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人間は本当の意識を失ったまま生きている~他者基準の思考から脱却~

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.262


Introduction

「人間は、“本当の意識”を失ったまま生きている。ゆえに、自分の人生でありながら思い通りに生きることができない」

こう聞いて、みなさんはどう思われるでしょうか。

実は我々は、無意識に他人にどう思われているかを気にし、人に認めてもらいたいと思い、あの人のようにはなりたくないと反発したり、逆に影響されたりしています。また、批判、中傷に自分の存在価値そのものが脅かされてしまうほど、他者が自分の基準になっているのです。これを他者基準の思考と呼び、そこに自分の本当の意識は存在していません。

そして、他者を基準にして何かに傾いた思考で生きることで、この世のトリックにはまり大変な人生を歩むことにもなりかねないのです。

今回ご紹介する実証例は、波瀾万丈な人生を生きてきたある女性(Hさん 40代 高知県)が、ミロスシステムでこの世のトリックを知り、初めて意識を持てた瞬間から、急速に人生が変わり出した体験です。

自分の人生を生きるには、本当の意識を取り戻し、他者基準の生き方から脱却しなければなりません。それを可能にするのがミロスシステムなのです。

『人間は本当の意識を失ったまま生きている~他者基準の思考から脱却~』

人生の節目に大きな障害が現われる

幼い頃から“しっかり者”だったHさんは、常に周りから頼りにされる存在で、その期待に応えようと何事も一生懸命に頑張ってきました。しかし、人の役には立てても、彼女自身は、人生の節目、節目に大きな障害が現れ、思うようにはいきませんでした。

大学進学を希望していましたが、その頃、父が交通事故を起こし大変な状況のなか、Hさんは大学をあきらめなくてはならなくなり、地元を離れて都心で就職します。幸い自分の好きな分野の仕事に就くことができ、そこで10年目を迎え、ある程度の権限も与えられ楽しくやっていた頃、母が病気になり、志半ばで地元に戻らなければならなくなったのです。

自分の人生の足を引っ張る両親を憎み、思うようにならない人生に虚しさが募るばかりでした。

夫が交通事故に

その後、Hさんは、これから田舎で暮らしていくのだから…と気持ちを切り替え、地元の友人と結婚します。子どもも生まれ、平穏に暮らしていくつもりでした。しかし、夫に借金があることが発覚したのです。

お金を返済しても借金を繰り返す夫に、とうとう愛想を尽かした彼女は離婚を決意します。そして、夫に離婚届けを書かせた翌日。あろうことか夫が交通事故に遭い、植物状態で寝たきりになった夫を看病する生活が始まるのです。

借金で苦しめられた上に寝たきりになり、どこまで苦しめるのかと、恨みや憎しみでどうにかなりそうでした。しかし、その時、2人目の子どもを妊娠していた彼女は、絶望的な状況の中、子どものために無我夢中で頑張り続けたのです。

夢や希望も持てなくなった

その後も夫の意識は戻らないまま、10年が過ぎました。そして、さらに追い打ちをかけるように、母が若年性アルツハイマーを発症し、父も脳卒中で半身麻痺になってしまったのです。

「私の人生ってなに?この人たちの面倒を看るために生きているんじゃない!」

どこにもぶつけようのない怒りが湧き出て止まりませんでした。いつも誰かの犠牲になってばかりで、少しも自分の思うようにならない人生を恨めしく思いました。

もう夢や希望を持っていても仕方がないとあきらめ、そのうち彼女は、好きなことも、やりたいことも思いつかない人間になっていました。

雷に打たれたような衝撃

そんなある日、Hさんは、友人に誘われ参加したミロスシステムのセミナーで、雷に打たれたような衝撃を受けるのです。

現実は、夫が意識不明で意思疎通もできない状態に苦しんでいますが、それは同時に、自分が意識不明状態であり、自分自身との意思疎通が図れていない姿を、夫に映し見ていることを彼女は知ってしまったのです。

夫と自分がぴったり重なって見えた瞬間、夫への怒りが嘘のように消えていき、身体をはって教えてくれていた夫に、感謝の想いまであふれてきました。それからミロスシステムに触れていくうちに、どんどん彼女の心は穏やかになり、それに伴い夫の表情も柔らかくなっていきました。

しっかり者を演じてきた

Hさんは、幼い頃から両親を反面教師にして“しっかり者”を演じてきました。目の前には、いつも彼女を頼りにする人がいて、両親もそうでした。頑張っても父や母に足を引っ張られ、結婚しても、父と同じく経済力のない夫に苦しめられました。

しかし、その状況も自分の内面意識の葛藤を知ることで、何よりも早くスムーズに解決することを知っていったのです。

子どもの頃、彼女が両親に映し見ていたものは、内面に隠した“自分の不甲斐なさ”や“自己中心的な自分”でした。しかし、そうとは知らず両親を反面教師にして“自立に傾き”、人に頼られることで、認めることのできない部分を埋めようとしていたのです。

自分の中にあるマイナス面を他者を通して感じ、もう片側のプラス面で生きた結果、その傾きに気づくまで、目の前には自分の隠したマイナス面を映し見せてくれる相手が現れました。

急速に人生が変わり出す

しかし、Hさんは、夫を通して“意識不明状態で生きている自分”に気づきました。そして、ミロスシステムで他者を基準に片側に傾いた思考から脱け出し、初めて意識を持てた瞬間から、急速に彼女の人生は変わり出したのです。

夫が“他人”ではなくなったあの日から数か月経った頃、子どもたちと一緒に夫を見守る中、夫は長年の苦しみから解放されたように、とても穏やかな表情でこの世を去りました。

「ミロスに出合わなければ、私は意識不明で中身がなく、まるでゾンビのような状態で生きていたでしょう」と言うHさん。

夫の臨終の際は、死の悲しみよりも、夫への感謝の涙があふれて止まらなかったと彼女は言います。その姿は、彼女の子どもたちにも“両親は本当は愛し合っていた”ことを感じさせたのです。

(終わり)

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