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自分に対するジャッジが、うまくいかない人生をつくりだしている

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.256


Introduction

自分を認めることができたら楽に生きられるのに、自分を否定してしまう。周りは認めてくれていても、自己評価は極めて低い。

今回は、自分を認めることができないという方に、なぜ自分には価値がないという考えを持ってしまうのか、どうしたら自分を否定する思考から抜け出せるのか、そのヒントを実証例に基づきお伝えします。

海外生活で身についた英語力を活かし、社会の中で活躍してきたにも関わらず、自分の存在価値を失ってしまったある女性(Uさん 50代 神奈川県)が、ミロスシステムに出合い、無意識の自己否定から解放され、人生を再出発させた体験です。

『自分に対するジャッジが、うまくいかない人生をつくりだしている』

幼い頃の海外生活

幼い頃からUさんは、父の仕事の関係で、国内外を問わず、転居と転校を繰り返してきました。6歳からの3年間、アメリカに滞在した時は、辛いこともたくさんあったそうです。

初めての海外生活で、まったく言葉が通じない上に、文化も違い、周りに日本人もほとんどいないという環境に突然放り込まれた彼女は、授業にもついていけず、白人の上級生からのいじめや、人種差別にもあいました。高校生の時に滞在していたイタリアでも、日本人というだけで悔しい思いを何度も経験し、Uさんは、日本人である自分を嫌うようになっていました。

精力的に働いたが…

大学から日本に戻り、仕事はこれまでの経験を活かして、外人付の秘書を10年間勤め、その後、フリーランスの翻訳家に転向します。日中は契約先の外資系企業で働き、帰宅後、在宅で翻訳の仕事をこなしていました。

多少、無理はしても仕事は楽しく、評価も良かったことから、「私にはこの仕事しかない!」と思い、バリバリ働きました。しかし、その一方で、常に不安や自己不信がつきまとい、仕事から逃げ出したくなることもあったのです。

次第に不安の方が大きくなり、「これではダメだ…まだまだだ…」と自分を追い込んでいるうちに、鬱の症状が現れるようになりました。電車に乗ることも、人ごみに混ざることも恐ろしくなり、そんな状況から逃れたくて、その頃、交際していた男性と結婚したのです。

結婚もうまくいかない

しかし現実は、結婚前よりも、過酷な状況をつくりだしてしまいました。昼間は派遣先で働き、帰宅後は夫が経営する居酒屋を手伝い、主婦業をこなしながら、夜中に在宅の仕事をこなす…。やがてメニエール病まで発症し、ほとんど働けなくなってしまったのです。

経営を始めたばかりの夫にUさんを看病する余裕はなく、彼女が働けなくなったことで経済的な問題も生まれ、結婚生活は5年で破綻しました。離婚後も、どうにか仕事を続けていましたが、英語を見るのも聴くのも嫌になり出し、仕事を辞めざるを得なくなりました。

社会に出ることの恐怖

その後、病気の父の看病、認知症の母の介護という生活が数年続き、その間に父は他界し、母は老人ホームに委ねることになりました。そろそろ自分の将来のことを考え、仕事を再開してもいいはずなのに、社会に出ることへの恐怖から、Uさんは動き出せずにいたのです。

「私は何のために生きているのだろう…」
「なぜ生まれてきたのだろう…」

いつからか、そんな疑問が頭を占領していました。そして、その答えを求めて、精神世界や様々な思想を学んでいた先で、Uさんはミロスシステムに出合ったのです。

自分を否定していることが原因

ミロスのカリキュラムを受けていくうちに、Uさんは、自分を全否定していると、人生がうまくいかない事を知ります。人づき合いが苦手で、男も女も大嫌いだった彼女は、まさか、その嫌な相手に、自分自身の嫌いなところや、自分に対する評価を映し見ているとは思ってもみませんでした。

そして、なぜそれほどまで自分を否定しているのだろうと考えた時、50年も前の記憶がよみがえってきたのです。

50年前の記憶

アメリカの小学校に通っていた時、父が先生に言った言葉「娘がトラブルメーカーですみません」に、Uさんはひどく傷つきました。

今でこそ、それは日本でもよく使われる「いろいろとご迷惑をおかけします」という言葉だとわかりますが、当時の彼女は、「私は父から信頼されていない。私は父にとってトラブルメーカーなのだ」と思い込んでしまったのです。

そして、父の信頼を得ようと頑張れば頑張るほど、無意識の思い込みが外側にいろんな問題を引き起こし、やっぱり私はダメなんだ…と自分をどんどん否定していきました。まさに、彼女自身が自分のトラブルメーカーでした。

また、子どもの頃、何をするにも動きが遅く、元気のない子どもだったUさんは、毎日、母に叱られていたせいで、自分に自信が持てなくなり、自分の存在そのものに罪悪感を抱くようになっていました。

心の欠乏感を埋めようとしていた

そんな彼女にとって、翻訳の仕事は、唯一、自分の存在価値を感じられるものだったのです。父の信頼、母の愛情、白人に抱いていたコンプレックスなど、心の欠乏感を、仕事で埋めようとした結果、病に倒れ、仕事を失い、さらに欠乏感は大きくなっていきました。

結局、自分に対する評価の低さを、目の前の相手や出来事に映し見て、さらに自分の評価を下げていたのです。そして、自己評価のほとんどが、自分の勝手な思い込みや勘違いで生まれているというばかばかしさに、Uさんは全身から力が抜けてしまいました。

Uさんに起こった変化

こうして、彼女は自分を否定する思考から解放されると、自分をジャッジすることも、相手や物事をジャッジすることもなくなり、どこにいても、だれといても、楽しめるようになりました。

仕事もすんなり決まり、6年ぶりに翻訳の仕事を再開すると、本来持っている才能が発揮され、会社から信頼を得るようにもなり、機密性の高い内容の翻訳にも携わるようになりました。

Uさんは、今、これが私の天職だと言える仕事を楽しんでいます。

(終わり)

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