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自分を知ることで世界は変えられる【前半】

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.82


Introduction

人は案外、自分のことを知りません。自分が何を考え、どんな行動をしているのかさえも、本当のところはわかっていません。

どうして、それほどまでに自分のことがわからないか ─ それは、“この自分” のことを自分だと思っているからです。

これを “肉体への同化” といいますが、「自分以外は他人である」という人間にとって当たり前の認識が、自分をわからなくしていたのです。

これから紹介する実証例は、幼い頃から厳しい家庭環境で育てられた女性(Aさん)の体験に基づいています。

ミロスプログラムを通して自分を知ることにより人生を初期化・再生させ、“自分を知る” ということに計り知れない可能性を見出したAさんの体験を見ていきましょう。

『自分を知ることで世界は変えられる』【前半】

自分を知ること?

「あなたにとって必要なのは、“自分を知ること” です」

Aさんが人生の答えを求めて精神世界を勉強していたとき、あるヒーラーに言われた言葉です。

しかし、彼女は “自分を知る” といっても、具体的にどうすればいいのかわかりませんでした。彼女なりに模索しながらいろんな方法を試しましたが、結果はどれも同じでした。むしろ、自分を知ろうとすればするほど、もっと自分がわからなくなっていったそうです。

そんな状況のなかで、Aさんはミロスプログラムに出会いました。

ミロスプログラムによる“自分”の概念

彼女が一番驚いたのは、それまで考えていた “自分” というものの概念と、ミロスプログラムにおける “自分” の概念があまりにかけ離れていることでした。

・“この自分” は思考がつくりあげたものであり、本当の自分ではないこと。・この世界は、“相手がいなければ絶対に自分のことを知ることができない” 仕組みになっていること。・相手に感じるものが、実は自分の無意識であること。・自分の無意識が、目の前にさまざまな関係性をつくりだしていること。・自分を知るために最も適した環境を自ら選んで生まれていること。

…等々、すべてが人間社会の常識や既存の概念を超えたことばかりでした。しかし彼女は、誰もが “自分を知る” ことができるようにシステム化された実践法があることに安心したそうです。

その日を境にして、Aさんの見ている世界はまったく変わってしまいました。突然、目の前の世界に興味が湧き、相手に対する見方が変わっただけで、人間関係がスムーズになっていったのです。

子ども時代の体験

彼女は、今まで自分の中から排除してきた相手 ─ 父や夫 ─ を通して、まったく知らない自分を発見していきました。

Aさんの育った家庭環境はあまりよいものではありませんでした。婿養子である父は、お酒が入ると人が変わったようになり、母や祖父によく暴力を振るっていました。

ほとんど仕事もせずに昼夜を問わずお酒を飲んでいた父は、家族から憎まれ、兄や弟から暴力を受けて大怪我を負ったこともありました。警察のお世話になるような出来事も一度や二度ではなく、彼女は毎日が恐怖と不安で心が安まることがなかったそうです。

そんな父と母は家庭内別居の状態が続いていました。いつも一人でいる父を不憫に思ったAさんは、進んで一緒に食事をしたり、ときには彼をかばうような言動をすることもありました。

しかし、母からすれば、娘が夫のそばにいるのは許せなかったのでしょう。Aさんが父のところにいくと、必ず連れ戻しに来たそうです。

父の行為に憎しみを

ところが、父に対する彼女の健気な思いが踏みにじられるような出来事が起こりました。

最初は小学生のときでした。突然、父が抱きついてきたのです。ちょうどその場に居合わせた兄に助けられましたが、怖くて仕方がなかったそうです。

その日以来、Aさんは自分を見る父の目を気にするようになりました。いやらしい目で見られていると思うだけで、彼女の心は嫌悪感と恐怖でいっぱいになりました。

彼女はその後も、父が繰り返す非常識な行為のせいで屈辱的な思いをしていました。恐怖のあまり何も言い返せなかった彼女は、殺意を抱くほど父のことを憎むようになっていました。

心の傷を隠して生きてきた

Aさんは母に相談することも考えました。しかし、母が泣いている姿を見て育った彼女は、それ以上、母に辛い思いをさせたくありませんでした。そして、自分のことで心配をかけないよう、泣きごとを言わずに頑張っていました。

こうして彼女は、幼い頃から辛い思いを我慢して、誰にも言えない心の傷を隠して生きてきたのです。

大人になり、結婚生活を送っていても、当時の嫌な感情がリアルによみがえってきたそうです。どれだけ年月が経っても、心の傷が癒えることはなかったのです。

新しい視点で

しかし、ミロスプログラムを体験したAさんはこう思うようになりました。

「人生は “自分を知るためのプロセス” だった。あの家も、あの父と母も、自分を知るために自分で選んだのなら、私は何を見ていたのだろう…」

それ以来、彼女はまったく新しい視点から、父に感じていたものを自分のものとして見ていきました。すると、面白いことに、“今まで知ることのなかった自分” が見えてきたのです。

父への憎悪が消える

父に感じていたことは、孤独や寂しさ、弱さ、怒り、だらしなさでした。彼女はそれを自分のものとして感じてみました。

すると、本当は “自分の寂しさ” を父を通して感じていたことに気づいたのです。

家の中に一人でいる父をかわいそうに思い、放っておけなかった自分 ─ それは “自分の寂しさ” を父に見ていたからでした。

「私を愛してほしい。私だけを見てほしい。わかってほしい。かまってほしい…」

子供時代に我慢した自分の思いが父を通して表面化したことで、家族が父から受けていた非常識で暴力的な行為も、「俺を愛してくれ」「俺のことをわかってほしい」という “家族の愛を求める表現” であったことがわかりました。

その瞬間、何年も抱き続けていた父への憎悪が溶けていくのを感じたそうです。

どんどん人生が変わる

相手に感じることを自分に向けるだけで、どんどん人生が変わっていきました。Aさんにとって、自分を知ることは驚きの連続でした。

昔、ヒーラーに言われた「あなたに必要なのは自分を知ることです」という言葉は、実は、自分を知るための絶対的な方法を知った “今の自分” からのメッセージだったのです。

彼女はミロスプログラムのシステムのひとつ ─ 過去から未来に時間が流れているのではなく、過去と未来は “現在という空間” に同時に存在している ─ を体験していたのです。

後半の次回では、Aさんがさらに深く “自分を知っていく” ことで、彼女を取り巻く環境が変容していった様子をお伝えします。“自分を知ること” にとてつもない可能性があること理解していただけるでしょう。

(シリーズ後半へつづく)

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