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“遠慮”という隠れ蓑で、幸せな未来を遮っていませんか?

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.251


Introduction

日本人は親しい間柄でも、遠慮することがよくあります。本来、美徳とされてきた遠慮は、相手に対する思いやりの精神からくるものですが、嫌われたくない、傷つきたくない、または、踏み込む勇気がないという自己保身から、自分の意志を主張できない人も多いのではないでしょうか。

今回の実証例は、そんな人にとって、遠慮がちな生き方から抜け出すきっかけになるかもしれません。

これからご紹介する実証例のUさん(女性 40代 京都府)は、平穏な暮らしを守るために、無意識に本音を包み隠して暮らしていました。しかし、ミロスシステムのカリキュラムを受けていくうちに、その遠慮が、逆に幸せな未来を遮っていたことを知った体験です。

『“遠慮”という隠れ蓑で、幸せな未来を遮っていませんか?』

不満・不安を抱えていたUさん

Uさんが、ミロスシステムに出合ったのは数年前。その頃、人生に思い悩んでいた彼女は、“うまくいかないメカニズム”を知り、そこから劇的に人生は変わっていきました。以前の状況からは想像もつかないほど平穏な暮らしを手に入れましたが、しつこく残っていた思考癖で、彼女はまだ不自由な世界に縛られていたのです。

その事を知ったきっかけは、ミロスのカリキュラムを受けたことでした。Uさんは、特に何も問題のない現状に満足していたつもりでしたが、意外にも多くの不満や不安を抱えていたことに気付きます。そして、その不満や不安に蓋をして、家族に本音を隠してまで、平穏な暮らしを保とうとしていたのです。

19歳の時に何があったのか

なぜ、Uさんは、そうまでして平穏を保ちたいのでしょうか…。彼女の人生の大きな分岐点となった19歳の頃に立ち戻り、紐解いていきました。

19歳の時、両親の離婚を経験したUさんは、その後すぐに再婚した父に、捨てられたように感じ、惨めさを味わいました。そして、離婚から4年後。母がガンで亡くなると、父への憎しみは増し、会うたびに大喧嘩になり、何年も会わないこともありました。

Uさんも、結婚して家庭を持ちますが、苦労が絶えず、無理がたたって自分も病に倒れ、夫も鬱を発症し、退職を余儀なくされ、お金に困るなど、何もかもがうまくいきませんでした。

ミロスシステムに出合い

そんな中、ミロスシステムに出合い、人生がうまくいかないメカニズムを知っていったのです。

父と娘の長い間の確執は終わり、親子関係も変わりました。自分の継母にあたる父の再婚相手も素敵な人で、Uさんは、継母のことを認めたつもりでいました。しかし、亡き母への想いもあり、何かが胸の奥につかえていたのです。

Uさんは、子どもの頃から辛抱強く、高校生の時に両親の不仲に気付いても、悲しみをこらえ、両親の前でも、友人の前でも、苦しさを悟られないようにして明るく振る舞い、3年間1日も休まず高校に通いました。

そのストレスが、チックやどもり、顔面の痙攣に現れても、誰にも相談しなかったのは、離婚が現実のものになってしまいそうで怖かったからでした。

自分の気持ちに遠慮していた

カリキュラムの受講中、ほかの仲間の手助けもあり、Uさんは、今まで遮断してきた感情につながっていきました。そして、ついに、両親の離婚から20年以上も、心の中に置き去りにしていた感情を、吐き出すことができたのです。

「私のお父さんをとらないで!」

父が、自分たちを置いて他の女性のところへ行ってしまうという現実を、受けとめることができなかったあの時の傷ついた自分を抱きしめ、言葉にならなかった想いを解放できた時、彼女の胸につかえていたものも溶けていきました。

すると、亡き母への遠慮も、罪悪感もなくなり、継母のことも大切に思えるようになったのです。

結局、Uさんは、自分の気持ちに遠慮し、不安や不満を隠して、偽りの平穏を保つために、相手に遠慮して生きていました。そして、そうすることで、幸せな未来を遮っていたこともわかったのです。

家族に対する態度の変化

それからUさんの家族に対する態度も変わっていきました。ある日、久しぶりに家族全員が揃い、Uさんは、手間をかけた料理でみんなを喜ばせようとわくわくしていました。

しかし、料理が出来上がっても、夫は酔っ払って寝ており、子ども達は遊びに夢中で、何度声をかけても配膳を手伝いに来てくれませんでした。とうとう怒りで声を荒げた彼女に、気持ちよく寝ていた夫も怒りだし、その場の空気が凍りつきました。

今までなら、子ども達を悲しませないように、自分の想いや感情を飲み込んでいましたが、遠慮という思考の縛りに気付いていた彼女は、自分の想いを夫にぶつけることができました。

「久しぶりにみんなで食べる夕食を楽しみにしていたのに、どうして誰も手伝ってくれないの!あれだけ呼んだのに、どうして無視をするの!」

遠慮なく話せる夫婦に

怒りながら涙が溢れました。彼女も、自分の激しい怒りに驚きましたが、両親が離婚する前の食卓にフラッシュバックし、父のために用意した料理を悲しそうに見つめる母の顔が思い浮かんだ時、あの時の母の気持ちを理解することができたのです。

夫とも、互いに何に対して怒っていたのか、とことん話し合い、理解し合えた時は、夫婦の空間がまったく変わってしまったようでした。それ以来、Uさんたち夫婦は、安心感の中で遠慮なく本音を出し合い、分かり合えるようになり、そんな夫婦の姿が、子ども達にも安心感を与えました。

今回のことで、夫婦の間に強い信頼関係が生まれ、Uさんは更にいろんな遠慮から解放され、目の前に思い通りの道が開かれていきました。

こうして、無意識に遠慮して、自ら自己犠牲を招いていた生き方から、彼女は抜け出すことができたのです

(終わり)

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