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嫉妬は、“未知なる魅力”を引き出してくれる感情

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.160


Introduction

嫉妬は、恋愛関係で生じるものなどわかりやすいものもあれば、怒り、恨み、あきらめ、無力感、嫌悪感など、様々な感情と複合しているわかりにくいものもあり、実は自覚がないだけで日常的に感じている身近な感情なのです。そして、マイナス的なイメージが強いため、そのままにしておくことができず、避けようとすることで、どんどん大きくなる嫉妬に苦しみます。

人間に感情がある限り、一生つき合っていかなければならない嫉妬ですが、このネガティブな感情もミロスシステムの実践により、まったく新しい創造的なエネルギーに変容させることができるのです。

今回ご紹介する実証例は、相手に感じた“嫉妬心”を通して、自分の中に埋もれていた“未知なる魅力”を引き出していったある女性(Fさん・30代)の体験です。

『嫉妬は、“未知なる魅力”を引き出してくれる感情』

封印していた嫉妬の感情

ある日、Fさんが国民的な人気音楽番組を見ていた時、テレビ画面に、大物アイドルと共演するギタリスト(M氏)が映し出されました。M氏は、十数年前に彼女と同じライブハウスに出演していたギタリストで、彗星のごとく現れた天才でした。彼が加入したバンドはたちまち人気が上がり、とんとん拍子に成功を収めていきました。

Fさんは、自分たちよりも格下だったバンドがメジャーになっていく様子に、本当は強烈に嫉妬していましたが、彼らよりも劣っていることを認めたくないがために、悔しさや嫉み、M氏の才能や魅力に対する羨望を、心の奥底に封印しました。

ところが、今頃になって、すっかり忘れていた過去がほじくり返されたように、音楽業界で確たる地位を築き上げたM氏が目の前に現れたのです。あの時の感情がよみがえり、抵抗感からFさんはテレビを消してしまいました。

感情から内面意識を紐解く

しかし、十数年前とは違い、ミロスシステムを学んでいた彼女は、噴き出す感情に、そのまま振り回されるようなことはありませんでした。すぐに客観性を取り戻し、ミロスシステムにより“嫉妬”を通して、自分の内面意識を紐解いていきました。

まずは、嫉妬と対峙するために、ヒステリックな感情や悔しさをそのまま出していきました。空間に感情を放ち、はっきりと観ていくことで、感情的な自分から抜け出し、身体の中から重たさが消えていきました。そうやってどんどん解放していくうちに、お腹の底から強烈な“悔しさ”がこみ上げてきたのです。

女の自分にはない男の魅力

それは…、男性特有のたくましさ、ワイルドさ、包容力、美しさ、どっしり感…。究極は、それらをつくり出している男性ホルモンやフェロモンに対する嫉妬でした。

Fさんは、“女の自分にはない男の魅力”と、それを感じさせる“男性”に対して、怒りを感じるほど嫉妬していたことを知りました。

音楽業界にいた頃、M氏だけではなく、彼女の周りには魅力的な男性がたくさんいました。強く惹かれる人ほど危険で妖艶な魅力を放ち、その悪魔的な魅力にどんどんのめり込んでいく自分と、どうなってしまうかわからないという恐怖からストップをかけようとする自分が、常に心の中で闘っていました。そして、相手の男性を愛しているつもりでも、無意識の領域では、彼に嫉妬し、敵対し、愛するどころか憎しみさえ抱いていたのです。

内なる異性を見ている

しかし、ミロスシステムの“まったく新しい視点”から男と女を観た時、Fさんの認識、概念に大どんでん返しが起きました。

すべての人間は父(男)と母(女)の融合で生まれています。男であっても女であっても、自分の中に父と母から受け継いだ“男性性”と“女性性”という二つのエネルギーを持っています。

そして、“三次元の仕組み”として、その二つのエネルギーを目の前の相手に映して見ています。女性なら、内なる男性性を目の前の男性に感じ、男性なら内なる女性性を目の前の女性に映して見ているのです。

つまり、Fさんが“女の自分にはない”と思っていた“男の魅力”も、実は彼女の内なる男性性にあるものでした。

“肉体が女”であるがゆえに、内なる男性性が盲点になり、本当はその男性性の魅力が映し出されているのに、“三次元の仕組み”を知らないがために、“自分にはない”と思い、持っている相手に嫉妬していたのです。

“絶対に手に入らない”と思っていた“魅力”が、もともと自分の中にあったことを知ると、彼女は全身から力が抜けていきました。そして、この時、Fさんは、自分の中で男性性と女性性が出会い、結ばれたような、とてもロマンティックな感覚を得たのです。

異性関係に変化が・・・

外側の世界を通して、自分の内なる二つのエネルギーが見えるようになって以来、彼女の周辺でいろんな変化が起こり出しました。

自分の“未知の魅力”を初めて知ったその日、素敵な外国人男性に声をかけられ、少しの間、楽しい時間を過ごしたそうです。以前なら、魅力ある男性ほど警戒し、まったく寛ぐことができなかった彼女ですが、相手に感じる魅力が“自分のもの”だとわかるようになったことで、安心して楽しむことができました。

また、父親を含め、男性の前で安らげるようになり、異性関係も変わっていきました。男性からの愛も素直に受け取れるようになり、いろんな面でサポートされるようにもなりました。

こうして、ミロスの“まったく新しい視点”を掴んだFさんは、相手に嫉妬することなく、その魅力を自分に戻すことで、内側からどんどん魅力あふれる素敵な女性に変容していきました。

嫉妬のエネルギーが新次元のエネルギーに変わる

いかがでしたでしょうか。嫉妬は、古くから、人間を罪へと導く可能性のある感情だと言われてきました。時には相手を攻撃したり、蹴落とそうとしたり、悪意が芽生えたりします。しかし、ミロスシステムは、その苦しみから人間を解放するだけでなく、嫉妬のエネルギーを、豊かな人生を生み出す“新次元のエネルギー”に変えることができるのです。

(終わり)