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家系に連鎖する“負のパターン”を夫婦で超える

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.158


Introduction

人間の生き方には“パターン”があり、相手や環境が変わっても同じような感情を抱き、同じような関係性(状況)を生み出しています。そして、パターンは自分だけのものではありません。

何世代にも渡って連鎖している家系の“テーマ”でもあり、その連鎖を断ち切らない限り、先祖から子孫に至るまで同じ世界(関係性)を見続けることになってしまうのです。

今回ご紹介する実証例は、ミロスシステムに出会い、生き方のパターンや、“感情”の根源を夫婦で紐解き、両家の家系に代々受け継がれてきた“負のパターン”から抜け出したある夫婦(夫Sさん、妻Mさん)の体験です。

『家系に連鎖する“負のパターン”を夫婦で超える』

怒りの感情の根源

ミロスシステムに出会い実践していく中で、様々な面で滞っていたものが流れだし、夫婦関係も変わり、順調な日々を過ごしていたSさん。しかし、心の奥でくすぶり続ける焦燥感や、時折噴き出す怒りに、どこか気持ちがすっきりしない状態が続いていました。

そんな中、もう一度、システムに基づき人生を見直してみたところ、自分の“怒り”の根源がもっと根深いところにあることを知っていったのです。

Sさんの人生の転機になった出来事には、ある一定の“パターン”と、怒りの感情には“共通性”がありました。

理不尽な目にばかり遭う

小学校時代にいじめに遭い、友人から2年以上も暴力を受け続け、とうとうその“理不尽極まりない”行為に逆上し、相手を叩きのめしたこと。

学生から社会人にかけて陸上の世界で活躍し、大きな大会の強化選手に選ばれながらも、他県から入って来た選手にいいところを全て持っていかれ、信用していた人たちにも裏切られ、その“理不尽な”仕打ちに猛烈に怒り、陸上界を引退したこと。

会社では、肉体を酷使してまで働き、技術面で成果を出すも、心無い上司に特許や手柄、栄光をすべて持っていかれ、そのあまりの“理不尽さ”に、会社組織全体に怒りを抱いていたこと…等々。

Sさんは、相手の“理不尽”な行為に激しい怒りを抱き、関係性が壊れるというパターンを繰り返していました。

怒りを解放させた

あらためて人生を見直し、自分の怒りに“理不尽”という共通性があることを知った彼は、そこに新しい人生への突破口を見つけ、さっそく、ミロスを一緒に学んでいる妻に、心の奥に追いやっていた理不尽な想いを全て聴いてもらうことにしました。「あんな事もあった…」「こんな仕打ちも受けた…」「クソー!俺の人生を返せー!バカヤロー!」

何を叫んでも一切ジャッジせずに聴いてくれる妻との空間に、思う存分出しきったSさんは、心の底から解放されていきました。

一方、妻のMさんも、夫の叫びを聴きながら、自分では知ることのできない無意識の声を感じていました。さらに、実母や祖母をはじめ、自分に受け継がれているすべての女性の苦しみや怒りが、夫の口を通して解き放たれたことを感じて、涙が流れたのです。

妻の家系のパターン

Mさんの実家の家系にはこんなパターンが連鎖していました。裕福な家から貧しい家に嫁いだ女性が、夫の“理不尽な”行為に耐えながら家庭を支え、怒りを心の奥にしまい込んだまま先に亡くなるというパターンでした。

彼女もミロスに出会う前は、そのパターン通りの夫婦関係に苦しんでいました。

夫の家系のパターン

そして、驚くことに、夫のSさんの家系も同じようなパターンが連鎖していたのです。

Sさんの祖父は、幼少の頃から神童と呼ばれ、大人になり社会的地位を手に入れますが、戦中、戦後の激動の時代の波に翻弄され、無念にもその地位を失うことになりました。

また、農業を営んでいた彼の父は、社会情勢が大きく変化する中で、農業に行き詰まり、Sさんたち子供を養うために、仕方なく職を変えました。

このように、代々Sさんの家系の男性は、努力して築き上げてきたものを世の中の都合によりあきらめざるを得ない状況に、“理不尽な”怒りを抱いてきたのです。

子供時代の感情がベースになっている

しかし、本当の原因は、嫁ぎ先が悪かったわけでもなく、世間や時代のせいでもなく、自分の内面意識にあります。Sさんは、人生の中で感じてきた“理不尽さ”を、自分の内面に戻した時、思いも寄らない“答え”を知ることになったのです。

世間や他者に抱く感情は、子供時代の両親との関わり合いの中で、父や母に抱いた感情がベースになっています。いつ頃からか、母に“愛されていない”と感じていたS少年は、他の兄弟に母の愛情を独占されることに理不尽さを感じ、自分を愛してくれない母を憎んでいました。

しかし、そうはいっても、やはり母に愛されたかった彼は、このままの自分では愛してもらえないと思い、無意識に“そんなことではダメだ”といつも自分を怒り、ゆったりと寛ぐことを許さず、優秀な子供を目指して頑張っていたのです。

人生を俯瞰しパターンから抜け出す

自分が自分に対して理不尽な行為をしていたことが観えた時、その無意識の行為が外側の世界に“反転”し、“相手の理不尽な行為”に苦しめられるという現象に現れていたことがわかりました。

そして、妻のMさんも夫と同じような境遇の中で、子供の頃から自分の価値を下げ、心の底では自分がゆっくり寛ぐことを許すことができなかったのです。

夫婦で一緒に人生を俯瞰し、自分のパターンや、代々男と女に受け継がれてきた心の傷をしっかりと認識し、それがどんな世界をつくり出していたのか、そのメカニズムを理解したことで、二人はパターンから抜け出し、内面に隠れていた根源的な苦しみからも解放されていきました。

世代間の負の連鎖を止める

こうして、両家を代表して一組の夫婦がパターンから抜け出したことで、世代間の負の連鎖も終焉しました。

世間では、世代間の負の連鎖を止めることは非常に難しいと言われていますが、新次元の視点から、人間の行動を司る“内面意識”を紐解くことにより、根源から終わらせることができるのです。

(終わり)

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