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浮気・三角関係・不倫…なぜ一人の人では満足できないのか?【後半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.6


Introduction

浮気、三角関係、不倫 ─ 頭では良くないことだと分かっているはずなのに、気がついたら陥ってしまう “避けられない罠”。なかでも既婚者同士が恋に落ちる、いわゆるダブル不倫は特に破壊的だといえるでしょう。

前回、Kさんという女性のケースをもとに、このパターンについてご説明しました。彼女は彼氏の浮気癖に悩んでいたわけですが、実は彼女の苦しみの原因はそこにはなく、彼女自身も彼氏も「ひとりの人では満足できない」という愛の病を持っていることが分かりました。

後半の今回は、その苦しみのパターンを生み出している “2人の愛の病の根源” に触れていきます。

『浮気・三角関係・不倫…なぜ一人の人では満足できないのか?』

同質の欠乏感が引きつける

昔、ある女優さんが、自分は既婚者でありながら他の男性との交際をスクープされたとき、「出会ってしまったものは仕方がない」と開き直っていましたが、実は、男と女は自分の知らない領域で “愛の欠乏感” が引きつけ合い、出会っているのです。それは何かというと、“一人の異性では満たされない” という同質の欠乏感。

ただ、男女関係はどちらかに主導権があるため、表面的な力関係では違うように見えるだけです。もちろん本人に自覚はありませんが、深いところでは必ず同じものを持つ者同士が磁石のように引き合い、関係性をつくっています。

最初は最高の相手でも

同じものを持っているため、最初は分かり合える最高の相手になり、もの凄く愛し合っているという錯覚を起こします。ですが、お互いに自分の中にある欠乏感を相手によって埋めようとしているため、だんだんうまくいかなくなっていくのです。

無意識の奥で互いに「私を愛してくれ、認めてくれ、与えてくれ」と叫び合い、相手が自分の思い通りにならないことに不満や抵抗感を持ち始めます。結局、同質のものを持つ者同士が出会うということは、お互いが自分の中にある欠乏感を相手に映して見るようになり、関係性は壊れていきます。

また、好きになればなるほど不安が増し、幸せになればなるほど、その幸せを失う恐怖が出てくるのは、もともと根底にある “愛への欠乏感” から相手を好きになっているためです。

増幅し反転する

つまり、好きになればなるほど、その行為を押し出している欠乏感も同時に増幅し、それが目の前に反転するということです。その結果、相手を冷たく感じたり、相手の行動に不安な要素を見つけ出してしまうのです。嫉妬心や執着心もそこから生まれています。

愛に対する欠乏感は“幼少期の親子関係”から

では、愛に対する欠乏感とは具体的に何から生まれるのかというと、ほとんどの人が持っている “幼少期の親子関係” なのです。特に、母とは仲が良かったけれど父とはうまくいかなかった、両親の離婚で片親の愛を知らないなど、どちらか片方の親の愛を感じられずに育った子供が大人になると“一人の人では満足できない” という異性関係をつくることが多いのです。

本当はどこも欠けていない

親は子供を愛していますが、子供はちょっとしたことで「自分はお父さんに愛されていない」「お母さんに嫌われている」と思い込んでしまいます。それが心の傷になり、無意識の奥底に “愛の欠乏感” をつくってしまいます。

異性関係において、一人の相手ではその欠乏感が埋まらないために、複数の異性に恋をすることでそれを埋めようとするのです。一時的には、恋の高揚感で満たされた気分になれます。また、その人がいなければ生きていけなくなるほど我を忘れてしまうのは、それだけ自分の中の欠乏感が大きいということです。しかし、それも長くは続きません。

所詮、欠乏感は思考がつくりだした幻想です。初めから欠けていないものを埋めることはできませんから、満足することはありません。ところが、人間はこの事を知らないために、この相手では満足できないとなると、欠乏感を埋めてくれる新しい相手を探し求めていくのです。

相手に合わせてしまう

特に、女の子が父親の愛情を感じられなかった場合、男性との付き合い方が分からないまま大人になります。そして、彼氏と付き合うようになると、「相手に好かれよう」「嫌われないようにしよう」と思い、完全に相手のペースに合わせるようになります。これを癒着とも言いますが、自分の主体性を失い、常に相手に振り回されるようになってしまうのです。ちょうど、Kさんも完全に彼の都合に合わせている状態でした。

ところが、いつかはその関係性に窮屈さを感じ、相手から離れようとする時がきます。抑圧していたものが突然、爆発することもあるでしょう。すると、今まで自分に合わせてもらっていた相手は急に主導権を失ってパニックに陥るか、彼女を力づくで抑え込もうとします。いずれにしても、待っているのは関係性の崩壊です。

無意識が望んだ関係性

もうひとつ、“関係性” についても理解しておく必要があります。不倫では、二人の関係性は “彼と彼女” ですが、互いに離婚して結婚すると “夫と妻” になります。二人は “一人の人では満足できない” という同じ愛の病を持っていますから、最終的にはまた互いに浮気をして前の夫婦関係を繰り返す確率が非常に高いということです。

読者の皆さんは、もうお分かりでしょう。実は、Kさんにとってはダブル不倫の関係が “ベストな関係性” だったのです。苦しんでいる本人からすれは非常にショックな話かも知れませんが、自分では全く自覚のないところで、無意識の自分が “一番傷つかなくてもいい関係” “最も楽な関係” を選んでいたのです。それを知ったら、悩んできた日々がバカバカしく思えてこないでしょうか。

プラス思考はマイナスを増幅させるだけ

これまで、何かネガティブに思えることが起こったとき、反省してプラス思考でなんとかしようと思ってきたかもしれません。しかし、その考え方を押し出しているのは無意識の中にある “欠乏感” です。プラスに傾けば反転し、その裏で増幅している欠乏感がいろんな現象となって現れます。

次に来る波はもっと大きくなり、より強烈な欠乏感を感じることになるかもしれません。本当に自分のパターンを終わらせたいのなら、そのパターンがどうやってつくられているのか、そのメカニズムを “関係性のシステム” として理解していくこと。そのとき、初めて従来の苦しい関係性から脱出することができます。

人間は自分が認識しているもの、自分の思考回路を外側に見ていますから、それを客観的に理解することで、見える世界や生き方は自動的に変わっていきます。ひとつひとつ安心して理解し、本当に待ち望んでいた新しい関係をぜひ築いていただきたいと思います。

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