1. トップ
  2. Rossco’s Eyes 〜人生を俯瞰できる視点〜

  3. Vol.227


自分を探して何千里? 人生そのものが自分を知るためのプロセスだった

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.227


Introduction

兄弟姉妹間の嫉妬から人生がおかしくなってしまったという人は世の中にはたくさんいます。そして、そのほとんどは、他の兄弟と親の愛情を奪い合うことからはじまっています。

今回ご紹介する実証例のSさん(女性 30代 沖縄県)も、母親の視線を独り占めにする妹に嫉妬し、私は愛されていないと思い込んだことから人生がおかしくなっていきました。

「私を愛してほしい、私だけを見て欲しい」という強烈な欲求がつくり出す波乱万丈な人生と、そこから抜け出した彼女の今をお伝えします。

『自分を探して何千里? 人生そのものが自分を知るためのプロセスだった』

妹への嫉妬が人生をおかしくしていった

Sさんの人生がおかしくなったのは、2つ下に妹が生まれてからでした。母親の視線を独占し、また、周囲の注目を集める妹に嫉妬した彼女は、いつの間にか妹にはあって、自分にはないものを見つけるようになっていました。

明るさ、愛嬌、かわいらしさ、人気、才能…と、人から愛されるには十分すぎる要素を持つ妹に比べ、自分は、暗くて、無口で、友達もいない、才能もない、可愛くないと、姉妹でありながらどうしてこうも違うのかと自分を蔑んでいました。

母の言動にも妹との差を感じ、嫉妬から妹をいじめることもありました。何よりも悲しかったのは、母への思いや寂しさは伝わらず、母から咎められることでした。叱られるたびに“私はダメな子”なんだ、こんなだから愛してもらえないのだと思っていたそうです。

小学校でも、先生や友人から名前を忘れられるほど存在感がなく、いじめにも遭いました。家に帰ってからも、押し入れに閉じこもり一人で泣いていました。そうやって寂しさや悲しみ、怒りを自分の中に押し込んでいましたが、やがて妹や家族に向かって噴き出すようになり、日に日にその激しさは増していきました。

姉妹間の喧嘩は正気の沙汰ではないほど酷い状態になり、家の中ではSさんの泣き叫ぶ声や罵声が絶えませんでした。しかし、すべては「私はここにいるのに!」「私を見てよ!」という彼女の悲痛な思いの現れだったのです。

バレーで脚光を浴びるも

中学、高校時代、バレー部に所属していたSさんは、めきめきと才覚を現し、その活躍ぶりはTVや雑誌にも取り上げられるほどでした。実力と共に自分の名前が世間に知られ、一躍脚光を浴びた彼女は、ずっと欲しかった圧倒的な存在感を手に入れたのです。

この時、彼女は初めて「自分の存在感」と「生きている実感」を得ることができたと言います。しかし、それも束の間でした。

なぜなら、バレーボールはSさんにとって周囲の注目を自分に集めるための“飾り”でしかなく、早朝から晩まで血のにじむような特訓に耐えてまでも、名誉を手に入れ、自分の存在を知らしめたかったのです。

新しく出直したはずの大学生活は

やがて彼女の体は悲鳴を上げだし、その頃、親の離婚で精神面ではすでに限界を超えていた彼女は、誰も知らない所で全く新しく出直そうと決意します。

そして、知っている人のいない地方の大学に進学し、化粧を変え、性格を変え、生活スタイルも変えて、本当に別人になった気分で大学生活をスタートさせたのです。

大学に行くと、彼女の周りに人が集まってきました。友人たちに囲まれ、チヤホヤされ、何をしても褒められ、彼女もついに念願の「人気者になれた!」と思いました。

しかし、自分に対する劣等感や欠乏感をバネにして目標を達成できても、必ず元に引きずり戻されてしまいます。素の自分を嫌い、それを隠して別人を演じて手に入れた“人気”は、長くは続きませんでした。

Sさんは、次第に自分を装うことができなくなり、1人2人と友人も減っていきました。いつしか人に会うのも怖くなり、とうとう大学も辞めて何もかも失ってしまったのです。

“心の世界”に救いを求めた

やっとの思いで手に入れた幸せが、簡単に手からこぼれ落ちていく…。そんな人生に虚しさを感じた彼女が、次に希望を抱いたものが“心の世界”でした。

「自分とは何か… 何故こうなってしまうのか… これからどうすればいいのか…」

Sさんはその“答え”を探し求め、“自分を知るため”ならどんなに高額なセミナーでも、海外へも出かけて行きました。しかし、どれも期待外れの結果に終わり、たくさんのお金や労力を使っても何も得ていない自分に失望し、更に虚無感に苛まれるようになりました。

“華やかな夜の世界”で

それでもあきらめきれないSさんは、また物質的な世界に戻り、今度は“華やかな夜の世界”に飛び込みました。全く経験のない世界でしたが、彼女はすぐに人気を得るためのコツをつかみ、新人賞を獲得します。

そして、特例扱いで先輩たちと並んであこがれのステージに立った時でした。眩いばかりのスポットライトを浴び、自分を見つめる観客を前に…「パリンッ」と音を立てて、彼女の中で何かが壊れていったのです。

その日以降、Sさんは仕事もできなくなってしまいました。またしても夢が叶った瞬間に、幸せは泡のように消えていきました。

それから一年間、何もせず、どこにも行かず、誰にも会わない生活が続きました。しかし、またじっとしていられなくなった彼女は、再び“自分を知るため”に海外へと出かけていったのです。

どんな出来事にも法則がある

いかがでしょうか。幼少期の思い込みや、兄弟姉妹との比較から生まれた欠乏感が、こんなにもアップダウンの激しい人生をつくり上げてしまうのです。

しかし、どんな出来事にも法則があり、自分の人生を再生させる“答え”は、実は相手を通してしか知ることのできない人間の“内側という領域”にあります。

“本当の自分を知る”ためのプロセス

ようやくミロスシステムに辿り着いたSさんは、これまで探し求めていた答えを見つけていく中で、最も自分を教えてくれる“パートナー”に出合いました。その男性は現在の夫であり、実は彼も海外の高額なコースに参加していた一人だったのです。

外の世界に“答え”がないことを知った彼らは、互いに相手を通して、本当の自分を取り戻していきました。その中で、この三次元の仕組み、うまくいかないメカニズムを知り、人生の足を引っ張ってきた欠乏感や劣等感も消えていきました。

過去の悲劇も今ではすっかり喜劇となり、人生そのものが“本当の自分を知る”ための大切なプロセスだとわかった今、Sさんはゆるぎない安心感の中で、夫とともに目の前にあるすべてのものを通して自分を知る毎日を楽しんでいます

(終わり)

同じジャンルの記事

Vol.61嫉妬は本当のあるがままの自分に戻る根源の感情【後半】

Vol.246兄弟喧嘩を生み出した“本当の争い”とは—

Vol.60嫉妬は本当のあるがままの自分に戻る根源の感情【前半】

おすすめの書籍
THE ANSWER

書籍 新次元思考テクノロジー 〜対立を超える視点〜 ROSSCOが生涯をかけて伝え続けた「持続可能な人類のために絶対必要な意識のテクノロジー」とは―。
販売価格 1,980円(税込み)
商品の詳細へ

MIROSSが学べるスクールのご紹介
ミロスアカデミー ミロスアカデミーオンライン