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成功願望に隠されたトリックと究極の自己実現プログラム【後半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.66


Introduction

前回は、超大手企業の中枢を担っていた男性(Mさん)が思わぬ原因から辞職に追い込まれたとき、それまで信じていたやり方とは真逆ともいえるミロスプログラムに出会い、人生が大きく変わりはじめた様子をお伝えしました。

後半の今回では、それまで自分が繰り返していた “パターン” を生み出すトリックを知っていくなかで、Mさんが “本当の成功” “本当の自己実現” とは何かを体験していきます。

『成功願望に隠されたトリックと究極の自己実現プログラム』【後半】

人生のパーターンを紐解く鍵は……

“感情が本当の自分を知る鍵である”それを知ったMさんは、ふだん自分が頻繁に抱いている感情が “母に感じていた感情”と同じであることに気づきます。

褒められたことがない。愛してもらえなかった。否定されたことへの怒り。自分が繰り返してきた “人生のパターン” を紐解く鍵 ─ それが “母親との関係性” にあると思った彼は、すぐさま実家に電話をかけました。

予想はしていたものの、しぶしぶ電話に出た母の言葉は耳が痛くなるものばかり…。いつもなら言い返すMさんでしたが、このときばかりはひたすら聞き役に徹しました。すると、次第に母の口調が変わり、Mさんがすっかり忘れていた子供時代のエピソードを話しはじめたのです。

母子の関係性がリセットされる

小学生の頃、毎朝登校前に必ず母と握手をしていたこと。どんなに忙しくても “今日の格言” を教えてくれたこと。そして、彼が握手を忘れて出て行ったとき、わざわざ家に戻ってきて母に握手を求めたこと…などなど。

自分の頭の中にあった “嫌な母” は、そこには全く存在していませんでした。Mさんは、自分の中にある母親像がいかに “誤った思い込み” によってつくられたものであったのかを痛感します。その思い込みが、彼の中にあった “母の愛を感じたエピソード” をすべて忘れさせていたのです。

「子供のことを愛していない母親なんて一人もいないんだよ。またいつでも電話をかけておいで」

母への愛がMさんの体の奥底からあふれ出し、彼は電話を抱きしめながら声をあげて泣いていました。

こうして長年続いた母との確執はあっけなく終わり、過去にさかのぼって母と子の関係性はリセットされ、再生されたのです。この一件によってさらにミロスプログラムに対する興味が増した彼は、積極的に動きはじめます。

“男と女”に成功の秘密が?

さっそく参加したセミナーの講師は夫婦で活動していました。「“男と女”に成功の秘密がある」という今まで聞いたことのない話にMさんは釘づけになり、その先の展開をどうしても知りたくて、さまざまなイベントや講義に参加しました。そうして彼は、新しいことを知るたびに、今まで体験したことのない感覚を得ていきました。

なかでも彼が感じたのは、“ありのままの自分” を受け取ってもらえることの凄さでした。

あるセミナーに参加したとき、それまで誰にも話したことのない自分の体験を全員の前で打ち明けました。そんなことができた自分にも驚きましたが、会場にはそれまでの人間関係で感じたことのない安心感が漂っていたのです。

ありのままの自分をジャッジすることなく受け取ってくれる空間 ─ そこで話しているだけでMさんの悩みはすでに悩みではなくなり、自分の中が整った感覚を得ることができました。

また、妻の気持ちを受け取ることで経済の流れが一瞬で変わったこともありました。イベントなどの参加費で出費がかさみ、ついに妻の不満が爆発。「もうお金は出さない」の一点張りで、Mさんは自分のことを理解してもらえないことに苦しみました。「もうこのまま学び続けることは無理だろう」とあきらめかけますが、その一方で、「どうしても知りたい」と粘る自分もいました。

そこで彼は、この夫婦の壁をぶち壊すために、それまでの自分では絶対にやらないことをやってみました。

「君が僕に感じているものをすべて話して欲しい」

妻の気持ちをすべて受け取ってみようと、彼女の話にただただ耳を傾けたのです。すると、その場で妻の口調が変わり、今度は彼女がMさんを受け入れはじめました。そして、最終的には「精一杯、楽しんできてね」と参加費まで用意してくれたのです。

そして驚いたことに、その翌日、夫婦ともに実の母のように慕っている女性から思わぬプレゼントをもらうことに…。

「あなたが参加したいものなら、行ってきなさい」

そう言って手渡された封筒には、Mさんが参加したい講義に必要なお金が入っていました。夫婦が互いに相手を受け取り合ったことで、彼らの知らないところで経済の流れが変わっていたのです。

“父を見る目”が実は

奇跡的な変化ばかりを期待していた彼でしたが、親子関係や夫婦関係など、それまで自分が目を向けてこなかった日常のなかで、このような奇跡がどんどん起こっていることに気づくようになりました。男性は特に経済や仕事など外側の世界に成功を求めますが、実は人生の土台である “親子関係” や “夫婦関係” にこそ成功の秘密があったのです。

そしてこのあと、彼はついに “自分の生き方のパターン” をつくり出している “親と子の関係性に隠された根源のトリック” を理解することになります。

あるミロスプラグラムの講義に参加したときのこと。母との確執が解けた一件から、「自分が夢や成功にこだわって生きている原因は “母の愛情に対する欠乏感” にある」と理解した彼は、もうひとつの意外な真実を知ったのです。

子供時代、ごく普通の平凡なサラリーマンだった父を見て、Mさんはこんなふうに思っていました。「もっと稼げる仕事があるだろうに。なぜビジネスにもっと貪欲にならないのだろうか」

どこかで父のことを見下していた自分。ところが、子供時代に父に何を感じ、どう見ていたか ─ その “父を見る目” こそが“自分自身を見る目” だった…。その驚愕のトリックを知った彼は、それまでの自分の人生がすべて “自分に対するジャッジ” によってつくられていたことに大きなショックを受けました。

父を見下し、学歴のない自分に劣等感を感じ、それをバネに成功を求め、「僕が一番だ」と社内の人間を見下していたこと ─ すべてが自分の思考がつくりだしていた “幻想” だったのです。

そして彼は、私の著書『ママとパパをえらんできたよ』の解説を読んで、この親と子の関係性に隠されたトリックを再認識し、あることを決意します。以前から講演することが決まっていた中学校で、全校生徒に向けてこの話をすることにしたのです。

中学校での講演会で

当日、Mさんはたくさんの生徒を前にして、精一杯語りました。いつも話している内容とは違うため、うまく表現できないところもありました。

「子供たちは自分の話をどのように受け取ったのだろうか…」

彼が講演を終えて控室に戻ると、まもなく数名の生徒がやってきました。

「今日のお兄ちゃんの話、本当に感動したよ!」「もっと両親と向き合ってみるよ!」

そう言って握手を求めてくるのです。廊下に出てみると、さらに数十人の子供たちが彼を待ち構えていました。自分たちの感動をMさんに直接伝えたくて、わざわざ控室まで来てくれたのです。彼らは涙を浮かべながら、自分が受け取ったことを真っ直ぐな眼差しで話してくれました。

その中学校は地域で最も問題の多い学校といわれていました。不登校や人間関係で悩んでいる生徒が多いことを知ったのは講演後のことですが、彼らの変容ぶりを目の当たりにしてMさんは感極まったといいます。

「人間が自ら答えを見出し、人生をリセットし(初期化)、蘇生していく感動をたくさんの人たちにリレーションしていこう」

彼の全く新しい自己実現プログラムは現在進行形です。世の中には数多くの成功メソッドがあります。しかし、自分が何者であるかを知らない限り、本当の成功、自己実現は起こりえません。

ミロスプログラムは、自分の中にもともと在る “答え” にたどりつくプログラムです。あなたは何のために生まれてきたのか、どんな可能性があるのか — 究極の自己実現プログラムは、自らの “本当の存在” に触れることによってはじめて動き出します。

(シリーズおわり)

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