人間の感情はただの想いにとどまらず、現象として人に影響を与えるだけの力を持っています。中でも非常に厄介なのが、強烈な感情から生まれた人間のネガティブな“思い込み”です。
たとえば、私は愛されていない、認めてもらえない、誰にも理解してもらえない、お金を稼ぐ力がない、何をやっても長続きしないなど、自分に対していろんな思い込みを持っていますが、この世界では、ネガティブなものほど叶いやすくなっています。
そのため、思い込みが外れなければ、ポジティブに生きて人生が良くなったとしても一時的なもので終わり、逆に以前よりも状況が悪化したり、気持ちが更に落ち込んだりと、いわゆるリバウンド現象が起こるのです。
今回ご紹介する実証例は、問題の多い家系に生まれ、自分の血を嫌って生きてきたある女性(Sさん40代 富山県)が、ミロスシステムに出合い、負のパターンをつくり出している“仕組み”を知って波瀾万丈の人生をリセットし、別人に“変身”したように、人生に快進撃を続けている体験です。
『人生大変身! リバウンドなし!』
問題の尽きない家系に生まれた
Sさんの波乱万丈な人生は、彼女が生まれる前からはじまっていました。父方、母方の両家ともに詐欺に遭い、財産を失うという不幸な出来事があり、そして彼女が生まれ、その直ぐ下に生まれた妹が脳性麻痺で長くは生きられないという暗いニュースが続きました。
母は妹の世話にかかりきりで、Sさんはほとんどかまってもらえず、また、両親が共働きだったため、小さな頃から祖母にあずけられ、母のぬくもりを感じられずに育ちました。そして、父からは妹の分も期待され、非常に厳しく育てられたため、家の中に心の拠り所がなく、寂しく孤独な子ども時代を過ごしました。
親の愛情に飢えた彼女にとって、親が自分に与えてくれるたくさんの“お小遣い”が、唯一欠乏感を埋めてくれるものになり、お金に対しても歪んだ執着心を持つようになっていきました。
また、親族には酒乱で精神を病んだ叔父がいるなど、Sさんの家系には問題が尽きませんでした。
Sさんは、家族に対する劣等感や、自分へのコンプレックスを隠すように、家の中でも外でも“いい子”でいました。しかし、大人になるにつれて、内に隠した葛藤がいろんな問題となって表面化していったのです。
悲劇の連続
年頃になり、結婚を意識しだした頃、婚約者から、ある日突然、家にまつわる問題を理由に別れを切り出され、破談となりました。「君の家の血は汚れている。だから結婚はできない」と・・・。
自分にはどうすることもできない“家系の因縁”が原因で愛する人と結ばれなかった彼女は、父を責め、自分の出生を恨みました。そして、その後の彼女の人生は、まさに自分の血を憎むような悲劇が続いたのです。
結婚はしましたが、夫からのDVなど結婚生活に問題が絶えず、二度の離婚を経験します。また、お金の面でもトラブルが絶えず、仕事で大金を稼いでも、いつも“人のために”散財し、あげくには詐欺に遭い、何千万もの借金まで背負うことになりました。
そして、健康面にも問題が絶えず、特に子宮系の大病を繰り返しました。まるで自分の血を嫌う彼女の想いがそうさせているかのように、子孫をつくる臓器に三度もメスを入れることになったのです。
セラピストとして華々しい実績を上げるも
身も心もズタズタに傷つきながらも、皮肉にも彼女は“人を癒やす”セラピストという仕事をしていました。その実績は華々しく、芸能関係者や著名人を何人も世に送り出し、中には彼女の助言によってある分野で大ブームを起こした人もいました。
多くの病めるクライアントを癒し、運気を上げてきましたが、自分のこととなるとお手上げで、何をしても人生を変えることができませんでした。
その間にも、母が自ら命を絶つという、セラピストの彼女にとってはあり得ない悲しい出来事も起こりました。
運命のパターンをリセット
本当に問題の多い人生を送ってきたSさん。これまで、負のスパイラルから抜け出そうと必死にもがいてきましたが、ミロスシステムに出合い、“物事の全体像を理解する視点”から、運命のパターンをリセットしていったのです。
彼女にとって最も大きな変化は、「親からも誰からも愛されなかった」という想いが、自分の“思い込み”だと知ったことでした。確かに、両親から充分にかまってもらえなかったことや、父から厳しく躾けられたことは事実です。
しかし、そこで抱いた感情や考えは、親の一面だけを見て“彼女が感じたもの”であり、もう片側にある側面は一切見えない中での“思い込み”でした。
思い込みが不幸な出来事を作る
実は人間の見ている世界は、個人の信じ込み、思い込みによってつくられており、その想いの力は真実よりも強く、自分が「こうだ」と思った世界しか見ることができません。
「親から愛されていない…」と思い込んだSさんは、親から注がれる愛情を感じられなくなり、“愛されない世界”をつくり上げていきました。そして、更に思い込みは強まり、またそれが不幸な出来事をつくり出す…というように、負のスパイラルから抜け出せなくなっていました。
頑張れば頑張るほど、この世界の“反転作用”によって、望まない方向に引き戻される力も大きくなり、法則的に起こる不幸に「この家の血は汚れている」とまで思うようになったのです。
しかし、自分の無意識が外側に映し出される“仕組み”を知り、自分が幼少期に親子関係に映し見ていたものは、自分に対する劣等感やコンプレックスであり、彼女の家系に代々引き継がれてきた思い込みだとわかったとき、ついに、彼女の強固な思い込みは外れ、根源から生まれ直せたのです。
両親が、充分なことをしてあげられない分、自分にお小遣いを与えてくれたこと、当時の状況では、それが精一杯の愛情表現であり、妹の分まで良い人生を送ってもらいたいという父の想いもしっかりと受け取ることができました。
まるで別人に生まれ変わった彼女
“仕組み”がわかり、思い込みが外れ、愛されていたことを知り、自分を愛し出したSさんは、まるで別人に生まれ変わったようにバイタリティに溢れる魅力的な女性に変身してしまいました。
人生も、誰もが認めざるを得ないほど大変容し、異性からも同性からも愛される人気者になりました。経済の流れも大きく変わり、借金は瞬く間に完済し、今では充分すぎるほど潤っているそうです。
健康面でも体内年齢が10代と言われるほど細胞から若返り、彼女の快進撃はとどまるところを知らない勢いです
(終わり)