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“逃げる夫”をつくり出していた妻の“無意識”

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.165


Introduction

結婚した後に問題が出てくるのは当たり前…世の中の多くの人はそう思っているのではないでしょうか。しかし、本当は、結婚には、一族のあらゆる問題をも超えていく“仕組み”が隠されているのです。

今回ご紹介する実証例は、家庭から“逃げてばかりいる夫”に愛想をつかし、離婚を宣言した妻(Hさん)が、ミロスシステムで、パートナーと自分の関係性を紐解いていくことで、自分の無意識の中に本当の問題が隠れていたことを知り、代々繰り返されてきた“男と女の関係性”を超えた体験です。

『“逃げる夫”をつくり出していた妻の“無意識”』

夫への不満がつのり

Hさんの夫が単身赴任をすることになったのは、子育てがもっとも大変な時期でした。同居していた実母のサポートがあるとはいえ、長男と二男は小学生、三男はまだ保育園児というやんちゃ盛りの男の子の育児は本当に大変でした。

父親役もこなさなければならない彼女の負担は大きく、毎日いろんな問題を起こす子どもたちの対応に追われ、疲れ果てていました。

夫に頼りたくても、夫はそばにいません。寂しさや心細さ、育児のストレスを我慢して家を守っていましたが、そんな生活にも限界を感じ、これから先のことを夫に相談したことがありました。

結婚生活は無意味なものに・・・

彼女の希望は、夫の赴任先に家族全員で移り住むことでした。しかし、夫の返答は冷たく、“拒絶されている”と感じた彼女は、その日以来、二度と相談しなくなりました。

夫に期待するのをあきらめ、自分の気持ちをわかってもらえない悔しさや怒り、結婚生活に感じる虚しさなど、辛い感情と一緒に夫の存在を断ち切り、強く生きるようになったのです。

その頃、自分に借金があったこともあり、外に働きに出るようになったHさんは、仕事に情熱を傾けることで心のバランスをとるようになっていきました。そして、仕事をしている時だけ、アイデンティティを保っていられた彼女は、どんどん仕事に依存するようになり、夫との結婚生活は無意味なものになっていきました。

離婚を決意

“離婚”の二文字が頭に浮かびましたが、経済的な不安から離婚に踏み切ることができず、約8年間も悩み続けたのち、ついに「離婚」を決意し、夫に宣言したのです。

夫の返答は、離婚問題を“先延ばし”にしようとするものでしたが、彼女の心は変わりません。

「もう決めたこと、話し合う必要はない」

そう言って、夫の言葉を“押しのけた”のです。

普通なら、このまま離婚へと向かっていくところですが、ミロスシステムを学んでいた彼女は、ミロスの“まったく新しい視点”から、自分たち夫婦の関係性を紐解いていくことで、なぜこんなことになってしまったのかを知っていきました。

両親と同じ関係性

Hさんにとって夫は、いつも家庭のことから“逃げる、頼りにならない人”でした。そして、その関係性は、彼女の父と母の夫婦関係と同じだったのです。

Hさんの両親は、彼女が物心ついた頃から、いつも喧嘩をしていました。そして、彼女が小学3年生の時、父親が借金を背負ったことからさらに両親の関係性は悪くなっていきました。

毎日のように家には督促の電話が鳴り響き、取り立て業者が押しかけて来ました。何度もチャイムを鳴らされ、男たちの怒鳴り声が聞こえてくる中、母と一緒に息を潜めて、怯えながら彼らが立ち去っていくのを待っていました。

助けて欲しいとき、父はいつも仕事で不在でした。そんな父を、母は感情的に責め立てましたが、父はいつも黙り込むだけでした。Hさんには、父は“逃げている”ようにしか見えず、父のことを嫌い、話もしなくなっていきました。

一方、母は、借金返済と生活のために働きに出ていました。現実から逃げずに立ち向かう強い女性でした。

先祖代々続く“男と女の関係性”

問題(現象)は違っても、父と母の関係性を自分たち夫婦が繰り返していることがわかり、そして、父に感じていたものと同じものを夫に感じ、母の気持ちや感情を自分が追体験していることもわかりました。

Hさんの家系には、“逃げるズルい男”と“逃げない強い女”という関係性が代々繰り返され、その中で、逃げずに頑張っていた女性が、自分の中に抑圧した“男性への憎しみ”や女性の“悲しみ”“苦しみ”が、子孫にコピーされてきたのです。

Hさんが、子どもの頃に父を見て“逃げてばかりいる”と感じたのも、結婚したら、目の前に“逃げる夫”がいるのも、先祖代々続く“男と女の関係性”が彼女に引き継がれていたからです。

コミュニケーションから逃げている男と女

しかし、すべては三次元の仕組みを知らないがために、うまくコミュニケーションができない男と女がつくり出した関係性です。自分の無意識の中にある“ネガティブなもの”を、パートナーに映し見ていることを知らずに、相手に抵抗感を抱き、男と女は闘ってきました。

相手を責め、わかってくれないと心を閉ざし、コミュニケーションがうまくいかなくて、男も女も逃げ続けているのです。

Hさんの場合、表向きには“逃げる夫”と“逃げない妻”のように見えますが、実は彼女も夫と関わることを恐れて無意識に“逃げていました”。そして、“逃げる自分”を隠して“逃げない自分”を演じ、自分を正当化して夫を悪者にし、男性に復讐していたのです。

すべては仕組みを知らなかったがために生まれたドラマだとわかったとき、なんともいえない安堵感を得ました。その時、彼女の内なる男と女が初めてわかり合えたのです。

Hさんの世界が変わりだした

すると、Hさんの世界に変化が起こりだしました。引きこもり気味の息子が精力的に動き始め、就職活動も開始し、家のことも積極的に手伝ってくれるようになりました。

夫とは自然にコミュニケーションがとれるようになり、優しい言葉をかけてくれるような男性に変わってしまいました。

さらに、Hさんも好条件の仕事が見つかり、恵まれた人間関係の中で仕事を楽しんでいるそうです。

“男と女の関係性”を超える

いかがでしたでしょうか。価値観や性格の不一致、金銭問題、嫁姑問題、子供の教育問題…と結婚後にはいろんな問題が起こります。

しかし、実はその中で浮き彫りになる“男と女の関係性”が、目の前に様々な問題(現象)をつくり出しているのです。

一組のカップルで一族に繰り返されてきた“男と女の関係性”を超えることができたなら、家庭から問題は消えてしまうでしょう。

(終わり)

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