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男が求めた成功は、すべてパートナー(女)の中にある【第2回】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.49


Introduction

前回より、“真の成功” とは何なのかについて、一人の男性(Mさん)の体験をもとにお伝えしています。

Mさんは幼少期より野球の英才教育を受け、成功への道を順調に歩んでいました。ところが、3年生の夏、晴れ舞台になるはずだった甲子園で予想だにしない出来事が起こります。

それ以来、彼は野球という目標を失い、人生に敗北感を感じていましたが、再び新たな目標を見つけて突き進むことになります。しかし、その原動力になっていたのは、またもや自己存在に対する無価値観だったのです。

今回は、“この世のシステム”を知らないがゆえに “生き方のパターン” から抜け出すことができない彼が、さらにトリックの渦に飲み込まれていく姿が描かれます。ほとんどの人々が “自分のパターン”に気づくことなく生きているこの人間社会に一石を投じることができればと思います。

『男が求めた成功は、すべてパートナー(女)の中にある』【第2回】

経済的な活躍の場が欲しい!

大学寮を抜け出して実家に戻ったMさんは、新たな目標に向かって進み始めます。

「経済で成功して、みんなを見返してやる!」

彼を突き動かしていたのは、怒りや憎しみとなって彼の中に充満していたネガティブな感情でした。もともと経済には関心がありましたが、“早く成功してみんなを見返してやりたい” と思っている彼に、“自分が本当は何をしたいのか” をじっくり考える余裕などありません。

とにかく経済的な活躍の場が欲しいという思いから、家業である美容業の世界に飛び込んだのです。しかし、何をやるにしても、初めは誰もが一年生です。

「また一からやらないといけないのか…」

彼は、心のどこかで “また同じことの繰り返し” だと気づいていたのかも知れません。それでも、“今までの生き方” は簡単には崩れませんでした。

美容業界でも異例の活躍を

「早く下積みを卒業してカットできるようになりたい」「誰よりもお金を稼ぎたい」

そんな思いに駆り立てられるように、人一倍努力しました。もともと優秀だった彼が、新しい仕事で結果を出すのは不思議なことではありませんでした。

美容業界では普通、お客様をカットできるポジションを得るのに5年かかると言われますが、彼は異例の3年目にしてそのポジションを獲得したのです。次第にMさんを指名してくれる顧客が増えるようになり、仕事にやりがいを感じる日々送っていました。

ところが、今度は他のスタッフとの間で顧客の奪い合いが始まったのです。子供の頃からチームメイトや強豪相手と競い合い、社会人になっても相手が変わるだけで根本的には何も変わらない。常に自分の中に欠乏感があり、外側の世界にそれを埋めてくれるものを探し求める人生。

だんだん何をしても埋まらなくなり、いくら頑張ってもゴールが見えてこない。結局、どこまでも競い合う世界…。

自分とは正反対な女性とであい

彼はそんな生き方に疲れ、頑張ることが嫌になっていました。

そんな頃、将来、妻になる女性と出会ったのです。彼女は「自分にないものをすべて持っている」と感じさせる女性でした。コンプレックスの塊のような自分に比べて、いつも堂々として輝いている彼女にどんどん惹かれていきました。

「この人となら本当に満たされた人生を送れるだろう」

彼は未来に大きな希望を感じて彼女との結婚を決心しました。そして、想像していた通りの幸せな毎日が続きました。

「この人は僕のことを本当に分かってくれている。僕のすべてを受けとってくれている」

がむしゃらに働く日々

彼女といると、自分の中の不足感が消えていくように感じました。しかし、結婚して1年が経ち、長女が生まれた頃から、再び “埋まらない人生” が始まります。

ずっと自分に向いていた妻の関心がすべて娘に向けられていると感じたMさんは、それまでにない嫉妬を感じるようになりました。自分のすべてを受けとってくれていた彼女が子育てに全意識を注いでいる姿は、彼にとって、相当なショックでした。

「お金を持って帰ってくれば、また僕の方に向いてくれるんじゃないか…」

強烈に苦しんだ末、彼は妻の関心を自分に引き戻そうと考えます。そして、再び “経済で成功する” ために突き進んでいったのです。

彼の中では “経済的な豊かさ” を与えることが家族に対する “愛情表現” でした。家族を幸せにしたい、妻の関心を自分に向けさせたい — その一心で、家にもろくに帰らず、がむしゃらに働きました。

すれちがう夫と妻

ところが残念なことに、そんなMさんの想いは妻にはまったく伝わっていませんでした。彼女にしてみると、家に帰らず、自分一人に子育てを押しつける夫のせいでストレスがたまる一方だったのです。

たまに家に帰って来る夫を避けて、今まで以上に子供に意識を向ける妻。そんな妻の姿を見て、さらに嫉妬を燃やす夫。すれ違いの生活が続き、ついに離婚の危機が訪れたのです —。

いかがでしょうか。彼は、どんなに頑張っても満たされないという “パターン” を繰り返しています。前回でもお伝えしましたが、彼が生きるためにバネにしているものは “自己存在への無価値観” です。この欠乏感を埋めてくれるものを “外側” に求めて頑張りますが、それは同時に欠乏感を増幅させます。

どこまで頑張ればいいのだろうか…

ある日当然、虚脱感や喪失感を感じさせる出来事として現象化し、またそのマイナスをバネにして頑張る — そんな生き方を繰り返しているうちに、欠乏感はお化けのように大きくなり、彼は離婚の危機という大ピンチに追い込まれたのです。

彼は子供の頃から「お前はやればできる子だ」と言われ続け、頑張って成績を出してきました。しかしその一方で、どれだけ頑張っても「もっとやれる」「まだまだ」とも言われてきました。

「僕はどこまで頑張ればいいのだろうか…」と苦しんできましたが、外側の声は “自分のことを認めることができないもう一人の自分” の声です。もう一人の自分が「まだ満足できないぞ。もっともっと満たしてくれ」と言っていたのです。

ほとんどの人が彼のように “自分のパターン” に気づくことなく生きています。なぜなら、この世のシステムでは “自分のことは自分では一切分からない” ようになっているからです。

では、Mさんはこのトリックの渦からどうやって抜け出し、真の成功を見出したのでしょうか — 次回にご期待ください。

(シリーズ最終回へつづく)

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