30代は、自分の人生の歩み方や、生き方そのものについて悩みが深まる年代です。後の人生を考え、転職したり、起業したり、結婚する・しない、子どもをつくる・つくらないなど様々な面で判断をする人も多いでしょう。
しかし、自分が何を望んでいるのかわからないという人も少なくありません。中には、世間と自分のギャップに焦り、不本意な選択をして後悔する人もいます。たった一度の人生、自分らしく生きるにはどうすればいいのでしょうか。今回ご紹介する実証例が、そのヒントになれば幸いです。
40歳を目前に、人生が定まっていない自分に焦りを感じていたある女性(Tさん 長崎県)が、ミロスシステムの実践により、思い込みの目隠しが外れ、モノクロームの人生が色彩を身にまとうように鮮やかに変わっていった体験です。
『30代・独身女性 モノクロームの人生が、色彩を身にまとうように蘇る』
人生に焦りを感じる
40歳を目前に、Tさんは、人生が定まっていない自分に焦りを感じていました。看護師という仕事にやり甲斐を感じているわけでもなく、ストレスの多いこの仕事を、この先ずっと続けていく気があるのかもわかりませんでした。
また、結婚を意識してつき合いだした恋人についても、気に入らないところが多く、この人と結婚したいのかどうか、自分の本当の気持ちがわかりませんでした。
若い頃は、そのうち成るようになるだろうと思っていましたが、結婚するにしても、出産するにしても、世間で言うタイムリミットが近づき、「このままでは嫌だ!」と思い出したのです。
ミロスシステムの実践
ちょうどタイミングよく叔母に誘われたミロスシステムの恋愛・結婚セミナーに参加したTさんは、そこで、自分を不幸にするのも、幸せにするのも自分次第(内面意識)であることを知り、幸せになれる可能性を強烈に感じます。そして、生まれて初めて、自分の意思でこう宣言したのです。
「私は私を幸せにする!」
その瞬間から、スイッチが入ったように彼女の人生は動きだしました。目の前に、自分の内面意識を映し見ていることを知っただけで、日常がまったく違うものに変わりました。そして、相手に感じるものを通して自分の無意識を知ることで、自ら自分の人生をリセット、再生していくミロスシステムを実践し出したのです。
弟を通して見えた無意識
ある日、Tさんは、弟を通して自分の生き方を強烈に見せつけられます。弟には結婚を意識している女性がいて、結婚経験のない弟に対して、彼女は14歳年上の離婚歴のある子連れ女性でした。父は猛反対し、弟は取り合ってももらえませんでした。
子どもの頃からやりたいことをさせてもらえず、厳しい家計事情からいろんな事を我慢してきた弟。結婚まで自由にならないのかと、Tさんは不憫でなりませんでした。
しかし、その弟の姿こそ、Tさんそのものでした。
弟に感じる不憫さは、そのまま自分の人生に感じている不憫さでした。弟と自分が重なって見えた時、「これほどまで自分の気持ちを抑え込んでいるのか」と、ハッとしました。
父のせいで私は好きな事ができなかったと思ってきましたが、弟を通して自分の無意識の生き方を目視できたことで、不足感そのものになっていた自分から離れることができたのです。
『相手を通して自分(無意識)を知る』とは、こういうことなのかと体感した瞬間でした。
父への思い込みが消えた
そして、ちょうどそのタイミングで、自分のまったく知らない父を、叔母を通じて知ることになりました。
叔母いわく、父はTさんたち5人の子どもを本当に愛していたし、大切にしていた。育てるだけで精一杯で、子どもたちに十分なことをしてあげられない自分に不甲斐なさを感じていたと言うのです。
叔母の話に愕然とし、Tさんの記憶は根底からひっくり返されました。本当は父から愛されていたことがわかり、色のなかった子ども時代が、あたたかく幸せな景色に変わってしまいました。
さらに驚くことに、父の愛を自分の中に感じた彼女のもとに、叔母の話を証明するようなメッセージが父から届いたのです。
その日から、父はTさんの記憶にあった父ではなくなり、Tさんの方も、“父のせいで…”という思い込みの不足感が消えていました。
彼女の世界が色鮮やかに変わる
自分を不自由にしていた“我慢、自己犠牲、あきらめ・・・”という思考の縛りからも解放され、彼女は、これまで抑圧していた感情や思いとどんどん繋がりだしたのです。
なんとなくつき合っていた彼に無性に会いたくなり、会った瞬間、「この人が好きだ!」という気持ちがあふれ、ときめきが止まらなくなりました。これまで、自分の不足感を彼に映し見て、彼の本当の姿は一切見えていなかったことや、経済力など結婚の条件ばかり考えていた自分にも気づきました。
そして、二人の意思は自然と結婚へ向かい、家族や親せきから祝福され、この10月に晴れて夫婦になったのです。
父の愛を受け取れたことで、Tさんの思い込みの“目隠し”は外れ、彼女の世界は色彩を身にまとうように鮮やかに変わっていきました。
今、夫を通して自分を知り、毎瞬、毎瞬、自分も、目の前の世界も変化していく毎日を楽しんでいます。結婚したことで、これから二人で創造していく人生が楽しみでならないようです。
(終わり)