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時空を超えて、父から娘に託されたバトン

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.121


Introduction

あと一歩なのに邪魔が入る、頑張っているのに目標に近づけない、志半ばで断念する…等々、思うように行かない原因は、才能や努力、タイミングだけではありません。実はあなたの無意識にある、過去から引き継がれた“父と母のパターン”がもっとも大きな力を持っているのです。

今回ご紹介する実証例は、本気で教育を変えようと立ち上がったひとりの小学校教師(Sさん・女性)が、自分が無意識に陥っていた“両親のパターン”を解除し、本当の道を歩き出した体験です。

『時空を超えて、父から娘に託されたバトン』

本気で教育を変えたい!

Sさんは、過去に自分が受け持つクラスで学級崩壊を体験した時、ミロスシステムの実践により、生徒やその保護者との関係性が再生し、学級のみならず学校ごと変わるという体験をしました。その体験から、「本気で教育を変えたい!」と立ち上がり、25年間勤めた教員職を離れて、現在は某大学の大学院に通い、現在の教育システムを研究しながら、ミロスシステムを本格的に学んでいます。

安定した職業から離れ、自分の中から湧き起こった意志に従った彼女の背中を押したのは、23年前に不慮の事故で突然この世を去った父でした。人生の岐路に立った時、今は亡き父から聞こえてきたのは、子供の頃によく聴いた言葉でした。

「一度きりの人生、迷っていても変わらないのなら、挑戦しなさい」「勉強も大事だが、それよりも社会に触れてきなさい、世界を見なさい、物事を見極める目を持ちなさい」

父は、知識よりも体験によって得られる豊かさをいつも教えてくれました。そして、反対されるだろうと思っていた母や兄は、意外にも彼女が立ち上がるのを待ち望んでいました。

「初めて自分のしたい事を言えたね。行っておいで、みんな応援しているから」

家族全員から拍手が起こりました。今までわがまま放題に言いたい事を言い、身勝手な行動をしてきたと思っていた彼女は、まさか一度も自分のしたい事を言えていなかったとは思いもしませんでした。正直驚きましたが、家族の暖かい思いに見守られ、自分の目指す道へ踏み出したのです。

自分が思っている両親とは?

Sさんは、私の提唱する「男と女の空間認識エネルギー論」に基づくミロスシステムを完全に理解するための講座に参加しました。

まず衝撃を受けたのは、自分が思っている父と母が、“自分そのものである”ということでした。そこで、彼女は両親をじっくりと見てみることにしました。

母の口癖は、「秘密は墓場まで持っていかなくてはいけない」でした。Sさんは、母が自分の気持ちを言ったり、他人のことを言うところを見たことがありませんでした。そんな母の背景には、命を守るために素性も明かせない生活を余儀なくされた戦争体験がありました。また、先祖代々、自分の想いも封印して生きなければならなかった環境で暮らしていたこともわかりました。そして、Sさんも、わがままは言えても、自分の本当の想いや感情を表現することができなかったのです。

一方、父は、世の中を変えようと政治活動をしていました。ところが、政治のダークな一面を垣間見たことで活動から脱却。それでも、国を変えたいという想いは変わりませんでした。また、本当は教育者になりたかったのですが、学生時代に教師に幻滅する出来事があり、その道を選べなかったのです。彼女の父はいつもこう言っていたそうです。

「国を変えたい。それには、子供の学校教育から変えなくてはならない」

社会の動きを読みながら、地域の教育活動に熱心に貢献していた父でしたが、志半ばでこの世を去りました。

“パターン”から抜け出すと、現れたもの

父は、自分のしたいことを達成できなかった…。母は、自分を表現することができない…。つまり、それが自分そのものであり、陥っている“パターン”だと気づいたのです。

このように、人間は“両親のパターン”に縛られて生きています。そして、そんな“仕組み”になっていることさえも知らずに、思い通りにいかない人生を送っています。しかし、Sさんは父と母のパターンをはっきりと見ました。つまり、今まで取り込まれていた“パターン”から抜け出し、それを目撃したのです。

講義最終日の朝、彼女の中から「本当の豊かさを知りたい!」という想いが湧き出てきました。物質的な豊かさではない、自分の中からあふれ出す豊かさを感じたい…そう強く思ったのです。

すると、不思議な出来事が…。何気なくさわった棚の中から、30年前に父が書いた手紙が出てきました。それは、Sさんが17歳の時、娘を心配するあまり、彼女の行動に対して父が書いた手紙でした。

初めて感じた父の想い

当時の彼女は、余計なことを言う父だと思い、手紙をろくに読みもしないで引き出しの奥に押し込み、それきり手紙の存在すら忘れていました。社会人になり、引っ越しも何度かしているのに、どうして今頃…と不思議に思ったそうですが、父の想いを理解できるようになった今、最高のタイミングで手紙が出てきたのです。

手紙には、娘を守ろうとする父の想いが綴られていました。そして、最後の文面に、娘がどうであろうと関係なく、いつも深い愛で包み込んでくれていたことを感じることができました。初めて父の想いを感じ、あたたかい気持ちになったSさんは、同時に両親から与えられていたあふれんばかりの愛を感じました。

すると、その日から彼女の環境が思い通りに整っていったのです。まるで父が目に見えない力でサポートしてくれているかのように、常識ではありえないことが起こり出しました。そして、母も経済面でバックアップしてくれるようになりました。

彼女は、この思いもしない展開こそ、父と母の愛を自分の中に感じたことで、あふれ出した“豊かさ”の表れだと思いました。

システムを理解し、父と母のパターンから抜け出したSさんは、今、新しい教育の旗を掲げて本当の道を歩んでいます。彼女のその強い意志の中には、時空を超えて、父の意志、そして、先祖の意志が脈々と流れています。

(終わり)

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