1. トップ
  2. Rossco’s Eyes 〜人生を俯瞰できる視点〜

  3. Vol.89


夫婦は愛を知るために、同じ苦しみを持っている

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.89


Introduction

一見、何の問題もない普通の家庭でも、様々な問題が潜んでいたりします。そして、なかには、ネガティブな思考に苦しみながらも、なにが問題なのか、はっきりとしないケースも少なくありません。

今回ご紹介する実証例は、外面(そとづら)の良い自分の後ろ側に潜む根深い問題を、ミロスプログラムにより根源から終わらせ、夫婦関係から親族に至るまで、様々な人間関係を再生させたある主婦(Oさん)の体験です。

『夫婦は愛を知るために、同じ苦しみを持っている』

プラス思考に傾いた生き方

Oさん一家は、誰が見ても絵に描いたような幸せな家庭でした。優しい夫に、よく気の利く出来た妻、親子関係も良好で…と、申し分のない家族に外からは見えていました。そして、常に周囲の人たちのことを最優先に考えるOさんは、誰からも慕われる良い人でした。

しかし、彼女は、実は心の闇や目の前の問題を、自分の世界から消し去ってしまうほどプラス思考に傾いて生きていたのです。

幸せになれない原因

外では元気で朗らかな印象のOさんですが、一歩家の中に入り、一人になると、強烈な虚無感と孤独感に襲われたそうです。心の中がいつもスカスカで、自分の存在価値を感じられない彼女は、外では無意識に無理をして明るく元気に振る舞い、周囲からの評価で自分の虚無感を埋めていたのです。

そして、人に合わせて良い人を演じているときは、自分をコントロールできても、一人になると、誰にも合わせなくてすむ分、外で押さえていたいろんな感情が噴き出し、自分をコントロールできなくなっていたのです。

Oさんが、そんな生き方に気づいたのは、ミロスプログラムに出会ってからでした。「これこそ答えだ」と感じた彼女は、自分が幸せになれない理由を知りたくて、本格的に学び始めました。

まず驚いたのは、この世には、知らなくては幸せになれない“三次元の絶対的なシステム”が存在しているということでした。そして、そのシステムに自分の人生を当てはめて紐解いていく中で、「これが幸せになれない原因だ!」というものを発見したのです。

夫の顔色ばかり伺ってしまう

彼女は結婚前から、自分の父や両親の関係性を見て、男性に恐怖心を持っていました。そして、“男は女を傷つけるだけで守ってくれない”“当てにならない”と思い込んでいました。その彼女の思い込み通り、夫は怖いだけで頼りにならない人でした。

Oさんいわく、夫はすぐにキレる人で、普通の話をしていても、突然怒り出すことが多かったそうです。そのため、彼女はいつもおそるおそる顔色を伺いながら夫に接していました。ひとたびキレるとどうすることもできず、怖さのあまり彼女はただ黙って夫の怒りが治まるまで耐えていたのです。

そんな夫のことが嫌で仕方なく、同じ家に住んでいながら、彼女の中に夫の存在はありませんでした。嫌なものは自分の中から消し去り、感じないようにしていたからです。

しかし、この世界では、いくら感じないようにしていても、それが目の前の世界に反転して何かの現象として表れます。彼女が夫の存在を自分の世界から抹消しようとすればするほど、夫は感情的になり、彼女を苦しめるのでした。

“内側の男性性”が反転していた

それにしても、父と夫、それ以外にもOさんはこれまでに出会った男性に対して同じものを感じてきました。どうして、彼女は同じタイプの男性を見続けていたのでしょうか。

実は、彼女の“内側の男性性”が反転して目の前に表れていたのです。内側の男性性とは、簡単にいうと、父(男性性)と母(女性性)の融合から産まれている自分の遺伝子情報のようなものです。つまり、彼女が男性に感じるネガティブなものが、彼女の遺伝子に刻まれた男性性であり、人生の超えるべきテーマなのです。そして、そのテーマは、先祖代々繰り返されてきた“男と女のテーマ”でもあるのです。

親子三代に渡り繰返されていた関係性

そのことを証明するかのように、Oさんが夫に抱いている抵抗感は、彼女が両親の関係性に感じていたものと全く同じものであり、Oさんの娘も母と同じ抵抗感を夫に抱き、最悪な夫婦関係に陥っていたのです。

親子三代に渡って繰り返される関係性を見たOさんは、それがシステムになっていることを認めざるをえませんでした。夫婦は表面的にはまったく違う人間に思えても、無意識の中に同質のものを持っています。そこでOさんは、自分が夫を怖がるように、実は夫も彼女に恐怖を抱いていることを知ったのです。

お互いに「愛して欲しい」と叫び合っていた

いつも夫に攻撃される側の彼女は、最初は「夫が怖がっている」とは思えませんでした。しかし、見たこともない内側の世界に触れていくことで、自分と夫がまったく同じであることに気づいていきました。

彼女は自分は被害者だと思っていましたが、自分も夫を攻撃していたことを知ります。キレることで攻撃してくる夫に対して、彼女は沈黙することで夫を遮断し、彼を傷つけてきたのです。そして、自分のことをわかってもらえないと閉ざす彼女に対して、夫は自分のことをわかってもらえないことに怒りを感じていました。

彼女は攻撃してくる夫の恐怖から逃れるために、夫の存在を自分の中から完全に抹消していましたが、夫は見捨てられる恐怖を感じていたのです。

結局、お互いに「わかって欲しい」「自分を受け取って欲しい」「愛して欲しい」と無意識の中で叫び合っていたことがわかりました。このことを知ったときの衝撃は、今でも鮮明に覚えていると彼女は言います。そして、この時から夫の言葉の奥にある彼の想いがわかるようになったそうです。

夫はいつもOさんのことを想い、いろんなものを与えようとしていたのです。しかし、男性に対するネガティブな思い込みから夫を見ている彼女には伝わらず、その無力感や孤独感が怒りになって“キレていた”のです。

信頼し合える夫婦へ

すべてが紐解けたとき、男と女の長い長い戦いが「これで終わった」という何とも言えない安堵感を得たそうです。夫を通して自分の内側の男性性を受け入れたことで、同時に、もう片方の内側の女性性が癒やされ、Oさんの内側の世界はまったく新しいものに変容してしまいました。

そして、今度はその新しい内側が目の前の外側の世界に反転します。それ以来、Oさん夫婦の関係はまったく変わり、本当に信頼し合える夫婦になりました。最悪だった娘夫婦も今では幸せそうにしているそうです。

さらに、彼女の父も、今までバラバラだった親族達との縁が戻るというように、Oさん夫婦の周りにいる人たちがどんどん幸せになっていったのです。

最後に、彼女はこう言ってくれました。

「いろんな事がありましたが、すべて自分でつくり出した人生でした。でも、システムを知らなければテーマを知ることも超えることもできなかったでしょう。いま、私は、先祖の代表としてすべてをリセットし、新しく再生されたことを実感しています」

(シリーズおわり)

同じジャンルの記事

Vol.102男と女で好きなものを生み出す“結婚”

Vol.197すべては自分−“自分いじめ”が終われば、目の前から問題も消える

Vol.85男と女のパートナーシップに隠された秘密【後半】

おすすめの書籍
THE ANSWER

書籍 新次元思考テクノロジー 〜対立を超える視点〜 ROSSCOが生涯をかけて伝え続けた「持続可能な人類のために絶対必要な意識のテクノロジー」とは―。
販売価格 1,980円(税込み)
商品の詳細へ

MIROSSが学べるスクールのご紹介
ミロスアカデミー ミロスアカデミーオンライン