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視点を反転させることで人生はうまくいく

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.112


Introduction

人間の意識を大きく分けると、頭で決断したり認識したりする顕在意識と、その水面下にある無意識(潜在意識)の二つに分かれます。

そして、顕在意識よりもはるかに多い無意識が、人生をコントロールしています。つまり、無意識に自分を否定していたら、いくら頭で頑張ろう、自分を信じようとしても仕方がないわけです。

ミロスシステムは、この無意識にアプローチする画期的な実践法です。人間の意識の同化と反転の仕組みを使い、思い通りの人生を創造することができます。

今回ご紹介する実証例は、無意識の葛藤を理解することで、自分を取り巻く環境が思い通りに整っていったある男性(Kさん)の体験です。

『視点を反転させることで人生はうまくいく』

認知症のIさん

Kさん(男性・20代)がアルバイトをしている通所介護施設の利用者に、認知症による記憶障害を持つIさんという男性がいました。

Iさんは、何十年も前の昔のことはよく覚えていますが、寸前の出来事は全く思い出せません。そのため、何度も繰り返し同じ事を尋ねたり、今日の日付も、2,3分おきに聞いてくるような状態でした。

また、自分が施設に来ている記憶もなく、Kさんとは“毎日、初対面”という具合でした。

Iさんとの会話のパターン

Kさんは、笑顔の素敵なIさんに会うことが楽しみでした。しかし、一つだけ彼に抵抗感を感じるところがありました。

それは、わからないことがあるとすぐに、「そんなことわからないなあ、さっぱりわからない」と、会話を遮断するところでした。

認知症とはいえ、学力がとても高く博学なIさんに対してKさんは、「わからないわけがないだろう」と苛々するのです。

“わからない状況”をつくっていた

そんな中、ある日、Kさんは私の講演会に参加しました。しかし、その内容を難しく感じた彼は、知人にこんな愚痴をこぼしたのです。

「全然わからなかった…難しい」

Kさんは、“難しい”と感じるといつもそう言っていました。

実はこれがトリックなのです。誰でも、わかりづらい事や、受け入れたくない事に対して、「わからない」と拒絶反応を起こすものです。

しかし、「わからない」と言うことでどうなってしまうかというと、永遠に“わからない状況”が続いてしまいます。そして、そう言うことですべてを遮断し、自分に“必要な情報”も受け取れなくなるのです。

無意識に嫌っていたもの

自分がはまっていたトリックに驚いたKさんは、脳裏に、ある人の顔が思い浮かびました。それは、すぐに「わからない」と言うIさんでした。

Iさんの姿に、自分がぴったりと重なって見えた時、すべてを遮断していたのは自分であることにKさんは気づきました。すると、“難しい”と思っていたミロスのシステムで、自分に起きた体験がスルスルと紐解け出したのです。

『人間は自分のマイナス面を無意識の中に隠し、表面的にプラス面を演じることでバランスをとっています。しかし、そうすることで必ず隠したマイナス面が表に“反転”します』

実はIさんに抱いた抵抗感は、Kさんが無意識に嫌っているものでした。“わからない自分”“無知な自分”を嫌い、「知的な自分」を演じていたのです。Kさんは、自分が無知さを嫌ってプラス思考で生きているとは思いもしませんでした。しかし、彼は“そういうシステムになっている”ことを理解したのです。

Iさんに変化が

その翌日、Kさんの無意識を映していたIさんに、信じられないことが起きました。いつものようにIさんのケアをしながら話していると…

Iさん「今日は7月7日の月曜日ですか」

Kさんは、またいつもの“繰り返し”が始まったと思いました。しかし、Iさんは、さっきカレンダーの日付を見たことを覚えていたのです。

今日の日付さえ覚えられないIさんが…ちゃんと覚えている!!

認知症とは思えないほどに…

Kさんは驚いて、Iさんに、今どういう感覚なのかを聴いてみました。

Iさん「なんて言ったらいいのかなあ、こうしてここで話をしていると、色んな事を思い出すんですよ。私はこれまでに何回もこの施設に来ていますよね」

Kさん「そうですよ!何回も来ていますよ、Iさん!僕のこともわかりますか?他の職員のことは?」

Iさん「はい、わかりますよ」

それからIさんは、施設職員の質問に対して全部答えてくれたそうです。

Kさんに起こった奇跡

そして、後日、Kさんにも奇跡は起こりました。上司から「施設長になる気はないか?」と言われ、福祉の資格や車の免許を取得するための費用を半額出してもらえることになったのです。アルバイト社員のKさんにとって、それは異例の昇格話でした。

Iさんに感じていたものを自分に向けて“反転”させたことで、Kさんは今まで取り込まれていた“反転のトリック”から抜け出すことができました。

そして、自分の無意識が人間関係などいろんな面で人生の足かせになっていることを理解したことで無意識の葛藤から解放されKさんに、“必要な情報”が舞い込んできたのです。

(シリーズ終わり)

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