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理想の結婚の落とし穴【第2回】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.35


Introduction

幼少のころから憧れていた “理想の男性像”にぴったりの相手と出逢い、幸せな家庭を夢見て結婚生活をスタートさせたNさん。今回のシリーズでは、彼女の体験をもとにして、人間が知らず知らずのうちに取り込まれている“この世のトリック” を紐解いています。

シリーズ第1回では、夫が持っている “理想の妻像”に近づこうとして、共働きにも関わらず、自分一人で主婦業を完璧にこなそうと頑張ったNさんが、次第に理想と現実のギャップに苦しむようになります。その結果、理想を追い求めた分、結婚生活に大きく失望していきました。

シリーズ第2回では、精神的に極限まで追い込まれた彼女が “システム” を知ることによって “全く新しい視点” から自分の生き方を客観的に見るようになり、八方塞がりの人生に光を見出しました。

『理想の結婚の落とし穴』

思い込みの目

夫の期待に添えない自分を否定し、「こんな私は彼に愛される価値がない」と勝手に思い込んでいったNさんは、その思い込みの目で夫を見ていました。彼の言動や表情から「愛されていない」と感じるところばかりを拾い集めていったのです。

一方、妻が精神的に不安定になっている原因がそんなところにあるとは夢にも思わない夫は、妻を心配するあまり、精神科医に診てもらうことを勧めます。しかし、彼女が夫に求めることはそんなことではありませんでした。

完璧にできない自分を責める

男性は、その特性上、目の前の問題を “解決” しようとします。このケースのように、専門医に診てもらうことが最善だと思う男性は多いでしょう。しかし、女性は自分の悩みを誰かに話して“共鳴してもらう” ことで気持ちを切り替えようとします。Nさんが夫に求めていたことは、

「頑張っている自分のことを認めて欲しい…」

ただそれだけだったのではないでしょうか。夫からひと言でもねぎらいの言葉をかけてもらい、愛を感じることができたなら、状況は違っていたかもしれません。

結婚当初は主婦業を楽しんでいたのに、徐々に仕事と家事を両立させることに負担を感じるようになり、「私だけがしんどい思いをしている」という不満が膨らんでいったのです。完璧にできない自分を責め、大好きだった夫にも憎しみを感じるようになり、さらにそんな自分を嫌い、離婚や死までも考えるようになりました。

自分を抑えつけて……

また、Nさんが精神的に不安定になった原因として、次のようなことも考えられます。「夫にとって理想の妻になろう」と頑張っていたころの彼女は、夫に合わせて “よい妻” を演じることができました。“相手に自分を合わせることができる” ということは、言い換えれば、自分の本音を抑えているということです。

本当は、「少しぐらい手を抜きたい」「夫にも手伝ってもらいたい」と思っていたのではないでしょうか。しかし、本音を抑えつけて、自分が家のことを全部こなしている状況を肯定することで “夫に愛される妻” になれると期待して頑張り続けていたのです。もし、彼女が夫に向かって自分の意思をはっきりと伝えることができたなら、このような状況には至らなかったかもしれません。

世間でも、夫に自分の意思を明確に伝えられない女性は少なくないのではないでしょうか。そんな女性たちは、遠回しな表現をして相手が “気づいてくれる” のを待っています。しかし、残念ながら、ハッキリと言ってもらわなければ男性にはわからないのです。

もともとの自己評価

彼女が思うようにならない現実に失望し、自分を責めはじめたころから、押さえつけられていた本音が表に出てくるようになりました。自分に嘘や偽りのない本音は、自分でコントロールすることができません。自制心を失った彼女は、自分をどうすることもできなくなってしまったのです。

この状況も、Nさんの性格が作り出したものです。Nさんのような完璧主義的な性格の人は、完璧な状態を作ることによって自分を満足させています。いくら他人がオーケーを出しても、自分が「完璧だ」という判断を下さない限り満足しません。

しかし、実はどこまでいっても本当の満足感は得られません。なぜなら、“完璧を求める人” は、裏を返すと「自分は不完全だ」という自己評価を持っているからです。「自分自身に対する評価が外側のさまざまな関係性に投影される」というこの世の“システム” ゆえに、自己評価が低ければ何をしても満たされることはありません。

自分を否定し続けた人生

Nさんは子供の頃から強い向上心を持ち、“自分磨き” を怠らない女性でした。しかし、裏を返すと “磨かなければならないほど自己評価が低かった” ということではないでしょうか。

ご本人も昔からコンプレックスの塊だったとおっしゃっていますが、全く自覚がないところで自分の “存在” を否定していたのです。その “無自覚な自分” が人生に “反転” して現れるため、目の前に “自己評価を下げてしまう現象” が起こります。

ちょうど彼女が結婚生活のことで悩みだしたのと同時期に、職場でも自己評価が下がる現象が起こり始めました。それまで自分を認めてくれていた上司から厳しく扱われるようになり、仕事の内容も大変なものになっていったのです。

「仕事も家庭も思うようにならない」「何もできない私は存在する意味がない」

極限の精神状態まで追い込まれたNさんは、わらをもすがる思いで “システム” を求めました。そして幸いにも、彼女の夫も一緒に学んでくれたのです。それをきっかけに、Nさんは夫婦の “関係性” に無自覚な自分の傷が映し出されていることを知っていきます。

(シリーズ第3回へつづく)

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