誰にでも、忘れたい過去の一つや二つあるものですが、記憶の中から消してしまいたいものほど、いつまでも鮮明に残っているものです。そして、強い感情とともに思い出すことで、さらに記憶は強化され大きな重荷としてのしかかっていきます。
今回ご紹介する実証例は、今まで封印してきた過去の出来事を、ミロスシステムにより初めて“直視”したことで、時空を超えて過去と未来(現在)が同時に一瞬で変わってしまった体験です。
『時空を超えて、過去と未来が同時に一瞬で変わる』
封印してきた忌まわしい過去・・・
ミロスシステムに出会い、様々な面で変化を体験してきたHさんですが、過去のある時期の出来事が、胸の奥につっかえたまま残っていました。それは、二度目の結婚での出来事で、思い出すのも忌まわしく、これまで封印してきましたが、いつまでも逃げ続けているわけにはいかなくなり、今の信頼できるパートーナーに当時のことを打ち明けました。
Hさんの前夫は、彼女と境遇が似ており、父との確執が原因で実家を出て一人離島で暮らしていました。そこへ彼女が嫁ぎ、子供にも恵まれ細々と暮らしていました。しかし、夫が目の病を患い働けなくなり、しばらくの間、夫の実家に家族全員で身を寄せることになったのです。
前の夫と舅の確執
実家に戻ると、夫と舅(夫の父)の確執がエスカレートし、時には殺し合いになるのではないかと思うほど激しいものでした。夫は自室に引きこもるようになり、火の粉はHさんにも降りかかってきました。
夫の代わりに朝から晩まで働き、家に帰れば舅から攻撃される…。そんな毎日に耐えきれず、彼女もまた別室に娘たちと一緒に引きこもるようになったのです。
そんな荒んだ生活の中で、娘たちの精神状態も不安定になっていき、とうとうHさんは離婚を決意し、娘たちを連れて逃げるようにして家を出て行きました。
過去の出来事を客観的に“直視”できた
最初は、恨みつらみが一気に噴き出し、嗚咽混じりに話していた彼女でしたが、自分の話にひたすら耳を傾け、一切ジャッジせずにそのまま聴いてくれる彼のおかげで、次第に緊張感がとれ、平穏さを取り戻していきました。
そして、今まで自分の中に溜まっていたネガティブな感情を、彼との空間に出せたことで、感情から離れることができ、初めて“感情的”にならずに過去の出来事を客観的に“直視”することができたのです。
すると、今まで「あんな事を言われた」「こんな仕打ちを受けた…」と、写真のように鮮明に覚えていた記憶が薄らいでいき、まるで上空から眺めているように、家族全員の姿が見え、ひとりひとりの気持ちさえ感じられるほど、全体が見えてきました。
ネガティブな感情が解放されて・・・
鬼のような舅も、働けなくなった夫も、父や祖父母から子供たちを引き裂いた自分も、本当は誰も悪くはなかったこと。そこにいた誰もが“三次元の仕組み”を知らなかったために、傷つけ合っていたことが分かったのです。
誰もが愛されたいと願い、愛したいと想い、幸せを求めていた…。そう感じた時、あたたかい涙とともにHさんの中から、恨みや憎しみ、罪悪感が洗い流され、今まで感じたことのない想いがあふれてきました。
時空を超えて過去が書き換えられた
「あの家にいた全員が、いま幸せだったらいいのに!」
その瞬間、彼女の携帯に、なんと、前夫の母(姑)から電話がかかってきました。離婚からすでに数年が経ち、連絡先も削除し、音信不通だったにもかかわらず、自然に「お義母さん」、「Hさん」と呼び合っていました。当時のことを謝り、再び繋がったことを喜び合えた二人の空間には、一切のわだかまりもなく、逆に、感謝があふれていました。
三次元の仕組みの中で憎み合っていた人たちが、Hさんの中で、システムによって許され、時空を超えて過去が一瞬で書き換えられたのと同時に、過去から見たら未来である今も新しく創造されたのです。
思い込みからつくり上げた人生
いかがでしたでしょうか。人間は、不安や恐怖を感じるものを見て見ぬふりをして通り過ぎようとしますが、実は部分だけを見て、全体を“はっきり見ないこと”で、不安や恐怖が生まれ、自分勝手な思い込みから望んでもいない人生をつくり上げています。
Hさんもそうでした。子供の頃、父親の気持ちが理解できなかった彼女は、「父は私のすべてを否定する」と感じ、「愛されていない」と思い込み、それ以降、父との距離感は拡がるばかりで、父が亡くなってもミロスに出会うまで確執は解消されませんでした。
そして、三次元の仕組みとして、父との関係性が異性関係にスライドするため、恋愛でも、結婚でも、相手との距離感がつかめず、絶えず「愛されていない」と感じるものばかりを拾い集め、後味の悪い別れを繰り返していたのです。
過去をベースにつくりあげた人生からの解放
このように、人間は、自分が見て、感じた“ほんのわずかな部分”だけを記憶し、その記憶をベースに、“自分”とその“人生”をつくり上げていきます。
しかし、ミロスシステムにより全体像を見た瞬間に、今まで閉じ込められていた“部分”の世界から抜け出すことができます。すると、目の前には、不安や恐怖、問題のない世界が広がっているのです。
(終わり)