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悩みの本当の原因は”自分の思考回路”【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.15


Introduction

人間関係、経済、健康、将来のことなど、人間は常に何かについて悩みを持っています。

離婚の危機や借金苦、病気など、強烈な悩みではなくても、例えば、うちの夫が口うるさい、子供が言うことをきかない、あの上司がいるから会社に行きたくない、収入が少ない、身体の調子がおかしい…等、常に悩みながら暮らしていないでしょうか。

悩みは目の前の環境や状況、自分の状態について思考が善悪を判断して生まれるものですから、悩みの原因は自分が見たり感じたりしている事象にあると思っています。夫がこうだから、上司がああいう人だから、給料が少ないから、世の中が悪いから…だから、自分は悩んでいる…そんなふうに思っていないでしょうか。

もし、自分が見ている外側の世界に原因があるとしたら、「同じ出来事に遭遇した人間でも、一人はその出来事を深刻に捉え、もう一人はまったく問題視しないということが起こるのは何故でしょう。事象が原因なら、同じように悩んで当然ではないでしょうか。

そこで、今回は悩みの原因がどこにあるのかを探り、“なぜ人間は悩むのか” について書いていきます。

『悩みの本当の原因は”自分の思考回路”』

人間関係の悩みにはパターンがある

色んな悩みがあるなかでも、最も多いのが人間関係の悩みです。相手に抵抗感を感じることで人間関係はこじれていきますが、これまで人間は「自分がこんな嫌な気分になるのは相手が原因だ」と思ってきました。しかし、先ほども言いましたように、同じ事象を見てもそれを問題視する人としない人がいたり、悩みの中身に違いがあったりもします。

自分はAさんが苦手でも他の人にとっては嫌な人ではなかったり、CさんもAさんのことが苦手でも、自分とは違う抵抗感を持っていたりするわけです。

このことからも言えるのは、悩みの原因は自分が見ている世界には無く、実は “自分の思考” が目の前の事象をどう見るかが原因になっていたのです。そして、他人に感じる抵抗感が大体いつも同じであるように、一人ひとりに見方のパターンがあります。ここではそのパターンを “思考回路” と呼ぶことにします。

この思考回路はどうやってできたのか

自分の悩みの原因が自分自身の思考回路なら、どういうつくりになっているのか、そしてどうしてそんな回路を持っているのか、知りたくはないでしょうか。

もしかすると、「自分はこういう思考回路を持っていたのか」と知ることができたら、悩むこともなくなるのではないでしょうか。そこで、自分の思考回路がつくりだした悩みに長年苦しんだ一人の女性の実例をひとつ紹介します。

例:思い込みがつくる人生

【実例】

家の跡取りとして育ったAさんという女性がいました。Aさんに結婚話が持ち上がったとき、彼女が他家に嫁ぐことに家族はとてもショックを受けましたが、娘の幸せを願い両親は祝福して送り出してくれました。

それにもかかわらず、Aさんは “家族を裏切った” という強烈な罪悪感を持ったのです。Aさんは「本心はみんなガッカリしているのだろう。私は両親を裏切ってしまった…」と思い込み、自分を責め続ける人生が始まったのです。自分を責めるAさんは「私は幸せになってはいけない」と思い、「早く離婚して実家に戻らなくては…」と考えながら結婚生活を送っていたのです。

他人から見れば馬鹿げた話ですが、思考回路に取り込まれている人間はこんな生き方をしてしまうのです。Aさんの悩みの発端は、両親に感じた“自分への失望” や “両親への裏切り”。親は娘の幸せを願っていたのに、Aさんの思考回路がそういう世界を見てしまったことに始まっています。

そして、「幸せになってはいけない」と自分を責め続ける思考で結婚生活を送っているため、当然、幸せにはなれませんでした。Aさん自身の思考回路が水面下で自分の人生を蝕んでいったのです。

客観的に理解したとき……

やがて夫とは家庭内別居のような状態になり、離婚したくても一人で3人の子供を育てる自信がない。そんな苦悶の日々から逃れたくて占い師にすがり、高額な品々を購入したこともありました。

しかし、そんななか、Aさんは縁あって私が伝えている “この世のトリックとシステム” に出会い、自分の思考回路を知ったのです。今までの不幸な結婚生活は、自分の思考が誤ってつくった罪悪感から生まれたネガティブな “幻想”。

その幻想がさらに幻想をつくり出し、お化けのようになっていったという自作自演の悲劇だった…。こうして、自分の思考回路を客観的に理解したとき、Aさんが今まで見ていた世界が嘘のように終わったのです。

本当の夫婦の結びつきを体験する

思考回路のフィルターが剥がれると、そこに在る世界は、“多忙なAさんの代わりに子供たちに朝食を食べさせ保育園まで送ってくれる優しい夫”。自分の実家の家族は誰一人として病気にもならず、畑仕事や旅行を楽しみながら仲睦まじく暮らしている。本当は何も問題は無く、問題視した自分の思考回路が問題だったのです。

夫婦の関係性が再生してから、Aさんは夫にこう言われたそうです。「俺たち、傷つけ合うようなことは何ひとつなかったのに、なんであんなふうになっていたのかな?」

本当に人間の思考のバカバカしさを体験し、それを超えたAさんにとって、この経験は一切無駄ではありませんでした。今まで辛抱強く待っていてくれた夫への感謝と本当の夫婦としての結びつきを体験するための “最高のプレゼント” に変容してしまったのです。

思考回路というカプセルから抜け出すこと

今どんな状況であろうと、悩みや問題の本当の原因は自分の “思考回路” にあります。Aさんのような例は特別なケースではなく、多くの人が “自分の思考回路がつくりだした幻想の悩み” に取り込まれています。

目の前に広大な世界や宇宙が広がっていても、実は人間は自分の思考回路という小さな世界の中で生きているのです。この思考回路を小さなカプセルに例えると、人間はそのカプセルのなかに閉じ込められたまま、思考回路がつくりだす映像を外側の世界というスクリーンに映し出し、それを現実だと思って見ています。

要するに、思考回路のカプセルから抜け出さない限り、悩みのある世界は終わりません。では、人間はどうしてそんな思考回路を持っているのでしょうか?次回の内容にそのヒントを見つけていただきたいと思います。

(シリーズ後半へつづく)

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