今週は、思考がつくり出す世界から抜け出し、「仕事面」でチャンスをつかんだ体験です。
人生を変えたいと思いながら、なかなか変えることができない。代わり映えのない日々を過ごし、一日のうちの結構な時間を愚痴や不平不満で頭の中を一杯にしている…。
今の世の中、そんな人は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する実証例は、なにかとストレスが溜まりがちな中間管理職の立場にいたある男性(Sさん)が、職場で感じるものを通して、自分の無意識を知っていくことで、チャンスをつかみ人生を変えた体験です。
『思考がつくり出す世界から抜け出せば、驚くほどチャンスはやってくる』
“プラス思考のトリック”
頑張っているのに成果がでない。むしろ以前よりも状況が悪くなっていることに悩んでいたSさんは、ミロスシステムを学んでいくうちに、自分が“プラス思考のトリック”にはまっていることに気づきました。
いくら人生を良くしようと思っても、その思いの源泉が“不足感”である以上、目の前の世界から“マイナス的なもの”を拾い集めてしまいます。
そして、頑張れば頑張るほど、その原動力になっている不足感も増幅し、結果、思いとは裏腹に、人生にマイナスを感じる出来事をつくり出してしまうのです。
無意識を知る
そのことに気づいたSさんに、時を同じくして、今までとは“全く違う新しい体験”が始まっていたのです。
その頃、彼の職場では退職者が相次ぎ、残された社員に仕事のしわ寄せがくるという大変困った事態が発生していました。
管理者である彼は、なんとかしなければと悩んでいましたが、この状況に一体自分の何が映し出されているのだろうかと、辞めていく社員に感じるものを自分の無意識として感じてみたのです。
相手と自分を等しく見た
社員Aさんはこう言いました。
「ここは働きやすいが“給料が少なくて…”。もっと条件のいい会社に移ります」
また、社員Bさんはこう訴えました。
「この会社の上層部の人間は、従業員のことを全然大切にしていない」
今まで、職場で否定的なことを言ったことがなく、常に前向きなSさんとは相対的な彼らですが、目の前の相手に映るものは、自分の無意識であるというこの世界の“仕組み”から見たことで、何の抵抗感もなく、彼らと自分を等しく重ねて見ることができたのです。
無意識の自分
Sさんは、社員Aさんを通して、あらためて無意識の“不足感と欠乏感”を知り、Bさんを通して“自分を大切にしていない”自分を初めて知りました。
そして、これまで“いい人”で“勤勉な社員”として通ってきたSさんですが、実はその顔の後ろには、不平不満で一杯のもう一人の自分がいたのです。
愚痴っぽい人を見ると苛々していたのも、嫌いな自分が映るためでした。
たった一日で世界が変わった
こうして、相手を通して無意識の自分を知り、“全く新しい感覚”を得たSさんに、翌日、思ってもみない事が起きました。
取引先の重役から食事に誘われ、その席で、今以上の待遇を提示され、「君なら間違いない、ぜひ私と一緒に働かないか」と猛烈なラブコールを受けたのです。
一日前、辞職する社員を通して、無自覚な“不足感”や“自己否定”を受け取った途端、今日は、取引先の重役を通して、自分の中にある“豊かさ”や“存在価値”を感じている…。
たった一日で、世界が変わってしまったことへの驚きとともに、自分が見ている世界は、真の実態ではなく、思考がつくりだした幻想であることを、Sさんは体験をもって理解することができたのです。
思考の不足感から抜け出す
その後、彼がいた事業所が閉鎖することになり、スムーズに事が運びました。
Sさんは、今までお世話になった会社に心から感謝し、新しいステージへと進んだのです。
いかがでしたでしょうか。
目の前の相手が、自分の人生を切り拓く「鍵」をもっています。そして、思考の不足感がつくり出した世界から抜け出せば、驚くほどチャンスはやってくるのです。
(終わり)