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22年ぶりの父との再会 悲劇のドラマは終わり親子の絆を取り戻す

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.185


Introduction

今回ご紹介する実証例は、物心ついた頃から父を憎み、男という性まで嫌い、そのために問題の多い人生に苦しんできたある男性(Kさん・20代)が、ミロスシステムに出会い、心の問題や家族関係、仕事、恋愛面において、今までのパターンから抜け出していく中、根元から人生を変容させる出来事を引き寄せた体験です。

両親の関係性が子どもの人生に大きな影響を与えることは世間でも広く知られていますが、「あの親のせいで…こうなった」という人生は存在しません。常に良いか悪いか、物事の片側しか見ることのできない人間がつくりだしたドラマだということが彼の体験から感じていただけるのではないでしょうか。

『22年ぶりの父との再会 悲劇のドラマは終わり親子の絆を取り戻す』

最低な父親

2歳の時、両親の離婚で父と生き別れ、その後、母の再婚相手に“男”として最低な行為を見続けたKさんにとって、“父”とは“悪そのもの”でした。

家族を捨てて出て行った父への憎しみ、恨みは消えず、酒乱、DV、浮気、キャバクラ通い…と母を泣かせた父の最低な行為は、彼にとって“男を象徴するもの”になり、男性そのものを嫌い、男である自分をも嫌って生きていました。

男性への抵抗感

男友達といても心の中では軽蔑し、街を歩いていても敵意を持った目で男性を見ていました。

また、Kさんの周りにいる女性は、男に傷つけられた人が多く、彼女たちと母が重なり、一層、男という“性”への抵抗感は大きく膨れ上がっていきました。

吐き気がするほど“男”を嫌い、男として社会に出ることからも逃げ、家に引きこもっていた時期もあったほどでした。

ミロスシステムとの出合い

しかし、ミロスシステムに出合い、すべては自分の“内面意識”が目の前に“反転”した世界であることを知り、うまくいかない世界をつくり出しているメカニズムを理解していくことで、人生観、世界観が大きく変わり、Kさんは毎瞬新しく生み直されていく人生を楽しめるようになってきました。

そんな彼に、突然、人生を根元から大きく変える出来事がやってきたのです。

祖母が突然倒れて…

ある日の朝、母から祖母の様態がおかしいという電話があり、急いで救急外来に駆けつけると、そこには意識を失ったままベッドに横たわる祖母がいました。

医師の診断は、くも膜下出血。手術をしても重度の障害が残るか、最悪の場合、意識は戻らない。しかし、手術をしなければ二日ともたないという深刻な状態でした。

Kさんは、あまりにも突然の出来事にまったく頭がついていきませんでした。

意識のない祖母に変わり、家族で話し合い、手術はしないことに決めましたが、もう祖母には会えなくなると思うと涙が止まりませんでした。

22年ぶりの父との再会

為す術もなく夕方になり、この状況を受け入れようとしても動揺を押さえきれないKさんは、何かに突き動かされるように、22年間も会っていない実の父に電話をかけたのです。

祖母の状態を伝え、「どうしても会いに来て欲しい」と言うと、父は二つ返事で病院に駆けつけてくれました。

「これが僕のお父さん…」

顔も写真でしか見たことのなかった父ですが、その暖かみのある声に、22年間のブランクも感じませんでした。

ただ、Kさんのもつ“父”のイメージとは、あまりにも違うため少し戸惑いましたが、身体中の細胞が父との再会に反応していました。

まったく異なる父のイメージ

祖母の病室へ向かう前、父の車の中で少し話すことになり、運転席に父、助手席に母が座りました。

並んだ両親の姿を後部座席から見つめていたKさんは、この父と母から生まれてきたのだと思うと胸がいっぱいになり、じわじわと湧き起こる感動に打ち震えながら、大粒の涙がとめどなく溢れました。

病室へ入ると、父は冗談っぽい口調で意識のない祖母を励まし、予断をゆるさない状況にもかかわらず、父のお陰で重たい空気が消え、安心感さえ漂う空間に変わってしまいました。

Kさんは、全く思いがけない父の言動に、自分を縛ってきた“父”や“男性”に対するイメージが一掃されていく喜びを感じていました。

父の本音…苦しみを聞き

しばらくすると、父は唐突に離婚した時のことを話し出したのです。

「Kを手放した時はマジでキツイなあと思ったよ。“パパどこへ行くの?”って言われてな。でもお母さんに渡して…。何であの時手放してしまったんだろうって、ずっと後悔してたんだ」

父の話は続き、息子を置いて家を出て行った時の胸がしめつけられるような辛さ、子どもを手放したことへの後悔、育ててあげられなかったことへの自責の念。その辛さを振り切るように我武者羅に働いても忘れられなかったことや、一人泣いていたこと。そして、離れて暮らしていても、地元の友人に頼み、息子のことや元妻の様子を聴いて心配していたことなど…。

Kさんにとって、良い意味でショックな話ばかりでした。まさか、自分や母を捨てて出て行ったと思っていた父が、こんなにも苦しんでいたとは思わなかったのです。

当時のことを話す父の目には愛おしい我が子への愛が満ちあふれ、Kさんはどれだけ自分が愛されていたかを感じることができました。

かつては見えなかった父の一面

かつてKさんは、父や自分のことを話す時、「情けなく、弱く、頼りなく、カッコ悪い男」と表現していました。

しかし、今、自分の目の前にいるのは「器が大きく、頼もしく、優しくて、カッコいい、愛にあふれた男」です。

父を通して“見たことのない自分の半分”を感じ、認めることのできなかったマイナス的な自分と一緒に見つめた時、初めて自分という存在の根元から、“両方あってパーフェクトである”と感じたのです。

二人の父を許せた

あれほど憎んだ父も、その側面には愛や優しさがあり、ただ、あの時は片側しか見えない状況だったことや、大元は、自分の嫌いな半分を父に映して見ていたという“仕組み”もわかり、自分のために悪役を演じて見せてくれた二人の父を完全に許すことができました。

そして、同時にそれは、Kさんにとって24年間分離してきた自分自身との“和解”だったのです。

祖母に起こった奇跡

Kさんはとても清々しい気分でした。自分の存在が根元から変わり、過去が完全に変わってしまったことを感じていました。

そして、彼の変容が、彼のルーツである祖母に奇跡をもたらしたのです。もう回復する見込みのなかった祖母が、医者が驚くほどの回復を見せ、手術を受けられるまでに持ち直し、術後は話せるようになれるという、あり得ない状況に変わってしまいました。

すべてが完璧なシナリオ

今回の体験を通して、Kさんはこう話してくれました。

「人生いろんな事がありますが、全体を通して見れば、僕にとってすべてが完璧なシナリオになっている。今回、それを体感することができました」

(終わり)

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