両親と縁の無かった人は親代わりに育ててくれた人との“関係性” を思い出して下さい)

そして、自分が男なら、母を見ていた目で異性である女性を見て、父を見ていた目で同性である男性を見ています。

例:高圧的な父だった場合

こんな事例があります。高慢な上司に顎で使われるような毎日に嫌気が差し、転職に悩むBさんという男性がいました。

ところが、Bさんは職場では上司に完全に支配されていますが、家に帰ると立場は逆転し、妻や子供に意見をさせないくらい、亭主関白に変わってしまうのです。そこで、Bさんに子供時代の両親のことを尋ねてみました。すると彼は、このように答えました。

「父は僕や家族の話をまったく聴いてくれなかった。自分の意見を家族に押し付ける高圧的な人でした」「逆に、母はいつも父のいいなりで…。よく父と別れたいと言っていました」

ここから見えてくるのは、Bさんの思考回路の特徴が “支配” だということ。彼は子供時代に見ていた支配的な父を、今、会社の上司に感じ、自分は立場の弱かった母を部下として体験しているのです。

そして、家庭の中では、あんなに嫌いだったにも関わらず自分も父のような父親になり、目の前の妻を通して、いいなりだった母を見ています。

理解することで思考回路から脱出できる

このように、自分の思考回路に “支配” を持っていると、“支配する側” と “支配される側” に立場を変えながら様々な関係性で “支配” を体験するのですが、まさか自分の思考の中に原因があるとは思いもしません。

そして、自分が支配されることには過敏に反応する反面、自分が支配していることには鈍感なため、“相手が悪い” と思ってしまうのです。

しかし、こうやって自分の思考の全体像を見て、それを理解できた時にどんなことが起るかというと、その瞬間に自分の思考回路から脱出しているのです。

それ以来、Bさんは上司に対する見方が勝手に変わり、家族への態度も自然と変わっていきました。すると、あれほど高慢だった上司がまるで別人のようになり、家族関係も職場の人間関係も、すべて自分の理想の世界に変容してしまったのです。

父母との関係性が悪ければ……

我々は子供の頃に “父を見ていた目” と “母を見ていた目” で他人を見ています。つまり、父や母との関係性が悪ければ、人生はうまくいかないということです。

しかし、このことを知らないために、悩みや問題の原因が自分の “外側” にあると思い、「この原因をなんとかしよう」とか「あの人さえいなければ」と感じ、環境を変えれば悩みがなくなると思ってきたのです。

悩みは、金銭や病気、将来への不安など多種多様ですが、根源は “自分の思考回路” です。従来の悩みの解決方法に完全な答えが無かったのもこのためです。

悩みの無い世界へ

最後になりますが、今まで問題視していた現象を “鏡” にして、自分の思考回路のアンバランスさを知っていくことで、目の前の鏡の世界も変わっていきます。

そして、今、この事を理解する人たちが増え、いろんな分野で従来の概念では信じられない変化が起きています。

その人たちの体験は、連載の中でも事例や例題として紹介していますが、この世のトリックとシステムを知り、“全く新しい視点” を持った人間が見る世界は、悩みも問題も存在しない絶対安心の世界なのです。

(シリーズ終わり)

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