実の親との関係に悩んでいる人は意外と多く、いったんこじれると修復が難しいのも事実です。他人なら、意見が食い違っても冷静になれたり、距離を置いたりすることもきでますが、親ゆえに甘えもあり、わかってもらえないとフラストレーションがたまりやすく、感情が容赦なくむき出しになってしまうからです。
しかし、親を嫌うということは、実は父と母の遺伝子情報を受け継いで生まれた自分を、無意識に嫌っているということになり、自分の人生も様々な面でうまくいかなくなってしまうのです。
今回の実証例は、40年近く憎んできた父との関係性を、ミロスシステムで紐解き、うまくいかないメカニズムを理解することで、一瞬で確執が溶け、父は別人のように変わり、他の人間関係まで変わったある女性(Kさん 40代 神奈川県)の体験です。
『父との確執-その怒りの源は、自分自身へのジャッジだった』
父を嫌う彼女の人生
幼少の頃から、父に対して抵抗感を持っていたと言うKさんにとって、父は、非常に気難しく、怖い存在でした。いつも難しい顔をして、誰をも寄せ付けない雰囲気を醸し出し、食事中さえ新聞を広げて、家族の顔を見ようともしませんでした。
いつも自分が正しく、自分の尺度で物事を考えているため、人の話も聞かなければ、何か意見をしようものなら、辛辣な言葉で言い返してきました。デリカシーがなく、思いやりがなく、家族愛のない父…そんな父に、Kさんは、いつしか軽蔑と嫌悪の眼差しを向けるようになっていました。
そして、この世の仕組み通り、父を嫌う彼女の人生はうまくいきませんでした。幼稚園に通っていた時から、いじめなど人間関係のトラブルが付きまとい、社会人になってからも、職場の人間関係に悩み、自分の居場所がありませんでした。
どんなに頑張っても結果が出ない
恋愛でも、男性との距離感がわからず、苦労していました。唯一、心の拠り所だったバイオリンで成功したいと思い、頑張っていましたが、やはりうまくいきませんでした。
どうして思うようにいかないのだろうかと、人生に疑問を抱いたKさんは、20代の頃から、本当の自分を生きられる方法を探していました。そのなかで、父との関係修復も試みますが、どうしても父に湧き起こる怒りを止めることができませんでした。
どんなに勉強しても、結果が出ないまま月日だけが流れていき、父はもう70歳を超えていました。いくら憎くても、家族のために働き、コツコツと貯金もして、多額のお金をかけて自分や妹に十分なことをしてくれた父に対して、まったく感謝のない自分のことも嫌で仕方がありませんでした。
ミロスシステムとの出合い
しかし、それでも彼女の心の奥にある熱い想いは消えることはなく、「こんな人生のはずがない」「本当の自分の人生を生きたい」と、探し続けた先で、ミロスシステムに出合ったのです。
最初に、Kさんが衝撃を受けたのは、三次元世界の“鏡の仕組み”でした。鏡の話は世の中に沢山ありましたが、ミロスの鏡の仕組みは全く違って新鮮でした。
目の前の相手に感じるものは、“自分の無意識”であり、相手を通してその無意識を知っていくことで、どんどん目の前の状況が変わっていくという仕組みに驚きました。
今まで、父を変えようとしてきましたが、この鏡の仕組みから言うと、他人は存在しません。相手を変えようとする行為自体がナンセンスであることを知ったKさんは、ミロスのカリキュラムを受け、父に湧き起こる“怒り”を通して、自分の無意識を紐解いていくことにしたのです。
父に対する怒りの源
父の何に対して“怒り”が湧いてくるのかに注目すると、愛がない、デリカシーがない、人を平気で傷つける等々、父の短所がたくさん挙がりました。なによりも、父に拒絶されること、自分の気持ちを追いやられてしまうことに、ものすごく怒りが湧いてくることがわかりました。
しかし、父のものだと思っている短所は、実はKさんが自分の奥底に隠している短所であり、彼女もまた、父や、他の人間関係で無意識にしている行為でもあったのです。その短所を隠し、良い人を演じていることに気づかないでいるから、目の前の父が、Kさんの隠している“嫌な自分”を演じ見せてくれたのです。
“父に拒絶された”と感じるのも、Kさん自身が、無意識に自分を拒絶しているからでした。自分の良いところだけを認め、嫌いなところは隅っこに追いやろうとしていたのです。自分が自分を拒絶しているから、相手に拒絶されることに敏感になり、「これ以上、私を傷つけないでほしい!」と、父に怒りが噴き出していたのです。
つまり、父に対する怒りの源は、彼女の“自分自身へのジャッジ”から生まれていました。父との関係性に、これほどまで自分の無意識が動いていたとは思いもしませんでしたが、どれも衝撃的で、ポロポロと目から鱗が落ちていきました。
父が別人のように変わった
通常、絶対に見えない意識の領域を、ミロスの“全く新しい視点”から俯瞰し、うまくいかないメカニズムを理解したKさんの中に、もう怒りはありませんでした。自分が抑圧しているものを相手に映し見て、抵抗していた“不幸な人生”から、ようやく彼女は解放されたのです。
すると、何も知らないはずの父が、別人のように変わっていました。気難しい父はいなくなり、今、Kさんの目の前にいる父は、子どものようにキラキラした瞳で、自分の好きな事を追求し、毎日をたのしんでいます。家族のことを思いやり、Kさんの話にも耳を傾けてくれる。父とのコミュニケーションも楽しめるようになりました。
また、職場の人間関係もすっかり変わり、どこに居ても感じていた他人への抵抗感も消えていることに、Kさんは驚いていました。
親との関係性は人生の基盤
いかがでしたでしょうか。ミロスシステムは、従来にはない方法で親との確執をスムーズに解消していきます。
親との関係性は、自分の人生の基盤です。この基盤をしっかりとつくり上げることで、すべてが全く変わってしまうのです。