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夫婦崩壊のメカニズム−理解することで再生していく驚異

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.194


Introduction

今週のテーマは仮面夫婦。修復不可能な夫婦関係がうまくいかないメカニズムを理解することで短期間で再生した体験です。

離婚する夫婦が多いと言われる昨今ですが、様々な事情で夫婦関係を続けている“仮面夫婦”も多いのではないでしょうか。生活費を入れるだけ、食事や身の回りの世話をするだけなど、最低限の家庭生活を維持しているだけで、会話もない暮らしは非常に虚しいものです。

今回ご紹介する実証例のOさん(女性 50代 広島県)も、生きていくためだけに夫婦を続け、10年以上も苦しい思いをしてきました。しかし、ミロスシステムに出会い、“夫婦が崩壊したメカニズム”を理解していくことで、夫との関係性が驚くほど変わっていった体験です。

壊れた夫婦関係を修復するのは非常に難しいと言われていますが、この実証例が夫婦や家族を再生していくヒントになれば幸いです。

『夫婦崩壊のメカニズム-理解することで再生していく驚異』

怒りをストレートに出せない

今から12年前、Oさんは夫と二人で整体業を営むようになりました。人を癒して喜ばれる仕事は、彼女に自信と活力を与え、最初のうちは充実した日々を送っていました。しかし、自宅で整体院を営んでいるため、夫とは365日24時間顔を突き合わせることになり、次第に夫の“嫌なところ”が目につきだしたのです。

夫の最も嫌いなところは、女性の気持ちや立場を全く理解してくれないというところでした。仕事、家事、育児に忙殺され、大変な想いで頑張っている自分のことをわかってくれない夫に、Oさんは腹が立って仕方がありませんでした。

しかし、彼女は怒りをストレートに夫にぶつけることができなかったのです。なぜなら、Oさんはまったく自覚なく、怒ることも、相手に怒られることからも避けていたからです。

言いたい事も言えず、フラストレーションは日に日に溜まり、表に出せない怒りは彼女の中に蓄積されていきました。

次女の不登校に続き、長女も心の病に・・・・

そんな中、Oさんの次女が不登校になります。Oさんは、仕事や家事をこなしながら昼夜逆転した生活を送る娘に付き合い、睡眠もろくにとれない日々が続きました。それでも助けようとしてくれない夫に彼女の怒りはおさまらず、同じ空間に一緒にいることさえ嫌になっていきました。

気持ちは完全に冷めていましたが、子どものことや生活のことを考えると離婚することもできず、彼女は10年以上も辛い思いをして過ごしてきました。

そして、とうとう長女までもが心の病を発症し、なんとかしようともがいている中、Oさんはミロスシステムに出会ったのです。

夫と自分が“まったく同じもの”

ミロスを知り、まず彼女が驚いたことは、夫と自分はまったく違うと思っていても、“新次元の視点”から見れば、“まったく同じものである”ということでした。そして、実際にミロスシステムに基づき、夫に感じるものを自分のものとして感じてみたとき、最も嫌いな自分を夫に映し見ていることがわかったのです。

あの時の衝撃は忘れられないと言います。夫が他者ではなく“自分の分身”だと思えた瞬間、夫に対する嫌な感情が消滅し、彼女の中に渦巻く葛藤も消えていました。

本当の自分を知って、本当の人生を生きる

また、常に他人の顔色を伺い、相手の心を読むようにびくびく生きてきた“生き方”にも気づき、それが子供時代に見ていた両親の関係性から形成されたものであることを知りました。そして、“この自分”も“本当の自分ではない”ことを知ったOさんは、心の底からこう決意したのです。

「もう今までの生き方は終わろう」「本当の自分を知って、本当の人生を生きていこう!」

彼女は本格的にミロスシステムを学び出し、さらに“未知なる自分”を知っていきました。

父と母との関係性で紐解く

Oさんには姉が一人いました。容姿端麗で優秀な姉は母の自慢であり、姉を褒める母の言葉にOさんは幼い頃から“愛情の格差”を感じていました。そして、姉と自分を比べて劣等感を抱き、そのコンプレックスをバネに、なんとか自分も母に褒めてもらおうと頑張っていました。

また、Oさんの父はとても厳しい人で怒りだすと恐ろしく、その時の恐怖から、彼女は“怒り”という感情を自分の中から遮断し、感じないように生きていました。怒ることも、怒られることからも避けてきたのはこのためです。

子ども時代の父と母との関係性が、Oさんのすべての対人関係に現れていました。彼女は誰に対しても父と母を無意識に感じ、怒られないように、好かれるように振る舞っていたのです。

結婚後は、夫に父を感じるため、夫に怒られないように自分を抑えて生きていました。夫に噴き出す“怒り”は、夫の言動に対する怒りというよりも、彼女が抑圧している子ども時代の感情に“夫の言動”が触れて噴き出したものであり、“私のことを見てくれない”“わかってくれない”“愛してくれない”という両親への怒りだったのです。

娘の問題行動や病気についても、Oさんの“自己否定”や抑圧された“怒り”がわが子に現れていたこともわかりました。

“夫婦崩壊のメカニズム”を理解できた

こうして、人生を俯瞰し紐解くことにより、自分に対して劣等感を植え付けたのは自分であり、“愛されていない”“わかってもらえない”と思い込んだのも自分自身であることがわかりました。結局は、自分のことを否定している“無意識の行為”を、夫婦関係やあらゆる人間関係に映し見ていたのです。

10年以上も辛い想いをしてきましたが、ミロスシステムにより“夫婦崩壊のメカニズム”を理解していくことで、Oさん夫婦は驚くほどのスピードで変化していきました。

完全に心が離れた仮面夫婦が、互いにかけがえのない存在だと感じ合える関係性に変わり、この体験があったからこそ二人の間に強い絆が生まれました。

まさか、Oさんもこんな日が来るとは思いもしなかったのではないでしょうか。そして、夫婦の変化は娘たちにも現れ、長女の精神状態も落ち着きだし、次女は自分の好きなことをはじめようと動きだしたそうです。

(終わり)

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