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障害をもつ娘を通して知った、本当の安心と自由

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.249


Introduction

障害を持って生まれた子どもの親は、生涯に渡り、その子の障害に対する受容を学んでいくことになります。しかし、子どもの状態について知識をつけ、理解を深め、表面的には明るく健康的に振る舞えるようになったとしても、心の奥底で、否定的な考えや感情が渦巻いているケースは少なくなく、それが人生に様々な弊害をもたらすことにもなり得るのです。

今回ご紹介する実証例は、先天性の障害を持って生まれた娘を持つある母親(Nさん 50代 京都府)が、ミロスシステムに出合い、自分の内面意識を知っていくことで、人生を妨げていたものを取り除き、母娘が本当に安心できる世界にたどり着いた体験です。

『障害をもつ娘を通して知った、本当の安心と自由』

重度の障害を持って生まれた娘

4人の子どものうち、3番目の娘が重度の障害を持って生まれ、ずっと母娘二人三脚で歩いてきたNさん。娘が幼い頃は、自分が黒子になり、娘の手をとり一緒に動きながら、いろんなことをさせようと努力していました。

この子のために生きようと決めてから、娘と離れて行動することなど考えたことはなく、娘を置いて少しの間、外出するだけでも緊張し、逆に娘が学校行事で出かける時は、何があってもいいようにと、自宅から一歩も出かけませんでした。

また、娘が乳児の頃から、同じ境遇の親たちが集まるグループのリーダー的な存在として、娘のため、多くの子どもたちのために、精力的に社会活動にも取り組んできました。

しかし、外見はいかにも活動的で、娘の障害を受容している母親に見えても、その背後では、ネガティブな感情や考えが渦巻いていたのです。

夫婦間もギクシャク

もし、娘が障害をもっていなければ…。そんなおぼろげな不満が知らず知らずのうちに蓄積され、突然、娘に怒りが噴き出し、酷い言葉をぶつけたこともありました。

そして、夫婦間もギクシャクし出し、それから逃げるようにNさんは、さらに娘中心の生活になっていき、夫婦関係は修復できないほど希薄になり、離婚に至りました。

それでも、子どもの頃から物事を肯定的に捉える傾向がある彼女は、いろんな事があったにも関わらず、気持ちを切り替え、前に進んできました。

ミロスシステムとの出合い

そんな彼女にとってミロスシステムは、今までの肯定的な考え方や、受容するという意味合いも全く違う、新しい思考でした。三次元世界の仕組みと、それを知らないことではまるこの世のトラップ、そして、人間の思考体系などを知っていくうちに、強烈な客観性が生まれ、今まで、人の事ばかりを優先し、自分のことを後回しにして生きてきた人生が見えてきたのです。

両親との関係性

Nさんは、幼少期に遡り、丁寧に自分の気持ちや感情を味わっていきました。中でも、父と母に感じるものを通して自分を知るという実践は、生き方を変える上でとても有効的なものでした。

幼い頃から、母から行き過ぎた干渉と、精神的虐待を受けてきたという彼女は、母のことを憎んでいましたが、実はその母との密着感に安心していた自分がいたことを知りました。一方、父のことは大好きだったにも関わらず、距離感があり、愛情に欠乏感を持っていたことがわかりました。

また、父は女性解放運動や、差別解放、平和活動で忙しく、いつも家の中が空っぽの状態だったことや、父に取り残された母の気持ちを感じてみた時、両親の関係性を、そのまま自分も元夫と追体験していたことに驚きました。

自分に対する扱いが…

Nさんが、娘のことや、社会運動に力を注ぎ込んできたことで、いろんな面で我慢を強いられた夫は、子ども時代に親子関係で経験した寂しさを、夫婦関係でも体験することになりました。そして、Nさんは、父に対して持っていた愛情の欠乏感を夫にも感じ、また、母の嫌いな部分を自分の中に感じる結婚生活から逃げていました。

彼女は、ミロスシステムに出合うまで、自分はすべてに寛容で、受容的に生きていると思っていましたが、実は物分かりがいいふりをして、自分の本当の想いや感情を無視していたのです。

自分の中は、まったく満たされない空っぽの状態であり、それを埋めようとして、人のため、社会のために一生懸命尽くしてきました。そして、その自分に対する扱いが、様々な人間関係に現れていたことに、ようやく気付くことができたのです。

娘にも変化が起こった

自分が自分を不自由にしていたことを知っていくうちに、目の前の娘にも変化が現れました。普段、お尻を床につけたまま、膝を使って前進したり、後退したりしていた娘が、1人で2階に上がり、1人で降りてきて、初めて自分でトイレにも行くことができました。

そして、2階にあるタンスから出してきた自分の靴下を手に握りしめている姿に、Nさんは、嬉しさを飛び越え胸が熱くなり、顔をぐちゃぐちゃにして娘を抱きしめながら泣きました。

今まで、自分が良かれと思ってしていたことが、逆に、娘の可能性を奪っていたことを知り、知らない間にはまっていた共依存の関係からも解放されました。

すると、娘の環境にも可能性がどんどん拡がっていき、あきらめていた事もスムーズに動いていきました。また、Nさんが自分自身を本当の意味で受け入れていくと、娘はヘルパーさんたちの間で人気者になり、個人的に遊びに連れ出してもらえるようにもなりました。

心から望んだ、安心で、自由な世界

そして、ある日、すっかり人生が変わってしまったことを感じながら、娘を見ていた時、これまで娘に対して持っていた沢山の不安が、自分の中から消え去っていることにびっくりしたのです。

Nさんは、言葉にならないほどの歓喜で、その場で子どものように飛び跳ねて喜びました。自分の内面意識を知り、人生を妨げていたものを解放していくことで、娘に映し見ていた“障害”も消えたのです。

Nさんは、ミロスに出合った頃、娘の障害が消えたらこのシステムを信じてもいいと思っていたそうです。まさか自分が不自由な世界を生み出していたとは…そう思うと自然と顔がほころび、楽しい気持ちになりました。

彼女は、心から望んだ、安心で、自由な世界に、たどり着いたのです

(終わり)

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