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人生は自作自演のドラマ〜53年間に渡る母娘の悲しい物語が終わる

Rossco’s Eyes ~人生を俯瞰する視点~ Vol.203


Introduction

多かれ少なかれ、人間は誰しも人生に重たい荷物を背負って生きています。しかし、その荷物を背負わせたのは一体だれでしょうか。様々な出来事や事象に脚色し、ストーリーをつけているのは、あなた自身の“見方”や“捉え方”ではないでしょうか。

そして、実は目の前の相手や事象に感じているものは、人間の意識の奥にある“無意識の自我”なのです。

今週ご紹介する実証例は、生後間もなく実母と生き別れ、大変な人生を歩んできたある女性(Sさん 50代 北海道)が、ミロスシステムに出合い、“新次元の視点”から人生を紐解き、“母と娘の悲しいドラマ”をつくり上げた無意識の自我をリセットし、人生を変えた体験です。

『人生は自作自演のドラマ~53年間に渡る母娘の悲しい物語が終わる』

私は捨てられた子…

生後まもなく複雑な事情でSさんは実母から引き離され、その後、子どもに恵まれなかったある夫婦のもとに引き取られ育てられました。

幼い頃に養父母から“血の繋がりがない”ことを聴かされ、厳しい躾けのもと心の拠り所もなく、Sさんは心を閉ざすようになりました。その上、足に先天性の障がいを持っていた彼女は、自分に対する世間の冷ややかな目で家族が肩身の狭い思いをしていることも知っていました。そんなSさんが、自分の出生を恨むようになったのも無理もありません。

「私は捨てられた子、足も悪くみんなに迷惑をかけて…本当にダメな子だ」

そう言って自分を否定し、存在していること自体に罪悪感を持ち、自分の感情はおろか足の「痛み」さえ押し殺していたのです。

養父母が気に入る相手と結婚

年頃になり結婚したい相手がいましたが、猛反対する養父母には逆らえず、髪が抜け落ち、失語症になるほどの辛い別れを経験しました。

その後、養女にしてもらった恩を返すべく養父母が気に入る相手と結婚しましたが、嫁いでからも養父母のメンツをつぶさないよう良い嫁、良い妻、良い母を演じ続けて自分の本当の気持ちを抑え込み、結婚生活は非常に息苦しいものでした。

結婚15年目に離婚

やがて、夫の帰宅時間になると過呼吸や様々な症状が現れるようになり、結婚15年目にして離婚を決意。

「もう誰のためでもなく自分を生きてみたい、幸せになりたい」と思うようになったのです。

結局、離婚について夫と折り合いがつかず、Sさんは三人の子どもを置いて一人家を出ていくことになりました。この時、彼女は生まれたばかりの自分を置いて出ていった実母と同じ苦しみを味わうことになったのです。

ミロスシステムとの出合い

Sさんは、自分が不幸なのは、母が自分を置いて出ていかざるをえなかった忌まわしい出来事が原因であり、あの家に生まれなければ幸せに暮らせていたかもしれないと思っていました。

しかし、ミロスシステムに出合い、自分の“無意識の自我”がつくり出す人生に翻弄されていたことを知り、生まれながらに持っていた“自己否定感”や“欠乏感”が、親子関係や夫婦関係ほか、様々な人間関係に影響を及ぼしていたこともわかりました。

ミロスの“新次元の視点”から人生を紐解くうちに、どうすることもできなかった人生が変わっていったのです。

53年前に生き別れた母に会いたい!

そんな中、家族や周りの人たちの後押しもあり、53年前に生き別れた母に会いたいという想いが湧き、ついに母の消息を突き止めることができました。

子供の頃から厳しい家庭環境で親の愛情を知らずに育ったSさんは、実母に対して理想を膨らませていました。

「本当のお母さんは、優しくて、穏やかで、優雅で…」と美化し、きっと新しい家庭を持ち家族に囲まれ幸せに暮らしているだろうと思っていました。けれども、実母は遠く離れた田舎町でひっそりと暮らしていたのです。

長いあいだ閉じ込めていたドロドロした感情

初めて電話をかけた時、電話の向こうで実母は泣きながら謝っていました。

「ごめんね…本当にごめんね…」

イメージとは違う涙まじりのかすれた声が一層Sさんを切なくさせました。しかし、その一方で、Sさんが子供の頃から苦しんできた“先天性の足の障がい”について、実母に軽く聞き流されてしまい、苦労をわかってもらえなかったことに怒りを感じていました。

そして、その怒りが引き金となり、長いあいだ心の奥底に閉じ込めてきた、憎しみ、悲しみ、ドロドロした感情が堰を切ったように噴き出したのです。

以前のSさんなら、そんな“感情”と向き合おうとはしなかったでしょう。しかし、ミロスシステムに出合い、感情を解放しない限り、延々と同じ感情を味わう体験を繰り返すことを知りました。

Sさんは、逃げずに味わいきり、“可哀想な自分”を認めることができずに平気なふりをして頑張って生きてきた自分を包み込みました。こうして辛い感情から解放されたタイミングで、Sさんは実母に会う日を迎えたのです。

実母との再会

初めて見る実母は、彼女の理想をすべて裏切り、あまりの衝撃に再会の感動も消えてしまうほどでした。目の前で謝る姿は、哀れで、惨めで…Sさんはいたたまれない気持ちになりました。

一日、観光をしながら実母と話しましたが、実母はSさんに今までどうやって生きてきたのかと尋ねることもなく、Sさんの質問には「忘れた…」としか答えませんでした。しかし、「がっかりさせてごめんね…」と言う母に、Sさんは自分の姿が重なって見えたのです。

一人で寂しく生きることを選択し、子どもには迷惑をかけるまい、誰の世話にもならずにひっそりと死んでいきたい…

母に感じるものすべてが、人生をあきらめ不幸を選択した“自分の姿”そのものでした。

「もしかしたら、私も同じ人生を迎えていたかもしれない…」

母を通して“死んだように生きていたかもしれない自分の姿”をはっきり見たとき、Sさんは“母の存在そのものが自分にとって最大の愛だ”と感じたのです。

幸せになる許可

そして、子を愛するがゆえに背負ってきた母の罪悪感、娘を失った喪失感、母としての無価値感は、離婚をして三人の子供を置いてきたSさんが背負ってきたものと同じでした。

また、実母に対して“幸せでいて欲しかった”というSさんの想いと、Sさんの娘が母(Sさん)の幸せを願う気持ちが同じであることにも驚嘆しました。

最終的に、実母に感じたネガティブなものも、幸せを願う気持ちも、すべては自分に対する“自分の本当の想い”だということがわかり、Sさんは自分自身に幸せになる許可を与えることができたのです。

自作自演の人生をリセット

こうして母と娘の悲しい物語は終わりました。すべてがわかった時、誰も悪くはなかったことも理解できました。

なぜなら、母から娘へ代々引き継がれてきた“無意識の自我”がつくり出す“うまくいかない人生”に閉じ込められていたことを知ったからです。

ミロスの視点から人生を紐解き、自作自演のドラマだとわかったら、どんな人生もリセットされます。そこから先は、あなたが本当に望んだ世界が待っています。

(終わり)

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