私たちは、少なからず周りの環境やその場の状況に応じて、自分の表情や態度を変えています。これは順応力や適応能力とも言いますが、人に気を使い、顔色を伺い、相手に合わせる行為の裏には、実は自分のことを見て欲しい、認めて欲しい、愛して欲しいという欲求が隠れています。
これは人間の根源的な欲求であり、なぜなら、生まれて最初に出会う親から愛されていると肌で感じることで、人は自分の存在価値を認めていくからです。
他の人間関係においても同じであり、相手や社会の評価で自分の存在価値を感じています。つまり、人間は“他者”が基準となった自分を生きており、本当の意味では、誰も自分というものをもっていないのです。
これからご紹介する実証例は、世間の人気で成り立つ“芸能界”で、小学生時代の約3年間、子役タレントとしてお仕事をしていたある女性(Iさん)が、タレントを辞めてから陥った自己喪失感からミロスシステムによって抜け出し、本当の自分を取り戻していく様子をお伝えします。
『他者基準の自分の殻を破り、本当の自分を取り戻す』
芸能界を辞めた途端・・・
幼い頃から芸能界に興味があったIさんは、小学2年生の時に芸能事務所に所属し、番組オーディションを受けて、某人気番組のレギュラーに抜擢されました。タレントになった彼女は、いつも周囲からチヤホヤされ、自分の思い通りの毎日を過ごしていました。
そして、芸能界という特別な世界で評価を得ていたこともあり、「私は他の子とは違う」と優越感に浸っていました。
しかし、小学4年生の時、学業に専念するためタレント業を辞めた途端に、周りから注目されなくなり、輝いていた日々が一瞬でモノクロの世界に変わってしまいました。
今まで自分に集まる視線を意識してきた彼女は、今度は、他人の視線や言動から、自分に対する“無関心さ”を無意識に拾い集めるようになり、過去の輝かしい自分と、現状とのギャップに苦しみ、芸能界にいたことも完全に封印して生きるようになったのです。
そして、自己喪失感に陥った彼女を、さらに兄の存在が苦しめました。
劣等感・無価値感が大きくなった
Iさんは、三人兄弟の真ん中で、兄と弟がいました。その兄が文武両道で、その上、何事にも要領が良く、彼女にとって敵わない存在でした。
芸能界にいた頃は特に気にもならなかった兄が、タレントという“肩書”を失うと、劣等感や無価値感を増幅させる存在になり、何かにつけて兄からバカにされているように感じていました。
また、芸能活動を辞めると家庭に目が向くようになり、両親の夫婦関係に壁を感じ、兄弟間にも壁を感じていた彼女は、家の中にも外にも心から寛げる場所がありませんでした。
兄を見返したい・・・!
そんな生活が10年近く続き、Iさんも大学4年生になり、いよいよ進路を決めなくてはならない時期がやってきました。
特にやりたいこともなく、周りの学生に合わせて就職活動を始めますが、そんな彼女を動かしていたものは、「兄を見返してやりたい」という負の感情であり、彼女が選ぶ企業の基準は、“兄を見返すことのできるレベル”でした。
兄が羨むような優良企業に入り、兄より多く稼ぎ、余裕のある生活を見せつけたい…Iさんの動機や行動の“基準”は兄であり、本当は何をしたいのか、どうなりたいのかさえもわからないほど、自分を失っていました。
ミロスシステムとの出合い
当然、就職活動は上手くいきません。しかし、ある日、エントリーした会社の説明会に参加した時、ひとりの講演者の魅力的な話が、彼女の琴線に触れたのです。
これがIさんと“ミロスシステム”との出会いでした。
そして、ミロスにより三次元の“ミラー(鏡)の仕組み”-「自分の内面意識を目の前の世界に映して見ている」-を知った時、世界がひっくり返ってしまうほどの衝撃を受け、そのミラーの仕組みを使って三次元のからくりを知っていったのです。
すべては、“内面意識”が作り出していた世界
優秀な兄に対して抱いていた劣等感は、実は彼女の自己評価でした。そして、驚くことに、彼女が自分に対してもっている不平や不満が、自分をバカにする兄の言葉として噴き出していたのです。家族に感じていた“壁”も、彼女の自分自身に対する“壁”でした。
すべては、自分の“内面意識”がつくり出した“世界”であることを知ったIさんは、自分が自分を苦しめていたこと、相手に感じる抵抗感は自分自身への抵抗感であることに気づきました。
そして、自分を認め、愛することができるのは、自分以外にはいないことを理解したのです。
Iさんの世界はみるみる変わった
すると、その瞬間からIさんの世界はみるみる変わっていきました。
あれほど見返したいと思っていた兄への感情が消え、兄からバカにされることもなくなり、信頼し合える関係に変わりました。
両親の仲も変わり、彼女自身も、芸能界にいたことを隠すことなく、笑って人に話せるほど変わってしまいました。
そして、以前は、家族と一緒にいても、幸せを感じることのなかったIさんでしたが、今では、家族とすごすことが本当に楽しいそうです。
「私にとって、家族が集まるリビングが、何よりすごい“パワースポット”です」
そう話すIさんは、いま本当の意味で輝きだしたのです。
本当の自分を取り戻すこと
いかがでしたでしょうか。
自分の内面が表に“反転”し、目の前の世界に映し出される世界で、自分を救えるのは自分しかいません。そして、自分が救われることで家族や周りの人たちも救われ、幸せになっていきます。
新次元の思考テクノロジー“ミロス”で、他人の評価でつくられた自分という殻を破り、本当の自分を取り戻していく…。
ひとりの人間がこれまでの自分をリセットし、再生することに、実は世の中を変えるほどの力があるのです。
(終わり)