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子どもの問題行動に現れた、親の無意識

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.172


Introduction

子どもの考え方やその行動を見れば、親が何を大切にし、どのような生活をしているかがわかるという意味で“子は親を映す鏡”ということわざがありますが、実はそれ以上に、子どもは、親が自分でも気づかないところまでも映し出し、見せてくれているのです。

今回ご紹介する実証例は、娘の不登校に悩んでいたある母親(Aさん)が、ミロスシステムにより、子どもの問題行動に映し出された自分の無意識を知っていくことで、娘の不登校は終わり、自分の人生までも変わってしまった体験です。

『子どもの問題行動に現れた、親の無意識』

学校へ行きたくない

中学1年生の娘が、突然「学校へ行きたくない」と言い出し、登校しない日が続く中、Aさんは困惑しながらも、理解のある母親を演じていました。

「大丈夫よ、学校へ行かなくても。あなたが生きたいように生きたらいいのだから」

そう言って娘を励ましながら、彼女は自分の不安をごまかしていたのです。

しかし、学校へ行かない日が3週間も続くと、さすがにAさんの気持ちにも焦りが出てきました。授業の遅れや部活の進退問題ほか、いろんなことが不安になり、早く学校へ行って欲しいと思いますが、学校へ行く気配のない娘に、声をかけることができませんでした。

学校に関わりたくないのは、“私”?

そんな不安な状況からAさんを救い出してくれたのは、彼女にミロスシステムを教えてくれた友人のひと言でした。

「娘さんが学校へ行かないと決めつけていない?」

「学校と“関わりたくない”のは、娘さんじゃなくて“あなたの方”じゃないの?娘さんのことよりも、“あなた自身はどうなの?”」

友人の衝撃的な言葉は、否応なしに彼女の意識を自分の内面意識へと向かわせました。そして、友人の投げかけに、初めて自分のことが全くわからないことに気づいたAさんは、ミロスシステムに基づき本当の自分を知っていったのです。

Aさんと母との関係

“相手を通して自分を知る”という三次元の仕組みの中で、自分を知るには、両親または親代わりに育ててくれた人を外すことはできません。Aさんは、両親に意識を向けてみました。

彼女の母は5人姉妹の末っ子で、姉たちに世話をしてもらい育ちました。一方、父も幼い時に母が病死しており、姉に育てられました。両親ともに、母の愛情はおろか、母との“関わり”さえも知らずに育っていたのです。

そして、その親子関係はAさんにも連鎖していました。子ども時代に、母の気を引こうと自分を表現した時、母に相手にされなかったことにひどく傷ついた彼女は、母から愛されていないと思い込むようになり、母に近づけなくなりました。

Aさんもまた母との“関わり”を持てず、愛情を感じないまま大人になったのです。

“関わりたい”のに“関わることができない”

その親子関係は彼女の人間関係のベースとなり、無意識に“関わりたい”のに傷つくことを恐れて“関わることができない”という関係性を繰り返していました。そして、親の立場になった今も尚、娘の反応を恐れ、関わろうとしていなかったのです。

しかし、父と母を通して自分を知ることで、愛し方や愛され方を知らない両親が、わが子をうまく愛せなくても仕方がなかったことを理解することができました。

“愛してもらえなかった”という彼女の誤った思い込みはリセットされ、親子間に代々繰り返されてきた負の連鎖を断ち切ることができたのです。

娘と向き合うことができた

すると、Aさんの中から強い意志が湧いてきました。

「娘と向き合おう…」

そう決意し、自分の想いを娘にぶつけました。まったく幸せそうに見えないことや、本当は活き活きとした学校生活を送って欲しいことなど、娘が抵抗しそうなことも話しました。

一方、「家にいて幸せだ」と言っていた娘も、本当は怖かったのでしょう。怒りと恐怖でパニックを起こしながら泣き崩れたのです。

Aさんは、泣きわめく娘と抱き合いながら、気の済むまで泣きました。今まで傷つくことを恐れて自分を表現できず、何とも関わろうとしてこなかった母と娘が、初めて自分をさらけ出すことができたのです。

大粒の涙と一緒に、今まで押さえ込んできた感情は洗い流され、二人ともに心の底から解放されていきました。

娘の不登校が終わった

すると、翌日。あれだけ学校へ行くことを嫌がっていた娘が、突然「学校へ行く」と言い出し、驚くほど自然に登校することができたのです。

帰宅後も、学校での事を楽しそうに話す娘を見て、昨日までのことがまるで夢だったかのような気持ちになるほど、Aさんの世界は一瞬で変わってしまいました。

自分を知ることで愛の渇望感がなくなり、生まれ直したように人生そのものが再生したAさん。今、彼女は父と母の愛情をいつも自分の中に感じ、満ちたりた日々を過ごしています。

子どもは親の無意識を映し出している

いかがでしたでしょうか。

理解し難い子どもの言動や、親から見て自分とは正反対に思う子どもの性格も、実は親であるあなたの無意識を映し出しているのです。

親は子どもをどうにかしようと考えますが、“鏡像”である子どもを変えることはできません。

しかし、今回の事例のように、子どもを通して親が自分の無意識を知ることで、子ども時代に抑圧した感情や、その無意識の感情から生まれた“生き方”をリセットすることができます。

親にしたら時には大変な事もありますが、子どもが自分の無意識を表現しているという“新しい見方”を持つことで、子どもの姿は親にとって最高のメッセージに変わるのです。

(終わり)

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