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自殺願望の消滅

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.175


Introduction

先進国の中で、日本は自殺大国という汚名までついてしまうほど、毎年、多くの方が自ら命を絶っています。尊い命を捨ててしまうようなことは許されることではありませんが、死への恐怖や罪悪感よりも、現状の辛さの方が超えている自殺志願者に対して、「自殺は絶対にしてはいけない」「自分自身を大切にしよう」と言ってもそれで考え直すとは思えません。

彼らが本当に聴きたいことは、励ましの言葉や説教よりも、この状況から抜け出すには「どうすればいいのか?」ではないでしょうか。

今回、ご紹介する実証例は、人生に行き詰まり、“死”を考えながら生きていたある男性(Fさん・30代)がミロスシステムに出会い、今までの人生をその根源からリセットし、生まれ直したかのようにまったく新しい人生に変わってしまった体験です。

『自殺願望の消滅』

自殺願望に襲われ…

「いつからだろう。この底なしの無気力感、絶望感。生きることへの抵抗感。自分が生まれてきたことへの罪悪感。いっそこのまま消えてしまいたい…」(Fさんの手記より引用)

精神的にどん底の時は1日中インターネットを検索し、一番楽な自殺方法を探していたというFさん。彼はなぜそこまで追い詰められたのでしょうか…。

自分に対するジャッジに苦しむ

20歳の頃、働いていた職場でスタッフ管理の仕事を任されていた彼は、自分よりも年上の人たちが多い環境で神経をすり減らし、周りに認めてもらえるように必死に頑張っていました。

元気で明るく社交的に振る舞っている時の自分を“良し”とし、精神心的に疲れて誰とも話したくない時の自分を“否定”していた彼は、常に自分に対するジャッジで心が安まることがありませんでした。

そして、「認められたい、今の自分ではダメだ」と無理をした結果、胃潰瘍になりかけ、それでも尚、薬を服用しながら這いつくばるようにして会社へ行き仕事をしていたFさんは、とうとう心身共に悲鳴を上げ、退職を余儀なくされたのです。

仕事が続かない

しかし、その後も彼は同じパターンを繰り返しました。

今度こそ大丈夫だ、この仕事は自分に向いていると思っても、順調なのは最初の頃だけでした。だんだん行き詰まり、苦しくなると職を変え、新しい職場でまた同じような状況に陥り、退職…。その度に、Fさんの自己否定は大きくなっていきました。

結婚して、子どもを持つ父親になってもこのパターンは変わらず、家族を養わなければならないという重圧がさらに彼を追い込んでいきました。

気づけば履歴書に職歴が書ききれなくなるほど、職を転々と変えていたのです。

理想とかけ離れた現実

彼自身、こんな人生にするつもりはありませんでした。自分の好きなことを仕事にして成功したい…それが彼の理想でした。

しかし、その理想とかけ離れた現実に惨めな気持ちになり、ネガティブな感情に心が占領されていったのです。どうにもならない人生を悲観し、自分を否定し、どんどん深みにはまっていきました。

「ここから抜け出したい…」そう思っても、“どうすればいいのか”わからず、もう死ぬ以外に辛さから逃れる方法が思い浮かばなかったのです。

自分など消えてしまえばいい…!

どんな死に方が楽で、家族に迷惑をかけずに済むだろうかと真剣に考える日もありました。また、食べ物もほとんど口にせず、風呂にも入らず、歯も磨かず、まるで廃人のような生活が幾日も続くこともありました。

そして、妻に手をあげるようになり、ろくに働きもしないで引きこもる自分を、“最低最悪な夫”だとさらに蔑み、「自分など消えてしまえばいい」と思っていたのです。

今までの人生を紐解いたとき

そんなどん底の状況の中、Fさんはミロスシステムに出会いました。

そして、ミロスのシステムに基づき、今までの人生を紐解くことで、なぜこれほどまで自分を否定するようになったのか、どうして人生がうまくいかないのかを知っていきました。

彼は、3歳の時に病気で母を亡くしています。その後、父は再婚し、新しいお母さんができました。

しかし、思春期の頃からその継母と衝突するようになり、また、父と継母の間に弟が二人生まれていたこともあり、自分だけがこの家の家族ではないような気持ちになっていました。

「僕だけが誰からも愛されていない」と感じ、自分の居場所を失った彼に、やがて“消えてしまいたい”という衝動が生まれたのです。

Fさんは、両親との関係性が悪いまま大人になりました。一方、父と継母は離婚し、その後、父は病気で亡くなり、継母は再婚し、戸籍上赤の他人になっていました。

人生のリセット

しかし、ミロスに出会い、継母や父に感じていたものは、“自分が自分に対してつくった間違った自己イメージ”であることを知ります。“愛されていない”と感じたのは、無意識レベルで自分自身のことを愛せないFさんが見た世界でした。

継母に対する激しい抵抗感や反抗的な態度も、“愛してもらえない”という思い込みから生まれたものであり、裏を返せば「愛して欲しい」「僕のほうを見て欲しい」という欲求の表れだったのです。

また、実の母を亡くした時に生まれた愛情の欠乏感が、父の再婚によってさらに大きくなり、“愛のない世界”を見続けてきましたが、その人生も“本当の愛”を知りたいがために自らが決めたストーリーであることを理解した時、Fさんの人生は根源からリセットされました。

こうして、人生の全体像を理解していくうちに、彼は生まれて初めて「この自分でよかった。生まれてきてよかった…」と、自分自身を認めることができたのです。

Fさんは新しく生まれなおした

そして、Fさんは、ふと継母のことを思い出し電話をしました。昔、関係性が悪かったとは思えないほど自然に会話をしたあと、彼は自分の中からあふれ出る感謝を伝えることができました。

「育ててくれてありがとう」「僕のお母さんとして生まれてきてくれてありがとう」

そこからFさんの人生は大きく変わっていったのです。自分にぴったりの仕事が見つかり、夫婦関係も職場の人間関係も変わっていきました。お金も回るようになり、以前は缶ジュース1本買うにも迷っていた彼が、マイホームまで購入したのです。

自殺願望があったとは思えないほど、彼は別人のように変わり、人生も劇的に変わっていきました。

どうにもならない人生に、はっきりと答えを示すミロスシステムによって、Fさんは、生きながらにしてまったく新しく生まれ直し、人生を再創造することができたのです。

(終わり)

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