常々、私は“人生はあなたの認識(思考)通りに動いていること”をお伝えしていますが、自分がどんな人生をつくり出しているのかは、ふとした時に出てくる言葉や、頭の中のつぶやきに顕れています。
例えば、「誰にも理解されない」と思っている人は、あらゆる人間関係でそう感じるシーンが必ずやってきます。「商売は難しい」が口癖の人は、なかなかうまくいかない状況が続きます。そして、「今日もこれができなかった」とつぶやく人は、毎日その言葉通りの生活を送っていることに気づきません。
ショックなことですが、人間は自分の思考がつくり出す人生の枠内に閉じ込められているのです。
しかし、人生のあらゆるシーンを生み出す人間の意識を解き明かしたミロスシステムなら、自らの力で自分を枠外に連れ出すことができます。今回ご紹介する実証例は、まさにその体験をしたある研究者(Fさん 女性 30代 茨城県)の体験です。行く手を阻んでいた認識を見破った彼女の世界が、みるみる変わっていきます。
『人生は、人間の認識(思考)に依存している』
インドネシアから
「私はまもなく世界デビューします!」
そんな喜びの報告がインドネシアから届いたのは昨年の暮れ。森林保全活動と現地住民の生活レベル向上のため、研究をしているFさんからのミロス実践報告でした。
彼女が世界の環境問題に関心を持ったのは社会人になってからでした。なにか社会に貢献したいという想いから森林保全NGOで働く機会を得たFさんは、そこでの調査活動をきっかけにインドネシアへ渡り、多民族性という特徴や、熱帯林で暮らす人々の生活に興味を持ち、もっとその実態を知りたいと日本の大学院に入り研究に勤しんでいました。
劣等感に足を引っ張られる
しかし、もともと劣等感の強い彼女は、「勉強も英語も特にできるわけではない私が研究者としてやっていけるのだろうか」と思いながら、常に指導教員や研究室の先輩、同僚からの評価を気にして過ごしていました。
そして、研究者として自立するためFさんは博士課程に進みますが、そこでも彼女は劣等感に足を引っ張られるのでした。博士論文の提出のほか、国際学術雑誌への掲載や英語論文の作成など必須条件がいくつもある中、「私にはできない」という認識が彼女の可能性を奪っていきます。
悶々とした日々
論文を書くスキルもまったく身につかず、投稿しても拒否され、周りが当たり前のように研究資金を獲得していくなか、何も形にできないまま研究室で悶々とした日々を過ごしていたのです。
Fさんは、自分のやりたいことはわかっていました。時々チャンスもやってきました。にもかかわらず、自分に対する間違った認識が邪魔をして、なかなか前に進むことができませんでした。
「私はいったい何をやっているのだろうか・・・」
惨めさと劣等感は大きくなるばかりで、彼女自身、このままではダメになってしまうと感じていた時、ミロスシステムによって自分の人生を堰き止めているものを知っていく機会が訪れたのです。
“できない自分”を味わう
自分の現状をミロスシステムに当てはめて観た時、Fさんは、できないことを恐れて行動できなくなっている自分を知りました。
そして、自分の中にダメな自分(劣等感)と、それをバネに頑張ってきた自分の両方が見えた時、ダメな自分から逃げれば逃げるほど「私にはできない」という劣等感に囚われてしまうことがわかり、初めて彼女は“できない自分”を味わってみようと決心したのです。
今まで口にできなかった事・・・「本当に私は何もできないんだ!」と、腹の底から吐き出せた時、Fさんは“できない自分”をジャッジすることなく受け入れている自分に気づきました。
論文が国際学術雑誌へ
それ以来、彼女は“できない不安”に捕まることもなくなり、自然に自分の中からあふれ出てくる表現で論文が書けるようになっていったのです。
彼女にとって論文は苦手なものではなくなり、むしろ自分を表現するツールになってしまいました。そして、思いもしないところから協力者も現れ、非常に効率よく完成度の高い論文に仕上がっていったのです。
ついに国際学術雑誌に投稿することができ、掲載に至るまでの作業も今までにないスピードで全てが順調に進んでいきました。その結果、初投稿者にとってはレベルが高いと言われていた学術雑誌への掲載が決定したのです。
別次元の体験の始まり
自分に対する間違った認識が外れたら、何年も悶々としていた日々が嘘のように、別次元の体験が始まり出しました。国際学会で研究発表をすることも決まり、今、彼女の活躍の場が世界にどんどん広がっているのです。
まさか、自分の行く手を阻んでいたものが自分の認識だったとは彼女も思ってもみませんでしたが、自分では知ることのできない認識・思考・意識を手に取るように見せてくれるミロスシステムによって、Fさんは思考がつくり出す人生の枠外に飛び出し、自分の道でのびのびと力を発揮しています。
絶妙なタイミングで、自分の環境がどんどん整っていくなかで、世界の環境問題に取り組む彼女のこれからの活躍が楽しみです。
(終わり)